鹿の王(上) の商品レビュー
ハードカバーの分厚い上巻、持ち運べないし、どれくらいかかるかなと思っていたら気づいたら寝る間を惜しんで1日で読みきってしまいました。 読み始めるとググッと引き込まれる、異世界にワープしたかのようなワクワク感と何が起こるのか先が読めないドキドキ感。しかもただの冒険物語ではなく、民...
ハードカバーの分厚い上巻、持ち運べないし、どれくらいかかるかなと思っていたら気づいたら寝る間を惜しんで1日で読みきってしまいました。 読み始めるとググッと引き込まれる、異世界にワープしたかのようなワクワク感と何が起こるのか先が読めないドキドキ感。しかもただの冒険物語ではなく、民族間の問題や政治的な陰謀も詰め込まれていて、まさに大人のためのファンタジー! 小さい頃クレヨン王国や柏葉幸子さん、モモのようなファンタジーが大好きだった私には恐ろしくハマる物語です。カタカナが苦手で名前と地名を覚えるのだけが大変ですが、冒頭ページに登場人物紹介があるので何度も見返して確認しながら読めるのも助かります。 続きが気になりすぎるところで終わってしまったので下巻も早く読みたいけど、読み終えてこの世界に浸れなくなってしまうのが勿体無いので少し我慢しようかな(笑)
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序盤は面白かったが途中から飽きてきて、休み休みなんとか。 ヒトの免疫機構に着想を得て書いたという、その発想力と筆力はすごくて、感心。ワクチンの話をこんな風にドラマにできるなんて、思いつかないよなあ。創薬のプロセス、それから大変さも語られたりして、ほう、と思ったけど、とうしても説明...
序盤は面白かったが途中から飽きてきて、休み休みなんとか。 ヒトの免疫機構に着想を得て書いたという、その発想力と筆力はすごくて、感心。ワクチンの話をこんな風にドラマにできるなんて、思いつかないよなあ。創薬のプロセス、それから大変さも語られたりして、ほう、と思ったけど、とうしても説明口調で延々続くのが、物語の勢いを削ぐようで結局飛ばし読み。 ファンタジードラマとしてはちょっと冗長な部分が多かった...。主人公のヴァンはすでに壮年で、故郷ではリーダー的役割の存在ということもあって、割と成熟した人間で成長物語といった側面がないのが、退屈にさせる要因かなあ。もう1人の主人公ホッサルに至っては感情移入できるエピソードが特になかったように思えて、流し読みしているうちに、下巻の途中でやっとミラルの存在に気づく始末なのでそこの恋愛模様にも萌えられず。。 下巻の途中、ヴァンとユナが発症しなかった原因の解説まで一応読んで放棄。しかし、噛まれたことで身につけた特殊能力の説明(ここが一番気になってたのに)は結構ザツで、ちょっと拍子抜け。 世界観はよく作られてるし、子供の頃だったら、もっと楽しめたんだろうか?
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剣と魔法が出てこないかわりに医術師が架空の伝染病を追跡して治療法を探すファンタジー。 おお、ワクチンの概念ができつつある! 抗血清を作ろうとしてる! というよくわからん興奮が味わえるファンタジー。鹿の繁殖をがんばってるだけの章とかよい。
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独角の頭として東乎瑠を相手に戦ったが敗れて岩塩鉱で奴隷となっていたヴァン。黒い狼のような獣に咬まれてから自分が変わっていくのを感じる。岩塩鉱では咬まれた者が病で死に。ただ一人生き残った幼子を連れてヴァンは森の中を進む。もう一人の主人公は聖領の天才的医術師であるホッサル。彼は黒い狼...
独角の頭として東乎瑠を相手に戦ったが敗れて岩塩鉱で奴隷となっていたヴァン。黒い狼のような獣に咬まれてから自分が変わっていくのを感じる。岩塩鉱では咬まれた者が病で死に。ただ一人生き残った幼子を連れてヴァンは森の中を進む。もう一人の主人公は聖領の天才的医術師であるホッサル。彼は黒い狼のような獣に咬まれて発病した病の原因を探す。この二人を軸に話が進む。
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図書館で予約して1ヵ月近く待った上下巻。 噂通りの1冊。 登場人部が多く、見慣れない聞きなれない土地の名前や漢字の読みがややこしくて悶絶しながらの読書だったけど 架空の世界へと妄想が止まらないのは、久しぶりで飛び跳ねたい気分です!!
