火星の人 の商品レビュー
確か(だと思わせられる)な裏付け知識をもって描かれるリアルな宇宙漂流記。ただし、主人公が若く、前半はとくに主人公のログという体裁を取る点がとてもユニーク。大変読みやすく、火星というなじみのない世界に一気に引き込まれる。嬉しい驚きだった。 なお、個人的には、ハヤカワはもっとこの「ど...
確か(だと思わせられる)な裏付け知識をもって描かれるリアルな宇宙漂流記。ただし、主人公が若く、前半はとくに主人公のログという体裁を取る点がとてもユニーク。大変読みやすく、火星というなじみのない世界に一気に引き込まれる。嬉しい驚きだった。 なお、個人的には、ハヤカワはもっとこの「どこにでもいそうな若者」観を打ち出した装丁や宣伝を展開すれば良かったと思う。長崎訓子さんあたりのイラストでポップに。 読んで損なし!
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欧米との食生活の違いを久しぶりに痛感させられる長編。これでもかとステーキを食べ続けさせられたような読後感です。残存資源での生存期間の推算、燃料の水素から得られる水の量の試算、耕地面積から得られる収穫量の試算、フライバイの際の軌道速度の試算などなど、ハードSFの王道をいくシュミレー...
欧米との食生活の違いを久しぶりに痛感させられる長編。これでもかとステーキを食べ続けさせられたような読後感です。残存資源での生存期間の推算、燃料の水素から得られる水の量の試算、耕地面積から得られる収穫量の試算、フライバイの際の軌道速度の試算などなど、ハードSFの王道をいくシュミレーションが次々と登場し、とても楽しめました。火星の景色が容易に浮かぶのはオポチュニティが撮影した写真のおかげです。不屈の主人公のログを読んでいて、マーク・ボイルの『ぼくはお金を使わずに生きることにした』を思い出しました。
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素晴らしいSF小説だった。火星に残された一人の宇宙飛行士を地球に生還させようとする話。一応近未来が舞台ながらも、技術レベルは現科学とほぼ同様な中で、絶体絶命な状況を様々な工夫により乗り越えていく。 火星に残された飛行士の軽快な語り口と、反対に彼を救うために視力を尽くすNASA、そ...
素晴らしいSF小説だった。火星に残された一人の宇宙飛行士を地球に生還させようとする話。一応近未来が舞台ながらも、技術レベルは現科学とほぼ同様な中で、絶体絶命な状況を様々な工夫により乗り越えていく。 火星に残された飛行士の軽快な語り口と、反対に彼を救うために視力を尽くすNASA、そして彼らをおいて行ってしまった宇宙飛行士の心理的葛藤の対比がとても印象的。特に、彼を火星に再度迎えに行くクルーが行った「決断」の凄み、圧巻でした。役もまったく違和感を感じない、というよりも、あの軽快な語り口をよくここまで違和感なく日本語に仕上げたなと思いました。役者にも脱帽です。 出勤前後の電車で何度か降車駅を乗り過ごすぐらいはまりました。本当に、素晴らしい小説だった。
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機械や技術の理論に関する文章が大半なので、マニアにはビンゴかもしれんけど、火星の風景描写はほとんどないので、冒険なのにアドベンチャー感がない。
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火星調査に来た宇宙飛行士マークが、事故で火星に取り残されてしまい、現地に残った機材でサバイバルをする話。 基本的にマークの日誌という形で描かれる。マークが科学的に考え如何にして生き延びるか悩みながら少しづつ問題の打開のために、努力する。 リアリティのあるストーリーラインで、物語を...
火星調査に来た宇宙飛行士マークが、事故で火星に取り残されてしまい、現地に残った機材でサバイバルをする話。 基本的にマークの日誌という形で描かれる。マークが科学的に考え如何にして生き延びるか悩みながら少しづつ問題の打開のために、努力する。 リアリティのあるストーリーラインで、物語を盛り上げるため作り物じみた事件が起こるわけでもないのに、引き込まれる。起こるトラブルは、想定漏れや気づけなくても仕方ないようなことばかり。シミュレーションみたいなリアリティが私を引き付けるのだろう また、どんなに悲惨なトラブルに巻き込まれてもジョークを忘れずへこたれない、マークのキャラクターもこの作品の魅力だ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
映画化決定! いや、読んでる途中でもう、実写で見てみたいという思いが沸き上がってきてしまったので。そして実際映画化するそう。 何で実写で見たいかというと、時たま表現が想像しにくいものがあってわかりにくかったから。 本作はほんとにガツガツのSFなので、理系じゃないとあまり楽しめないかもしれない。恋愛要素も無いし(1人だから)、基本汗臭い汚れきった青年が1人という舞台だから、映画にしたらどうなるのか不安ではある。 この小説のポイントはやはり、ユーモアだな。火星で一人きりという、圧倒的絶望的状況においても、日々の日記にユーモアが満ち溢れている。 普通の物語だったら、ホラー的要素になってしまいそうな展開を、持ち前のユーモアと、同時に持つ問題解決能力と発想力、実行力、諦めの無さなどでガンガン生き繋いでいく主人公、マークに途中から物語に参加する地球の人々のように応援したくならざるをえない。 いやー、いい本だった。映画化が楽しみかつ怖い。
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いやあ流石に評判となるだけあって参った。傑作である。一気読み必至。これから読む人は時間があるときに読まれることを推奨したい。間違っても夜読もうとはしてはいけない。早くも今年のベストかも。それにしてもアメリカンは本当にカウボーイが大好き何だなあと思う。解説でも書かれているが主人公の...
いやあ流石に評判となるだけあって参った。傑作である。一気読み必至。これから読む人は時間があるときに読まれることを推奨したい。間違っても夜読もうとはしてはいけない。早くも今年のベストかも。それにしてもアメリカンは本当にカウボーイが大好き何だなあと思う。解説でも書かれているが主人公のモノローグ部分で発揮されるユーモアが主人公を救ったのだろう。
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いやぁ面白かった。 火星の探査中に不運が重なって、一人取り残されてしまったマーク・ワトニー。 彼の火星でのサバイバルと、NASAによる彼の救出計画の模様が描かれます。 何度も何度も訪れる危機的状況を、彼は信じられないような智力と忍耐とで、時には冗談を飛ばしながら切り抜けていきます...
いやぁ面白かった。 火星の探査中に不運が重なって、一人取り残されてしまったマーク・ワトニー。 彼の火星でのサバイバルと、NASAによる彼の救出計画の模様が描かれます。 何度も何度も訪れる危機的状況を、彼は信じられないような智力と忍耐とで、時には冗談を飛ばしながら切り抜けていきます。 その姿はまさに超人であり、ヒーローそのもので、読んでいる間中、彼から元気をもらえた気がします。 すでに映画化も決まっているようで、どのような映像になるのか、そちらも楽しみです。
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火星に遭難するという絶望的な話。 主人公のユーモアさが暗さを全く感じさせないのがいい。ベイビーとか言うし。 困難、乗り越える、トラブル、乗り越えるの繰り返しで目的に進んでいくのは読んでて楽しい。 宇宙の知識なんて無くてもNASAで見守っている気分になれる。
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