すべて真夜中の恋人たち の商品レビュー
切なくてもどかしくて不安で、少しずつ読んでいたら2ヶ月もかかってしまった でも私がこの本を読むにはそれだけの時間が必要だったんだと思う 喫茶店で向かい合う三束さんと冬子、「記憶につまさきをそっと入れてゆく思い」と書かれた部分は官能的で読んでいて息も胸も詰まって本を閉じてしまうほ...
切なくてもどかしくて不安で、少しずつ読んでいたら2ヶ月もかかってしまった でも私がこの本を読むにはそれだけの時間が必要だったんだと思う 喫茶店で向かい合う三束さんと冬子、「記憶につまさきをそっと入れてゆく思い」と書かれた部分は官能的で読んでいて息も胸も詰まって本を閉じてしまうほどで やはり川上未映子さん好きだ
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私はここからの立ち直り方をまだ知らない。 静かなのに、心と頭が忙しい、気がする。 光の描き方や、セリフの言い回し、たくさんのフレーズに川上未映子の感じ方の豊かさ繊細さがあって、すごい。わかるっその感じ!とはっとするところがいっぱい。 感じ、を、こんな言葉にすることができるのか…と...
私はここからの立ち直り方をまだ知らない。 静かなのに、心と頭が忙しい、気がする。 光の描き方や、セリフの言い回し、たくさんのフレーズに川上未映子の感じ方の豊かさ繊細さがあって、すごい。わかるっその感じ!とはっとするところがいっぱい。 感じ、を、こんな言葉にすることができるのか…とため息が出る。
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最初はどうしても主人公が理解できなくて、人に対して全てを諦めててうまくコミュニケーション取ろうとしないところとか自分で強く生きようとしないところとか登場人物の聖のように私もイライラしたんだけど、それだけ私と正反対の感性をもった人の話ってことで気づいたらのめり込んで異様なスピード...
最初はどうしても主人公が理解できなくて、人に対して全てを諦めててうまくコミュニケーション取ろうとしないところとか自分で強く生きようとしないところとか登場人物の聖のように私もイライラしたんだけど、それだけ私と正反対の感性をもった人の話ってことで気づいたらのめり込んで異様なスピードで読了です。 とにかく余韻がすごくって、私と正反対の感性でも 恋愛に対して感じることすごく共感できて。 今の世の中、恋愛ノウハウとか脈ありなしとか駆け引きとか天秤にかけるとかそんなのばっかり目につくし考えてしまいがちだけど元々恋愛って誰かを好きになれる、でものめり込みすぎると危険な麻薬みたいな。 どの感情にも分類できない特別な感情なんだよね。 付き合うことが、気持ちを伝えることが、 結婚することがゴールなんじゃなくて ただその感情を味わえるほどの経験ができるだけで幸せなのかもしれないね。 どんなに辛くても、嬉しくてもハッピーエンドにならなくても時間って思いを薄めていく、光みたいに吸収されて消えていく。 読み終わってそんなこと考えてたら泣いてた。
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文章が読みやすかった。 この著者の本を読むのははじめてだった。 日本の作家の小説を読むこと自体がだいぶ久しぶりだったので、風景や感情の描写が自分の求めていた小説の文章と一致していて、ぐんぐん読み進めていける気持ちよさがあった。 真夜中や渋谷の雑踏の描写がけっこう好き。 主人公の恋の展開は、本人にとっては劇的だろうけど、結局はあるべきところにおさまって安心したというか… はたから見たらどこに惹かれたかなんてちっとも理解できないし、現実的な未来があるようには思えない恋に見える。 どうしようもなく惹かれる気持ちもまあわかるけど、主人公の恋愛への没入が、危うさも感じたし、もし二人が結ばれたらどんな気持ちになるのか、うまく想像できなかった。 だから結末はホッとした気持ちが大きかった。 聖との諍いが丸く収まったのも含めて。 登場人物たちの中で唯一、三束さんが浮いていて、恭子さんから見た聖、主人公の周りの人たちから見た主人公への評価というか見立てみたいなものがあったけど、三束さんにはそれがないのも主人公の恋の危うさを引き立てているのかもなーと思った。 あと主人公が会話の中でさらっと嘘をつくのが、身に覚えがありすぎて怖かった。 はたから見ると嘘ってわかるもんなんだな… 会話を変なところで詰まらせないように選択してるだけなんだよな…
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文章が綺麗で読みやすかった。自分の気持ちや考えの表出が薄い主人公を通して、あーなんか人間関係ってこうだよなって思ったり、こういう人いるよねって思ったりするのは結構よかった。でもちょっと暗いなー。みんなのこれからのことを考えちゃった。
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ヘブンを読んだ以来の川上さんの本でした。(ヘブンを読んだのは10年も前でオチを覚えてないんですが、巧妙な気持ち悪さがあって、この人の書く本は毎回気持ち悪い本なのかな?と思って買った本が今回の本です。) 純粋なまっすぐな恋愛だったな、と感じました。自分に自信がないからお酒を飲んで会...
