木暮荘物語 の商品レビュー
理想的な生き方を阻む性、促す性、いろいろな性の形が描かれています。女性作家が性を描いた作品は多いですが、私が出会った作品の中では、1番すうっと入ってきたような、1番(私の感覚と)乖離がなかったような…。ただ、官能系ではないにしろ、1話ごとにセックスセックスとくるのと、尻切れ感のあ...
理想的な生き方を阻む性、促す性、いろいろな性の形が描かれています。女性作家が性を描いた作品は多いですが、私が出会った作品の中では、1番すうっと入ってきたような、1番(私の感覚と)乖離がなかったような…。ただ、官能系ではないにしろ、1話ごとにセックスセックスとくるのと、尻切れ感のある結末に、読み疲れてしまった章もありました…とは言え、最終章で本作品への愛おしさが爆発。中途半端でいい加減で不器用な登場人物ばかりでしたが、一生懸命に生きる姿にエネルギーをもらうとともに、「もっと適当に生きても何とかなるかな」と、日々の生活に疲弊し切った私は思ったのでした♪
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三浦しをんが書く人間が好き。 だから、これもとてもよかった。 ただ昔マッチングアプリで出会った男性と初めてデートした時に「小暮荘物語が1番好きな本」って言ってたけど、初対面で言うような本では無いだろと思った
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江戸時代の長屋暮らし、または途上国の下町ってこんな感じなのだろうか。 三浦さんの小説によく登場する、「おんぼろ木造アパート」「若い住人」「犬または猫」というフレームワーク。住人同士が日々助け合って過ごすような、生活感が溢れているお茶の間ホッコリ小説かと思ったら、性生活が露骨に描写...
江戸時代の長屋暮らし、または途上国の下町ってこんな感じなのだろうか。 三浦さんの小説によく登場する、「おんぼろ木造アパート」「若い住人」「犬または猫」というフレームワーク。住人同士が日々助け合って過ごすような、生活感が溢れているお茶の間ホッコリ小説かと思ったら、性生活が露骨に描写され、登場人物のプライベート丸出しの短編集だった。そりゃ、恥ずかしいけど、生きていれば誰だってありますよね・・・ ただし、登場人物同士の希薄で淡白な関係性、微妙な距離感は現代そのもの。この描き方はリアリティがあって面白い。プライベートはお互い様というか見て見ぬフリの割り切り方で、恥じらいも無く、木暮荘に住み続けて(居座って)しまうわけで、登場人物それぞれが「不思議な異常さ」を持っている。 物語自体は楽しく読めてしまうのだか、何となく違和感が漂う。そもそも、前時代的な木造賃貸物件に、若い女性が住んでいて、日々のいざこざやオーナーのペットを媒介して入居者同士が少しずつ繋がっていく・・・という設定はユートピアなのかも知れない。スタイリッシュだけれども殺伐としたアーバンライフの中にある、おんぼろ物件というオアシス、そんな期待を読者に抱かせてくれる巧妙な仕掛けが、この小説に仕組まれているのだ。
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「何言ってんだ笑」と「何やってんだ笑」が詰まったお話。 駅のホームや、喫茶店、アパート、、 目を凝らして過ごしてみようかな笑
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久々の三浦しをん。 まあまあ重い話だった。風俗を呼んだり、不妊症だったり。不妊症って怖いな。 普通って何か、とか変わってるとは何か、みたいなことを思った。 面白かった気がする
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とあるアパートを中心に据えた連作短篇。もっとこの世界観に浸りたい。どのエピソードもなぜか性にまつわるエピソードに仕立てられてる。どの話も良かったんだけど、大家のじいさんがセックスしたくなる話とトリマーの話と覗き穴の話が印象に残ってる。どうも自分もアパートオーナーなので東京ロンダリ...
とあるアパートを中心に据えた連作短篇。もっとこの世界観に浸りたい。どのエピソードもなぜか性にまつわるエピソードに仕立てられてる。どの話も良かったんだけど、大家のじいさんがセックスしたくなる話とトリマーの話と覗き穴の話が印象に残ってる。どうも自分もアパートオーナーなので東京ロンダリングもそうだったけどこう言う話は楽しめる。
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タイトルのイメージと実際の中身は、結構違うところがあったが人間らしいなぁと思うところもたくさんで面白かった。 性欲に関することも割と包み隠さず表現されているところも、ある意味人間らしいなぁと。 みんな言わないけど、こういう欲や妄想ってあるよねぇという部分がいっぱい盛り込まれている...
タイトルのイメージと実際の中身は、結構違うところがあったが人間らしいなぁと思うところもたくさんで面白かった。 性欲に関することも割と包み隠さず表現されているところも、ある意味人間らしいなぁと。 みんな言わないけど、こういう欲や妄想ってあるよねぇという部分がいっぱい盛り込まれている。 人によっては犯罪だろう…と思う描写も多々あるが、それも許容できる器の広さが小暮荘の住人の特徴なのだろう。 ものにもよるが、ちょっと道徳的に反した行動をするとすぐSNSで批判されてしまう世の中には、もっとこの住人のような器の広さがあってもいいのかな…と個人的に思った。
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相変わらず三浦しをん節全開。 マイペースすぎる並木くん、実は深い想いを抱えてる女子大生の光子、不思議なオーラをまとったニジコ。みんな愛すべきクセ強で、しをんさんらしいキャラクターでした。
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オンボロ木暮荘に関わる人達を描いたオムニバス。それぞれが真剣に性の悩みを持ちながら生活しているのだが重くなく読める。それぞれの登場人物が愛しくなる作品。
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性の問題がテーマにも見えるが、なぜかカラッとしているし、重い話もあるのに全体を通してクスッときたりする不思議な小説
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