すべて真夜中の恋人たち の商品レビュー
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芥川賞ってわたしにはまだわからないなぁ…と思いました。終始優しい文章で読みやすかったけれど、共感できるところはあんまりなかったかな…。人生経験をもっと積んでから読んだら何か違うのかもしれない。 三束さんとの別れ方がなんとも切なかった。でも既婚者落ちとかではなくてよかった。聖みたいな、独立した女性はかっこいいなぁと思います。
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文字たちがなめらかでやわらかくて、時間を忘れる気持ちよさだった。穏やかに苦しくて迷いながら生きている登場人物がみんな魅力的だった。光について一際考えることが増えた。川上未映子さん、好きです。
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この本は、読者の記憶にそっとしまってあったものを使ってストーリーを展開してくれる。街路樹を透かすきらきらした光、下校する小学生の賑々しい声、窓越しの音のしない雨…美しく静かな筆致で、自分事のような温度を感じられる。 ストーリーは、恋愛は人を変えるとか友情は正義とか言いたい内容にみ...
この本は、読者の記憶にそっとしまってあったものを使ってストーリーを展開してくれる。街路樹を透かすきらきらした光、下校する小学生の賑々しい声、窓越しの音のしない雨…美しく静かな筆致で、自分事のような温度を感じられる。 ストーリーは、恋愛は人を変えるとか友情は正義とか言いたい内容にみえて、そうでもない。むしろみんな自分勝手だなと思う人たち。なのに憎めない、やっぱりいるよなこういう人と思う人たち。 寂しい気持ちになったときにとてもお勧めです。
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2023.08.28 読了 ・主人公の不器用具合にヒヤヒヤとむず痒さを感じた ・小学校の時の初恋を思い出した。全然話したいこと話せなくて、心臓もばくばくして、だから話せた時は温もりとか、その人の顔や雰囲気、仕草、話したことずっと大切に大切に反芻して宝物みたいに大事にしてたなあ...
2023.08.28 読了 ・主人公の不器用具合にヒヤヒヤとむず痒さを感じた ・小学校の時の初恋を思い出した。全然話したいこと話せなくて、心臓もばくばくして、だから話せた時は温もりとか、その人の顔や雰囲気、仕草、話したことずっと大切に大切に反芻して宝物みたいに大事にしてたなあ。 そういった恋愛を入江さんは34歳でできるなんていう純粋な感性が羨ましいと感じる一方で、34歳のスピード感じゃないなとも思ってしまった。でも、好きな人との一瞬を大事にする感覚、私も大事にたいと改めて思わせてくれた。
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ぼんやりと光る感情の静かな美しさ 主人公目線で進む物語で、それを取り巻く様々な人間関係を、どこか醜さも入り混じった美しい文体で表現していく。三束さんとの恋も勿論ですが、特に主人公と聖の真反対な関係がまるで自分が孕む矛盾に見えて、その葛藤に心打たれてしまいました。 「究極の恋愛」と...
ぼんやりと光る感情の静かな美しさ 主人公目線で進む物語で、それを取り巻く様々な人間関係を、どこか醜さも入り混じった美しい文体で表現していく。三束さんとの恋も勿論ですが、特に主人公と聖の真反対な関係がまるで自分が孕む矛盾に見えて、その葛藤に心打たれてしまいました。 「究極の恋愛」と謳うだけあって、思わず自分の恋と重ねて胸が締め付けられたり、優しい気持ちになったりと心がずっと動かされてました。 読んだ後はぼんやりとした気持ちと、悲しい感情と、表現し難いこの複雑な想いをもって真夜中を歩きたくなる…そんな作品でした。
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何年か前にSNSで話題になってて ずっと積読してた本。 大人になってから読んで良かったのかもしれない。 究極の片思いって感じする。 主人公の好きの気持ちが分からないときと 好きなんだって気づいたときの描写の違いが良い。 あとは聖だったかな、、 聖が言う言葉、胸に刺さりまくり...
何年か前にSNSで話題になってて ずっと積読してた本。 大人になってから読んで良かったのかもしれない。 究極の片思いって感じする。 主人公の好きの気持ちが分からないときと 好きなんだって気づいたときの描写の違いが良い。 あとは聖だったかな、、 聖が言う言葉、胸に刺さりまくり(笑) 友達に欲しいけど少し怖い(笑)
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今まで読んだ事の無い文体でスロースペースで読み切りました。 ストーリー展開よりも、 表現が魅力的で読んでしまうと世界観に引き込まれます。共感を得る部分は多く、読後感もとても良かった。またの機会に再読しようと思います。
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静かな展開の中に豊かな表現で恋愛から遠ざかってしまった主人公の心情が描かれていて、女性視点の恋愛観が表現されていたと思います。 この作品を通して、大人の恋愛って何なのだろうと考えさせられますね… 好き好き言い合ってるだけで、楽しい気分になってた高校生時代の恋愛とは対照的に大人に...
静かな展開の中に豊かな表現で恋愛から遠ざかってしまった主人公の心情が描かれていて、女性視点の恋愛観が表現されていたと思います。 この作品を通して、大人の恋愛って何なのだろうと考えさせられますね… 好き好き言い合ってるだけで、楽しい気分になってた高校生時代の恋愛とは対照的に大人になれば、パートナーとの将来や身体の関係など、より複雑化されてくるからこそ、悩ましいものであると思いました。 恋愛に億劫になってる人に対して、刺さるような強烈な言葉もあって、読んでて正直、少し苦しかったなと…
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川上さん5冊目。今まで読んだ中で一番美しくて静かな物語だった。色んな文章が書けて素晴らしいです。でも、大体どの話にも共通しているのは、女性への優しい眼差し。最後冬子と聖が感情をぶつけた後仲直りしたように、私たちはぶつかったり、慰めあったりして生きていけるのかもしれないな、と思った
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タイトルから想像していた物語とは少し毛色が違うものでしたが、とても面白かったです。 「自分の意見も持たず、何考えてるかわからない」みたいなことは、僕も言われた経験あったし、今でも考えることなので、主人公の気持ちに共感できる点がいくつかありました。 それにしても、川上未映子さん初読みでしたが、表現のストックえげつないです…
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