水声 の商品レビュー
いっきに読んでしまった。いろんな時代を行き来して、現在の関係にたどりつく。そこに良いも悪いもない。ふわふわしてるようで、けっこう切り込んだ今回の作品。すごく良いです。
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川上弘美さんの「水声(Suisei)」、2014.9発行です。ひとつ違いの姉と弟、都と陵の物語・・・。一緒に暮らして20年近く、あの夏の夜から30年近く・・・。あと数年で還暦を迎える都と陵。「水声」とは「水音」のささやきなのか・・・。都と陵の愛の渇きを潤すものなのか・・・! 川上...
川上弘美さんの「水声(Suisei)」、2014.9発行です。ひとつ違いの姉と弟、都と陵の物語・・・。一緒に暮らして20年近く、あの夏の夜から30年近く・・・。あと数年で還暦を迎える都と陵。「水声」とは「水音」のささやきなのか・・・。都と陵の愛の渇きを潤すものなのか・・・! 川上弘美さんが芥川賞作家であること思い出しました。
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川上さんを語るときに欠かせない言葉は「揺らぎ」なのだと思う。 そして久しぶりの新作と手にとったこの作品もふわふわとした佇まいながらも一気に読ませていく筆力はさすがと言うしかないだろう。 水声…姉弟の半世紀を静かな川の流れに例えた物語、そして源流に湧き出ずるその絶対的な存在としてマ...
川上さんを語るときに欠かせない言葉は「揺らぎ」なのだと思う。 そして久しぶりの新作と手にとったこの作品もふわふわとした佇まいながらも一気に読ませていく筆力はさすがと言うしかないだろう。 水声…姉弟の半世紀を静かな川の流れに例えた物語、そして源流に湧き出ずるその絶対的な存在としてママを置く修辞が透き通った血液として流れの全てを支配する。 大地を削る激しさを内に秘め静かに揺蕩う水面、それは人の生であり死であり愛でもあり…ただ問題なのはその歪み濁った愛のカタチでなぜ川上さんともあろう人がそんなものに手を出したのか、そこのみが残念でならない
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こうゆう作品は苦手です。 オブラートで包んだような、はぐらかされているような、つかみどころのない作品でした。 年子の姉弟、父、癌で亡くなる母! こんな家族、気持ち悪いです!
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"私"は弟の陵と一緒に暮らしはじめた。ママのいた、家で。ママと、ママの兄であるパパと一緒に暮らしていたあの家。そこはママの死んだ家でもあった。 紙屋の娘だったママ。美しい顔立ちというわけではないのに、魅力的で、男を引き寄せ振り回す、心に思えば口をついて、気遣い...
"私"は弟の陵と一緒に暮らしはじめた。ママのいた、家で。ママと、ママの兄であるパパと一緒に暮らしていたあの家。そこはママの死んだ家でもあった。 紙屋の娘だったママ。美しい顔立ちというわけではないのに、魅力的で、男を引き寄せ振り回す、心に思えば口をついて、気遣いなんて遠回りはしないママ。私、都はママが大好きだった。そして弟の陵も。 淀みなく、浅瀬を澄んだ水道水が流れていくみたいなお話しだった。文章が一続きの流れのようで美しかった。
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つかみどころがない感じ ふわふわした感触が読んでいる間中 身体をかけめぐる... 主人公のおももちがそうなのか まぁそうくるよね といった展開がきちんとありました
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川上作品初めて読んでみました!50代の姉弟の話。タブーを描いているが、さらりとしているので、あまり気にならないかも。昭和の事件、この間の大震災、溺愛するママの存在と死など、二人が寄り添う要因が出てくる。奈穂子と薫はなぜ似てるのか、最後まで?だった。
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川上さんの文章はカタルシスだ。 気持ちを(できるだけ正確に)言葉で表すことができると、何故だか心は軽くなる。どうしてこんなに正しく心を言葉にできるのだろうと驚きながら、読み終わった時には静かなカタルシスを経験する。 好きな人と秘密を共有する。それだけのことだけど、それが1人の人...
川上さんの文章はカタルシスだ。 気持ちを(できるだけ正確に)言葉で表すことができると、何故だか心は軽くなる。どうしてこんなに正しく心を言葉にできるのだろうと驚きながら、読み終わった時には静かなカタルシスを経験する。 好きな人と秘密を共有する。それだけのことだけど、それが1人の人生であることもある。 誰に惹かれるかは、状況や関係だけで、決して決まらない。 私は愛っていうのは、川上さんの本にかいてあるようなことだと信じて疑わないのです。 読み始めて3行で泣きそうになって、最後までずっと、何でもない時に幼児期のことを思い出す時のような、少しだけ泣きたいような心持ちで読み終えた。
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半年ちょいは放置してた。ようやく読み切った…長かった。比較的穏やかではあるけど、やっぱりぐちゃぐちゃにかき回される、というか。ベト7の演奏会中もちょっぴり読んではいたけど、家に帰っても抜けなくて、聴きながら読んでた。まぁあながち間違ってはいない。と思う。
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表題のモチーフが最後の最後に出てきました。普通とは少し違う家族/兄妹関係を通じて、一つの人生観/死生観のようなものが描かれていました。
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