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木暮荘物語 の商品レビュー

3.7

321件のお客様レビュー

  1. 5つ

    56

  2. 4つ

    114

  3. 3つ

    97

  4. 2つ

    16

  5. 1つ

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2023/01/20

築ウン十年、全六室のぼろアパート「小暮荘」 住人は老大家の小暮、女子大生の光子、サラリーマン神崎、花屋店員の繭 この住人たちを中心に描かれる連作 何となくのイメージで、ほのぼの系のお話かと想像していました。 でもこの作品、ちょっと違った。 登場人物たち、みんな変わってる。 変わ...

築ウン十年、全六室のぼろアパート「小暮荘」 住人は老大家の小暮、女子大生の光子、サラリーマン神崎、花屋店員の繭 この住人たちを中心に描かれる連作 何となくのイメージで、ほのぼの系のお話かと想像していました。 でもこの作品、ちょっと違った。 登場人物たち、みんな変わってる。 変わってるけど、なんとも愛おしい。 人と人との繋がりが温かくて、人間っていいなぁと素直に思う。 共通のテーマは性と愛かな。 もう、びっくりするの。 2階の床の節穴から階下の女を覗き見する男。 そして、それを知っていながら自由に暮らす女。 他もみんなこんな感じ。 恥ずかしいほど性の欲望が描かれているのに、なぜかクスッと笑えたり、じんわり涙したり。 絶妙な加減が良いのです。 あー、読み終わるのが寂しい。 この住人たちと、もっと一緒にいたい。 余談 この「小暮荘」 私が20代の頃に住んでたアパートによく似ているの 沿線は違うものの、生活圏はほぼ同じ (駅チカ物件で周囲にはおしゃれカフェやベーカリーがあるのに、我がアパートときたら……) 巻末にある間取り図を見たら、こちらもほぼ同じ (うちは四畳半だったかな) 浴槽なしのシャワーブース 広い庭 もちろん古くて壁薄い ○○荘(大家の名字) 大家さんは庭を挟んで向かいに住んでいましたが… もう懐かしくてね 二年前見に行ったら、おしゃれマンションに変わってました

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2023/01/16

木暮荘というレトロなアパートが舞台の物語。 木暮荘に住む人だけで無く、 住人の知り合いの話があるなど、 その拡がりが面白かった! その後どーなるの⁉︎って話が多々あるんだけど それもまた味なのかなぁと思いました。 ちなみに最終話、 木暮荘の人、間接的にしか出てないっていう....

木暮荘というレトロなアパートが舞台の物語。 木暮荘に住む人だけで無く、 住人の知り合いの話があるなど、 その拡がりが面白かった! その後どーなるの⁉︎って話が多々あるんだけど それもまた味なのかなぁと思いました。 ちなみに最終話、 木暮荘の人、間接的にしか出てないっていう...笑

Posted byブクログ

2023/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読む前は『小暮写真館』と関係あるのかな~なんて思ってたけど、あっちは宮部さんでしたね。当たり前だけど全然違った。 そしていざ読んでみたら、これまた想像と全然違った。「木暮荘」の住人の、ほのぼのとした日常を描いているのかと思ったけど(間違ってはいない)、縦軸としてあるのは「性」。ストーカー。性交渉。男根。浮気。覗き。嘘。セックス。この世界では性的欲動がつきまとう。日常は性と隣り合わせだ。それが極端に表れている人間たちの「性」活をのぞき見したみたいだ。「ピース」が良かった。最後には並木のキャラも好きになった。

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2022/12/10

連作短編集。木造の築何十年かのボロアパート、木暮荘。そこに居住する人達のぬくもりある触れ合いのお話し。 ホッコリするお話で、読後感は良い。

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2022/11/05

小田急線世田谷代田駅近くの、今にも崩れそうな木造二階建てアパート木暮荘。そこに住む住人たちの物語。 【203号室】花屋に勤める繭と今彼伊藤、そして元カレ並木の再会と別れの物語。 【101号室】娘夫婦との同居で手狭になった自宅から移ってきたオーナー木暮。伊藤や女子大生との奇妙な交流...

小田急線世田谷代田駅近くの、今にも崩れそうな木造二階建てアパート木暮荘。そこに住む住人たちの物語。 【203号室】花屋に勤める繭と今彼伊藤、そして元カレ並木の再会と別れの物語。 【101号室】娘夫婦との同居で手狭になった自宅から移ってきたオーナー木暮。伊藤や女子大生との奇妙な交流の物語。 【庭】木暮の飼い犬ジョンが気になるご近所さんでトリマー美禰と、スタンダードプードルのミネの飼い主前田の、ほろ苦い絆の物語。 【花屋】繭の勤める花屋の佐伯夫婦の浮気と和解の物語。 【201号室】隣の202号室に忍び込み、階下の女子大生の部屋をひたすら覗き見する神崎と、それを黙認する女子大生の不思議な関係。 【102号室】生理がなく妊娠不可能な女子大生光子が、友達が産み落とした赤ん坊を押し付けられ、木暮荘の住民とありったけの愛情を注ぎ込む一週間の物語。 【ご近所】毎週火曜に花屋で5本の白バラを買うニジコと、繭をストーキングしていた並木の、奇妙な同居生活と各々の門出。 大好きな三浦しをんさんの作品の1つですが、久々に読んでみると、愕然とするほど内容を忘れていました。最近仕事がらみの本を読むことが多かったので、のんびりと小説を読んでよい時間を過ごせました。