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自分史上初、上橋菜穂子さん本。ハードカバーのずっしり上下巻。読み応えあるだろうと読み始めたのだけどあっという間に読了。どっぷり古代(っぽい)ファンタジーの世界に浸っていました。個々人が背負う世界を過不足なくちょうどいい感じに描かれていて、これが上橋ワールドなのですね。続きがきにな...
自分史上初、上橋菜穂子さん本。ハードカバーのずっしり上下巻。読み応えあるだろうと読み始めたのだけどあっという間に読了。どっぷり古代(っぽい)ファンタジーの世界に浸っていました。個々人が背負う世界を過不足なくちょうどいい感じに描かれていて、これが上橋ワールドなのですね。続きがきになる。
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蠢く黒い狼の影と病。敗残兵として囚われたヴァンは謎の病にかかりながらも命かながら逃げ出した。生き残りつつも謎の感覚に翻弄されるヴァンは、黒狼の暗躍の裏に潜む陰謀がだんだんと明るみになる。 保菌者のヴァンと治療するホッサル。二人が対峙するように描かれながら、共に黒狼熱と呼ばれる恐ろしい病に立ち向かっていく。 病というものが何を奪おうとしているのか、それに惑わされながら立ち向かおうとしていく前哨戦の物語。 印象的なのは、ヴァンが出会うユナという幼子の存在だった。まだ呂律の回らない彼女を守り、慈しみながら、過去の痛みと現在の痛みを符号させて描かれていく。そうしてヴァンがユナという存在に過去の傷を癒されていく様が、どこか温かみがある前編。
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2018.06.ヴァンは,岩塩鉱で奴隷として働いていた.ある日,岩塩鉱に数頭の山犬が入り込み,人々に噛みついた.ヴァンと子供のユナを除き中にいる者全員が病を発症して死んだ.ヴァンとユナは,岩塩鉱から逃げ出し,途中で出会ったトマの故郷に住み着く.岩塩鉱での病が以前に流行した黒狼熱ではないかと医術師のホッサルが調査を始める.そんな中,ホッサルも参加していた鷹狩りの会の最中に狼に似た犬達が現れ,次々と人々に噛みついてくる.噛まれた人達は,黒狼熱のような症状で死んでいく.ところが,死んでいくのは東乎瑠人だけだった.ヴァンとユナは,呼ばれて谺主のもとに行くことになる.しかし,そこで黒狼と山犬の半仔の集団に襲われ,ユナが奪われる.あんまり,惹かれない.
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2018/7 7冊目(2018年通算110冊目)。奴隷として岩塩鉱で働いていて、死の病が蔓延しながらも生き残ったヴァンとその病の謎を解くために奮闘するホッサルの2人の視点から物語は進んでいく。病の謎がだんだんと明らかになってくる過程が読んでいて面白いなと思う。そういった意味では「獣の奏者」と似たような感じはするが、話が面白いので500p強の作品でもページをめくる手が止まらなかった。謎が解明されて話がどう収束するのか?。下巻も読んでいきたいと思う。
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毎回上橋さんの話はファンタジーでありながら、用語のすべてがさらりと受け入れてしまえるのが不思議です。 妻子を病で失くした飛鹿乗りの男は、ある日国同士の争いで捕虜となり、岩塩坑で奴隷となっていたのですが、そこに黒狼病という恐ろしい病を持った犬が襲ってくるところから物語が始まります。...
毎回上橋さんの話はファンタジーでありながら、用語のすべてがさらりと受け入れてしまえるのが不思議です。 妻子を病で失くした飛鹿乗りの男は、ある日国同士の争いで捕虜となり、岩塩坑で奴隷となっていたのですが、そこに黒狼病という恐ろしい病を持った犬が襲ってくるところから物語が始まります。 黒狼病を巡り、病を治そうとする者、国を有利に動かそうとする者、一族を立て直そうとする者など、いろいろな思惑が交差していきます。 黒狼病にかかった犬に噛まれながら生き残った者として、男は追われることになります。 上巻はまだまだその思惑のほとんどが隠されていて、国が混乱に陥りそうな気配で終わります。 医療者の端くれとして、病に対する考え方などとても興味深かったです。
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