ヘブンを読んだ以来の川上さんの本でした。(ヘブンを読んだのは10年も前でオチを覚えてないんですが、巧妙な気持ち悪さがあって、この人の書く本は毎回気持ち悪い本なのかな?と思って買った本が今回の本です。) 純粋なまっすぐな恋愛だったな、と感じました。自分に自信がないからお酒を飲んで会いに行っていたけど、最後は友人からもらった武器を装備してデートに向かったように思えました。 本の文章についてですが、漢字変換してもいいところがひらがなになってて、だんだん少なくなってるように見えました。お酒飲んでるときがひらがな多い?と思ってたけど、入江冬子自身の輪郭はっきりしてくるに連れて、漢字に変換されるようになってるのかな、と思いました。
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川上未映子さんらしい、一冊だった。 フリーランス校閲者の入江冬子。人とのコミュニケーションがうまくとれず、これと言った友達もできず30代半ばまで来た。仕事を振ってもらっている出版社の石川聖と交流するなかで、その「強く」「正しく」「自由な」生き方に少なからぬ影響を受け、変わってゆ...
川上未映子さんらしい、一冊だった。 フリーランス校閲者の入江冬子。人とのコミュニケーションがうまくとれず、これと言った友達もできず30代半ばまで来た。仕事を振ってもらっている出版社の石川聖と交流するなかで、その「強く」「正しく」「自由な」生き方に少なからぬ影響を受け、変わってゆく。自己からの逃避のように酒を飲むようになった頃、50代の三束と出会い、知らぬ間に惹かれていく。 その恋と、友情とを通して、冬子は、真夜中の光の先へ、歩き始める。
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2年ぶりの再読。 光と言葉が流れていくイメージが頭の中で広がった。 登場人物が、主人公の人柄を際立たせるためだけに出てくるような印象で、すっきりとしていて読みやすい。
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繊細な人間の感覚を伝えてくれる文章だと感じた。愛の形は人それぞれであることを考えさせられる物語であった。
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【2023年110冊目】 読了後の感想は「そっか〜マジ謎〜」でした。読み取り力が低すぎる故に。 主人公は、なかなかに、言ってしまえば不器用な女性なんですが、自分の時間を費やして、自分のペースで物事に向き合っていく強さみたいなものがあるなと思いました。 学生時代の経験とか、傷つけることを目的として投げかけられた言葉とか、「何もない」みたいに言うけど、全然何もなくないんですよね。 あとね、わたし酒カスなんですけどもね、ダメだよ現実逃避をするためにお酒の力に頼っちゃ!!!アル中じゃないかと思って違う意味でドキドキしました。 しかし、最後らへんの聖とのやり取りは手のひら返しか?本性が?と思ってハラハラしたんですが、関係性が壊れなくて良かった。それよりも、同級生の「わたしの人生の登場人物じゃないからなんだよ」が一番きつかった。よう言えるなそんなこと… あとね〜三束さん、なんなんですか、結局何もわからない感じじゃん、読ませてくれよ手紙の内容も詳しくよぉ!!! 読み終わった後に最初のページを読むとまた違った味わいなので、読み返すのおすすめです。
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