水声 の商品レビュー
ホラーか!ってなるくらいおどろおどろしい。 淡々としているのだけれども、明らかに恐ろしいお話。本を読んでいると言うより、能か何かの舞台を見ているような気持ちになってくる。
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わかったような、わからないような話。 パパは本当の父親ではなく、母の兄。 そして実の弟との関係は濃い。 恐ろしい死の場面を体験したら、血のつながりのある裏切られることはないであろう濃い関係を欲するものなのだろうか。
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夫婦、兄弟、母娘、血の繋がった家族、幼馴染、そして生死。なんてその境界は曖昧なのでしょう。そして都の意識がまるで水の中を漂っているかのように。 2015/04/29読了。
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川上弘美さん、以前も別な作品を読ませてもらいました。 川上さんの世界は独特な「空気感」があって、特に好きということはないのですが、でも、何かしら気にかかって、その「世界」につい触れてしまう、そんな感じで、今回も「つつーっ」と読み終えてしまいました。自分が生きている世界とは違う異空...
川上弘美さん、以前も別な作品を読ませてもらいました。 川上さんの世界は独特な「空気感」があって、特に好きということはないのですが、でも、何かしら気にかかって、その「世界」につい触れてしまう、そんな感じで、今回も「つつーっ」と読み終えてしまいました。自分が生きている世界とは違う異空間の出来事、展開に、もしかして、・・・なのかも、という不思議な読後感も味わったのでした。
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静かで、淡々とした話。それこそ、穏やかな川のような。でも、水面の下ではいろんなことがあって、いろんな音がしてんのよね。 とはいえ、今の自分にはちょっと現実味がなさ過ぎて、ちょっと遠い話のまま終わった。
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ふむ、考えさせられる内容… あやうい… タイトルをしみじみと、振り返る… 姉弟 兄妹 の、お話しでした。 〜さりさりと音をさせて麻のシーツをとりかえる時〜 こおいう所が大好き、探して読んでおりましたが。 謎解きな感じなんだけど。 ザラザラと、なんだか。 謎解けなかった…感...
ふむ、考えさせられる内容… あやうい… タイトルをしみじみと、振り返る… 姉弟 兄妹 の、お話しでした。 〜さりさりと音をさせて麻のシーツをとりかえる時〜 こおいう所が大好き、探して読んでおりましたが。 謎解きな感じなんだけど。 ザラザラと、なんだか。 謎解けなかった…感じかな。
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(2015.03.21読了)(2015.03.18借入) 熊がアパートに引っ越してきて、近所にあいさつ回りしたりする話しを平気で書いてしまう人ならではの小説と言えるかもしれません。 戸籍のこととか考えたらこのような話はありえないと思うのですが、平気で書いてますね。 死について、家...
(2015.03.21読了)(2015.03.18借入) 熊がアパートに引っ越してきて、近所にあいさつ回りしたりする話しを平気で書いてしまう人ならではの小説と言えるかもしれません。 戸籍のこととか考えたらこのような話はありえないと思うのですが、平気で書いてますね。 死について、家族について、親子について、兄弟姉妹について、生きることについてのいろんなことを盛り込んでいる感じですけど、深刻で暗くなるわけではないですね。 川上さんは、この作家ならこんな話を書く、というふうには決めさせてくれない作家かもしれません。あんまり、こだわりのない作家なのかもしれません。 1986年頃に、ママは50と少しでなくなった。1935年頃に生まれたということでしょう。 主人公は、都(みやこ)さんと陵さんです。一歳違いの姉と弟です。 地下鉄サリン事件、日航ジャンボ機墜落事故、東京大空襲、チェルノブイリ、等の話題が所々で出てくるので、死について何となく気にしているようです。 パパとママ、みやことりょう、二代にわたって身内だけで暮らす人たちは、何を意味しているのでしょうか。現代社会の生きにくさでしょうか。川上さんの解説がほしい漢字です。 都さん:イラストレーター 陵さん:会社員 奈穂子さん:ママの幼馴染の子。11歳のときに5年間過ごしたアメリカから帰国。 満寿子さん:奈穂子さんの母親。 薫さん:満寿子さんの姪。菜穂子さんの従姉妹。 武治さん:ママの実家の使用人? 都さんと陵さんの実父。 