水声 の商品レビュー
作者の筆力と静謐で密やかな世界観に取り込まれて、出来事のいびつさや不穏さを受け入れそうになるが、それでも違和感と不快感に引っかかりながら読んだ。姉弟が互いに執着する理由と、唯一無二な存在だという説得力を見つけられなかった。思い出の中のママがユニークで個性的でとても魅力的だけれど、...
作者の筆力と静謐で密やかな世界観に取り込まれて、出来事のいびつさや不穏さを受け入れそうになるが、それでも違和感と不快感に引っかかりながら読んだ。姉弟が互いに執着する理由と、唯一無二な存在だという説得力を見つけられなかった。思い出の中のママがユニークで個性的でとても魅力的だけれど、その分主人公にとっての生涯の呪縛でもあるのではと思った
Posted by
ガラスのティーポットにハーブティーが淹れられている。そばにあるカップも素敵なガラス製。 お茶を一口飲むと、想像よりも複雑な味。予想外の苦みや渋みがやってくる。けれども清々しくて美味しくもある。 ティーポットやカップも、よく見てみると細部が蠱惑的で妖しげな意匠があったりする。 川...
ガラスのティーポットにハーブティーが淹れられている。そばにあるカップも素敵なガラス製。 お茶を一口飲むと、想像よりも複雑な味。予想外の苦みや渋みがやってくる。けれども清々しくて美味しくもある。 ティーポットやカップも、よく見てみると細部が蠱惑的で妖しげな意匠があったりする。 川上さんの小説は、柔らかな透明さと不穏さが何とも言えないバランスで保たれている。 この小説もタブーや禁忌を扱ってはいるけれど、真摯で痛いくらいの正直さは純粋と言っていいくらいだ。そしてそれはあくまでひっそり冷たく柔らかにあらわされている。
Posted by
静かに淡々と進んでいくのに、 心の深いところまで届く小説。 夢と現実の境目を 曖昧に漂っているような読書体験。 綺麗な文章と繊細なストーリーに このままずっと身を委ねたい感覚に陥る。 読みはじめの秘密めいた空気感から 次第に灯りがともっていくみたいな そんな展開に引き...
静かに淡々と進んでいくのに、 心の深いところまで届く小説。 夢と現実の境目を 曖昧に漂っているような読書体験。 綺麗な文章と繊細なストーリーに このままずっと身を委ねたい感覚に陥る。 読みはじめの秘密めいた空気感から 次第に灯りがともっていくみたいな そんな展開に引き込まれます。 読み終わった後は装丁を眺めながら しばらく余韻に浸っていました。 いつまでも読んでいたい、 まだ終わらないでほしいと思う物語でした。 しばらくして、 また読み返したいと思います。
Posted by
普通じゃない家族の物語でした 最初は「誰に感情移入すればいいんだろう?」と思いながら読んでいたけれど、気づけば理屈を超えた強い感情を持つ登場人物たちに共感し、どんどん惹き込まれていく不思議な感覚がありました 読み終わって思うのは、普通って結局、よくわかんないなってことです
Posted by
不思議な話だった。 ママとパパの関係とかも気になった。 話に慣れてくると、男女の関係を考えるうえで素直な感情がたくさんでいい話かもと思った
Posted by
これも江國香織さんの読書エッセイ『読んでばっか』から。 水がまじりあうように、生死や時の流れや男女ふたりの境い目があいまいになっていく。 静謐な文章と徹底的な主観で描かれる世界に、このふたりの関係がとても安心なもので、当然の帰結であるように思えてくる。 とてつもない吸引力を持った...
これも江國香織さんの読書エッセイ『読んでばっか』から。 水がまじりあうように、生死や時の流れや男女ふたりの境い目があいまいになっていく。 静謐な文章と徹底的な主観で描かれる世界に、このふたりの関係がとても安心なもので、当然の帰結であるように思えてくる。 とてつもない吸引力を持ったママの気配が、作品全体に漂っているのも印象深い。
Posted by
川上弘美にしてはなぜか分かりにくい小説 時代を行ったり来たりするせいか、いや違うな~ 展開は読めているのにまどろっこしいからか、それとも風邪で高熱の状態で読んだから?
Posted by
時間が行ったり来たりしながら、話がなんとなく匂わせつつ進んだからか、受け入れてしまったけど、切り取るとちょっとヤバい二人なのでは?と思う。そっと生きてる人はそっとしておいてあげたいと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
箱根本箱で、ブックディレクターさんにセレクトしてもらったうちの一冊。曰く、文体が柔らかく素敵で、SFなどではないのに、確かな実感を持って時間が行き来する、どこかありそうな日常。設定もなるほどよく考えられてると思う。関係性が徐々に明らかになり、そういうことかと思わされる。 みずみずしく、淡白でひやりとした湖のような文体で語られる秘めた熱く危うく曖昧な心。ひどくふつうでないのに、この二人が共に暮らすことがあたりまえである感覚があった。家族の謎を少しずつあきらかにしながら、柔らかく肯定される過ぎていく日々。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
終始、穏やかで静かな語りに不穏な空気が混じる。この家族には一体何が隠されているんだろうと、耳を傾けるように読んだ。 今にも電池が切れる時計の針のように、ゆっくりとした危うい時を最後まで刻んでいた。それが思い出語りの、現在と過去を行き来する様子と重なって、パラパラと崩壊していく姿を見ているようだった。時系列もバラバラに語られるのに、身体にすうっと吸収されていくのが心地よかった。
Posted by
