すべて真夜中の恋人たち の商品レビュー
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微妙な終わり方が現実のようで好きだなと思いました。 中盤までアルコール依存中心で読みづらかったですが、 これまでぞんざいに扱われ続けてきた主人公が 新しい出会いをきっかけに少し人生に折り合いをつけて、良いことがなくても生きていこうとする 姿勢が良い。 とはいえ友人に薦めたいかと言われると…微妙。
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まず川上未映子さんはルックスが好みである。本作が英訳され直近のアメリカのメジャーなブックアワードにノミネートされていると聞き及び読んでみた次第。日本の小説がどれほどの量で英訳されているのかは❓だが、訳者が気に入ったのでしょう。80年代JーPOPがシティポップとして意外な曲が海外で...
まず川上未映子さんはルックスが好みである。本作が英訳され直近のアメリカのメジャーなブックアワードにノミネートされていると聞き及び読んでみた次第。日本の小説がどれほどの量で英訳されているのかは❓だが、訳者が気に入ったのでしょう。80年代JーPOPがシティポップとして意外な曲が海外で流行っている昨今、本作もシティポップっぽいっちゃぽいテイストだ。日本のハイミスの一類型として陰キャを主人公にして陽キャを対岸に置いて話は進む。主人公のイミフなアル中設定に困惑と不愉快さを感じるも終盤でその設定が放棄され、そこから急激に陰キャのアタックが始まる。陰キャが心を寄せる冴えない薄毛紳士はキャラも薄すぎて、陰キャ同士のまどろっこしいプラトニック擬きのやり取りがナンでアメリカでウケる?のかとビックリする。 女性の女性たる思考回路をさらっと書いて、今風な現代日本女性作家の作風っぽく、川上さん以外が作者と言われてもすんなり納得しそう。ゆえに男性作家じゃあよう書けん作品でもある。 あっという間に読了できる読みやすさを加味して星四つとしました。
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冒頭は良かった。これからどんな物語が始まるんだろうって。 読みはじめてすぐにつまづき、読み進めていくのがちょっときつくなる。それは、石川聖の価値観のおしつけのような会話の連続。元同僚の恭子の会話までその手の話。特に、主人公である冬子の日常や動作の描写が冗長だと感じるほどの引き延ばし。 次に、冬子の扱いみんな雑すぎ。 同級生・典子の放った言葉「冬子がわたしの人生の登場人物じゃないから」。初体験を半強制でやられ、男から言われた「君をみてるとね、ほんとうにいらいらするんだよ」。聖でさえ最終盤で冬子をボロクソに言う始末。 これらのエピソードが何も語らない冬子の内面を表すのに必要なものなのかもしれないが、こんなぞんざいな扱いをする人達との関係なんて糞くらえだ。 この著者の小説は初めてなのだが、合わなかった。
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数年前に読んだのでうろ覚えなのだが、どうも川上未映子作品は苦手だなと感じた1冊目。著者のくせなのだと思うが句点のなかなかこない文章は鬱々とした気持ちにさせる。 また、アル中の主人公にも共感できず、読み終えるのに苦労した思い出がある。
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「もちろん生きてるからにはどこかで深刻さを引き受けなきゃならないことは確かだけどでもそれはある部分だけにしておいた方がいいと思うのよ」
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世間にうまく馴染めない私ですが、理解のある彼君と出会えて幸せです。 みたいな話かと思っていたら、意外な展開になってちょっと面白かった。 それにしても女性の描く「女」は何故こうも生々しいのか。凄くきれいなパッケージに包まれた臓物というか。 出てくる女性達が何故か主人公に対して上か...
世間にうまく馴染めない私ですが、理解のある彼君と出会えて幸せです。 みたいな話かと思っていたら、意外な展開になってちょっと面白かった。 それにしても女性の描く「女」は何故こうも生々しいのか。凄くきれいなパッケージに包まれた臓物というか。 出てくる女性達が何故か主人公に対して上から目線なのがとてもつらい。 特に高校の友達はひどい。15年ぶりにあった友人に対して「あなたはもうわたしの人生の登場人物じゃない」から他の人に言えないことも赤裸々に話すことができる、とか本人を目の前にして言うセリフかね。
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言い回しや表現が好きだった。 この感情は、言語化するとこういうものなんだ、という発見がたくさんあった。
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途中、登場人物にも何回か言われていたけど、主人公の性格には最後までイライラした。 ただ文章はほんと綺麗だったし読みやすかったです。 途中、旧友の典子が主人公のことを「入江君」と呼ぶシーンがあり、性別を勘違いしてどこか読み飛ばしてたかな?と混乱した。 あれはどういう意味だったのだろう…。 文体はほんとに素敵だったので彼女の他の作品も読んでみたい。
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何もしてこなかった。 自分にもろにささる言葉だった 「光」これがキーワード。物質ごとに多くの色の光は吸収されていて、吸収されなかった色の光が反射して私たちが見ている世界を構成する。人間も、見えてる部分と見えてない部分があって、真夜中は光が少なくなる分、人は僅かなその光ー認識できる部分ーだけを追い求めてしまう。こんな解釈でいいのかな。
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すごくいい!!!!!! 三束さん、どこか村上春樹の小説に出てくる「ユミヨシさん」と同じように響きました。
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