パパ:ママの同居人。武治さんのところで働いている。ママの兄。 七帆子さん:陵さんの友人。 【目次】 1969年/1996年 ねえやたち ママの死 パパとママ/奈穂子 家―現在 夢 女たち 父たち 1986年前後 1986年 2013年/2014年 ●虫くさい(62頁) 陵はキャベツを好まない。虫くさいじゃない、キャベツって。そんなことを言って、皿からよけようとする。 ●意味(160頁) おれたちは、起きた事がらの意味からできあがっているわけじゃないでしょ。ただずっとふらふら存在してきて、それで今たまたま、こうなってるだけでしょ。 「じゃあ、起ったことに、意味はなかったの?」 「意味なんて、ないでしょ。あるわけが、ない」 ●悲しいのは(166頁) 人が死んで悲しいのは、死んだこと自体よりも、会えなくなること喋れなくなることなのだった。 ●水から(215頁) 「あたしたちは、水からできているから」 「水のものを飲みこむと、体が迎えて音をたてるの」 陵がわたしの体にはいってくるおりに、最初にふれあうのは、陵とわたしの体そのものではなく、わたしたちの体の中に蔵された水と水なのではないか。その時、水と水とは、どんな音をたててまじりあってゆくのだろう。 ☆関連図書(既読) 「パスタマシーンの幽霊」川上弘美著、マガジンハウス、2010.04.22 「機嫌のいい犬-句集-」川上弘美著、集英社、2010.10.30 「ナマズの幸運。東京日記3」川上弘美著・門馬則雄絵、平凡社、2011.01.25 「天頂より少し下って」川上弘美著、小学館、2011.05.28 「神様2011」川上弘美著、講談社、2011.09.20 「なめらかで熱くて甘苦しくて」川上弘美著、新潮社、2013.02.25 「晴れたり曇ったり」川上弘美著、講談社、2013.07.30 「猫を拾いに」川上弘美著、マガジンハウス、2013.10.31 (2015年3月22日・記) (「BOOK」データベースより)amazon 都と陵はまたこの家で一緒に暮らし始めるのだった。人生の最も謎めいた部分に迫る長編小説。死が揺さぶる時間。
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ここ何年か、どうも川上弘美の小説にのれんなあと思っていて、久々に読んだ。それもスルスル読んだ。スルスル読めるのだけれども、たまにささくれのような物がある。 50過ぎの姉弟が、いくら内輪で、いくら言い習わしとは言え、自分の親に相当する人を「パパ」「ママ」と呼称している時点で、ああ...
ここ何年か、どうも川上弘美の小説にのれんなあと思っていて、久々に読んだ。それもスルスル読んだ。スルスル読めるのだけれども、たまにささくれのような物がある。 50過ぎの姉弟が、いくら内輪で、いくら言い習わしとは言え、自分の親に相当する人を「パパ」「ママ」と呼称している時点で、ああ、これはファンタジーなのだな、とは思う。 都は結婚もしておらず子もなく、家の中で仕事をしているのだから、これは、閉じた関係、完結した関係の中での、他者の入り込めない恋愛を描いてみせようとしているのだな、とわかる。 またこの人は年齢とともに、性愛も書こうと踏み込んでいるようだけれども、そこがどうにも入り込めない。つい「とってつけた感」が沸き上がってきてしまい、テレが生じてしまう。 個人的には、もっとこの世のものでないような初期の作品のほうが好きであるな。
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久々の川上弘美。良かった。 静かなタッチで、パパとママの関係と、私・都と弟の陵との関係がだんだん明かされていく。現在50過ぎの2人と、小学生の頃、30前と30過ぎの頃と、いくつかの時に起こったことがら…どれも私と同世代なので、リアルに感じられる。そしてリアルに感じられない怖いこと...
久々の川上弘美。良かった。 静かなタッチで、パパとママの関係と、私・都と弟の陵との関係がだんだん明かされていく。現在50過ぎの2人と、小学生の頃、30前と30過ぎの頃と、いくつかの時に起こったことがら…どれも私と同世代なので、リアルに感じられる。そしてリアルに感じられない怖いこと…この後は平静に、だけど続く… セヴンナッというような英語のママの発音をする菜穂子のキャラ、もっと読みたいな。
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重くて読み終わるのに時間がかかりました。 家族って大切だけどいつかは離れなければいけないと決まっていて身を焦がすような思いをしながら離れなければいけないのであれば、いっそ天涯孤独の方が気持ちが楽なのではないかと考えたりします。この本は死別以外ではそうしなかった人たちのストーリー。
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