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2022/10/29

気づいたら心が恋という時そのものになっていたと、素直に言える並木。 この人好きだなーと思った。 あぁ、私はこの物語がとっても好きだという小泉今日子さんも好きだ。 この話の始まり方と最後のおまけも含めて。 文学と呼ぶにはあまりに面白くて読み物と呼ぶにはあまりに深い、しおんさん...

気づいたら心が恋という時そのものになっていたと、素直に言える並木。 この人好きだなーと思った。 あぁ、私はこの物語がとっても好きだという小泉今日子さんも好きだ。 この話の始まり方と最後のおまけも含めて。 文学と呼ぶにはあまりに面白くて読み物と呼ぶにはあまりに深い、しおんさんの小説をもっと読みたくなった。

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2022/09/25

一つのアパートに住む、 ちょっと変わった住人たちの物語を描いた 連作短編集でした! のんびりほんわかや物語かと思ったら まさかのテーマは愛というより「性」かな〜 1番好きなお話は、『柱の実り』! トリマーの女の子とヤクザの話。 二人の関係性がなんか良く〜行末気になる。

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2022/09/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

性と生。 性を求める時、愛や恋のキレイごとでは無いときだってある! まさに、人間の持つ本能よね、 と考えさせられます。 木暮のおじいちゃん、最後まで女性を求める姿、こういうお年寄りはいつまでも元気かもしれないなあ✨ ⁡ 古いアパート、木暮荘✨ そこの住民達に繋がる連作短編、物語。とっても楽しめました♬ ⁡ 大家木暮のおじいちゃん、女子大生の光子、サラリーマン神崎、お花屋に勤めている繭ちゃん。 覗きのお話。 覗き穴があったら覗いちゃいますよねー

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2022/08/21

都心のボロアパートを舞台に、ちょっと変わった人々の人生をめぐる物語。一つ一つの話が短いが、登場人物が共通しているので、長編を読んでいるかのように変化を楽しめる。共通するテーマは愛(というかセックス)。平凡な生活を送っていた住人や隣人が、あるきっかけで愛を求めるようになり、悩んだり...

都心のボロアパートを舞台に、ちょっと変わった人々の人生をめぐる物語。一つ一つの話が短いが、登場人物が共通しているので、長編を読んでいるかのように変化を楽しめる。共通するテーマは愛(というかセックス)。平凡な生活を送っていた住人や隣人が、あるきっかけで愛を求めるようになり、悩んだり苦しんだり悲しんだりする。それを癒す(変わった方法で)のも隣人。なんとも言えずよく構成された作品で、こんなアパートに住んでみたい。続編に期待。

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2022/07/21

「ヘンな人たち」が出てくる、と、末尾の評にあった。錚々たる面々による複数の講評。読み終えてから眺めると、どれもその通りだと肯ける反面、みんな客観的だなぁ、とつい、驚いてしまう。それとも私が感情移入しすぎなのか。。。 たしかに「ヘンな人たち」かも。 現実にはあり得ない、かも。 でも...

「ヘンな人たち」が出てくる、と、末尾の評にあった。錚々たる面々による複数の講評。読み終えてから眺めると、どれもその通りだと肯ける反面、みんな客観的だなぁ、とつい、驚いてしまう。それとも私が感情移入しすぎなのか。。。 たしかに「ヘンな人たち」かも。 現実にはあり得ない、かも。 でも読んでいる時はあたかも自分の分身であるかのように思えてしまうほど、身に覚えのあることが並んでいる、、、ような気にさせられてしまう。それが筆者の筆力によるものであるなら、さすが・・・!だ。 実は誰もが、どれも、に、共感できるようなことが並んでいるんじゃないか。少なくとも私にはそう見える。 「一見フツーに見える」主人公たちが抱える、家族や友だちにも言えない気持ち。 彼らは、境遇や性癖、自分ではどうすることもできない本能のようなものをもて余して苦しんでいるけれど、そんな自分を否定しないで生きている。 時に、自分だけがおかしいのではないかと不安に思いながらも、あるがままにもがいているこの本の主人公たちは皆、最後には理解者を得て少しだけ幸せになる。 その姿に、読み手は励まされ、少し、勇気づけられる。 世界の見え方がちょっとだけ変わる。 そういうヒントが詰まっている。 そんな一冊だと思う。 自身の悩みも一緒に解決してもらえたようで、少しだけホッとできた。

Posted byブクログ