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すべて真夜中の恋人たち の商品レビュー

3.5

612件のお客様レビュー

  1. 5つ

    103

  2. 4つ

    171

  3. 3つ

    192

  4. 2つ

    59

  5. 1つ

    12

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2023/08/14

校正の仕事をする主人公と偶然に出会った三束さんとの、ゆっくりと、じっくりと流れていく時間と、その日々の中で主人公が自分自身の内に向き合う様子が描かれたストーリー。 序盤からずっとお酒を持ち歩き、心の緊張のようなものをできるだけ解そうとしている主人公に、ずっと不安感を抱かされるが...

校正の仕事をする主人公と偶然に出会った三束さんとの、ゆっくりと、じっくりと流れていく時間と、その日々の中で主人公が自分自身の内に向き合う様子が描かれたストーリー。 序盤からずっとお酒を持ち歩き、心の緊張のようなものをできるだけ解そうとしている主人公に、ずっと不安感を抱かされるが、三束さんとの出会いを機に少しずつ様子が柔らかくなって、本来の気質が見えてくるうちに、無意識に彼女自身を応援してしまっていた。 人とうまく関われない人たちの、それでも人との関わりに憧れていること、不器用さが歪みを生ませてしまうこと。そういったものの丁寧な描写が、人間の繊細さという魅力を感じさせてくれる。 人間関係の拡がりがない分、物語の世界を覗き見しているような気分になるので、少しミニマムな感覚でしっかりと人間というものを見ることのできる作品。 また、エンディングに近いところまで核心的な言葉や感情的な言葉を使わずに主人公の心が丁寧に描写されていることで、こちらの心の記憶をゆっくりなぞるような感覚があった。 心の片隅に忘れていた感情を見つけては、主人公の感情と答え合わせをするような。

Posted byブクログ

2023/08/09

三束さんはなぜ来なかったのか。してもらったのと同じくらいの食事代を払えないから?変化が怖いから?冬子からの想定以上の愛情に恐怖を感じたから?冬子が入江くん呼びされてることも含め、考察したくなる本だった。

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2023/08/06
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『文にあたる』で取り上げられていた台詞に惹かれて読んだ。終わりがけにある、「ゆっくりと忘れていった」という言葉に安心した。そうやって生きることは続いていくんだと思えたから。

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2023/08/04

最終節が読後の満足感をグッと上げてくれた。 聖の本音が溢れて止まってくれない感じがすごくリアルでヒリヒリした。 川上未映子さんの、会話の密度や共感覚的な表現すごいなあと思う。

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2023/07/30

静かな夜に1人でひっそりと読みたいお話。 主人公があまりにもあがり症すぎてイライラすることも多かったですが、それがまたいい。

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2023/07/29
  • ネタバレ

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恋愛小説を読みたいと思い、本屋さんで気になったので購入しました。 言葉がとにかく綺麗。美しすぎて、読みこぼれがないようにしなくちゃと思ってしまって、半分くらいまでは中々感情移入できなかった。 でも、一文字一文字すべてしっかり読むのをやめて、ゆるくさらっと読むようにしたら物語に入れるようになって、読む速度も早くなった。 主人公の入江冬子は自分の意思もなく、人と話すことも苦手で、読んでるとちょっとハラハラしてくる。 しかも、魔法瓶に日本酒をいれてカルチャーセンターへ行き酒の力で思い切って受講しようとしたり、でも結局酔いが回って吐いちゃったり、三束さんと会う前は必ずお酒を飲んでたりで、共感どころかなんでやねん!と思わず突っ込んでしまう場面もあったり。 恋愛ものだけど、もどかしさを感じてしまう。でも冬子にとっては全力の恋なんだと思ったら切なくなる。 聖は冬子とは真逆のタイプで考え方もすごくはっきりしてるけど、三束さんと高級レストランに行ってきた冬子に意地悪を言ってしまうシーンで、聖は聖で不器用な人なんだなと思った。不器用だけど良い人。聖の言葉には考えさせられたし、納得する言葉もあった。 面白かったけど、物語に入るまでに結構時間がかかってしまったので星3つにしました。

Posted byブクログ

2023/07/20

主人公の心理や行動が変貌していく姿を、細やかな描写で表現している。全米批評家協会賞の候補になったということだが、翻訳者は相当の力量が必要だったことだろう。想像していなかった結末を迎えたときは、ちょっと放心してしまった。私が凡庸で、想像力に欠けているのだろうか。

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2023/07/16

さて……、読んでしまいました。 初めて出会う文体に、言葉選びに、最初は心がザワザワと。あまり気が乗らずモタモタと。 中盤から最後にかけては風のように。冬のお話に相応しくない表現かもしれないけれど、風鈴の音のように、私の中を流れていった。 私の尊敬する女の子が「川上未映子先生」と...

さて……、読んでしまいました。 初めて出会う文体に、言葉選びに、最初は心がザワザワと。あまり気が乗らずモタモタと。 中盤から最後にかけては風のように。冬のお話に相応しくない表現かもしれないけれど、風鈴の音のように、私の中を流れていった。 私の尊敬する女の子が「川上未映子先生」と呼び敬意を表している作家さん。とても不思議なゆらめきがあった。どんな人と出会って、どんな考えで生きてきたのか…どんな人なんだろう

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2023/07/13
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真夜中に街や人が寝静まったときに読みたい、静かなお話でした。 主人公・冬子がアルコールに依存していくところ、高校生の頃にいちどセックスしたきりで三束さんとプラトニックに交流していくところ、特にこれといって主張の無いところがちょっとイラッとしました。こういう気持ちになったという事は、自分もどこか似てる部分を持っているのかも知れません。

Posted byブクログ

2023/07/13
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相変わらず表現がきついところもあった 最後の急展開に驚き 読み終えた後に、冒頭の文を読むと、心にくるものが。

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