明日の子供たち の商品レビュー
児童養護施設の実態をとてもわかりやすく書いてあり今までの概念が変わりました。私の周りにも児童養護施設で暮らしている子供たちがいます。その子たちもこんな想いで暮らしているのかなと思うことでした。でもそのこどもたちを、「かわいそうな子」と感じたことはありません。とってもいい子たちだか...
児童養護施設の実態をとてもわかりやすく書いてあり今までの概念が変わりました。私の周りにも児童養護施設で暮らしている子供たちがいます。その子たちもこんな想いで暮らしているのかなと思うことでした。でもそのこどもたちを、「かわいそうな子」と感じたことはありません。とってもいい子たちだから。 施設の子どもたちの想い、先生たちの想い、みんなに伝わればいいなと思います。
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物事を感情で決めつけては行けないなと思いました。 どこにでも大変な思いをしている人がいて、大変な環境があって、でもそれは自分が選んだ訳ではなくて。 生まれて育った環境で一生懸命生きている人がいるということ。子供も同じです。 まだ私は表層しか知れていないのかもしれないと思います。
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児童養護施設の実状にリアル感あり。ドラマ等のイメージで、どうしてもかわいそうな印象を持ってしまいがち。決して家族ではない職員、生徒達との関係性も難しいものを感じた。
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重いテーマを、適度なユーモアを交えて物語が進行していき、心が重くならずに読めた。物語を牽引している主人公の考え方がたの変化が、読者の考え方の変化を促すようにされているのだろう。 物語がどの程度の真実性があるか調べていないが、最後に記された参考文献や執筆協力者の記載から、それは高い...
重いテーマを、適度なユーモアを交えて物語が進行していき、心が重くならずに読めた。物語を牽引している主人公の考え方がたの変化が、読者の考え方の変化を促すようにされているのだろう。 物語がどの程度の真実性があるか調べていないが、最後に記された参考文献や執筆協力者の記載から、それは高いものだろうと推測できる。当事者の意識・考え方が伝わってきた内容だった。
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主人公が簡単にへこたれない明るく前向きなタイプなので、割と重たいテーマなのに読んでいてすがすがしかった。
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この本は、有川浩さんでありながら、ラブコメではありません。(あ、随所に欠片はありますが。) また、有川浩さんでありながら、自衛隊の話でもありません。(少しだけ出てきますが。) これは、有川浩さんでありながら、れっきとした社会派エンターテインメントです。 笑いはあります。胸キュンも...
この本は、有川浩さんでありながら、ラブコメではありません。(あ、随所に欠片はありますが。) また、有川浩さんでありながら、自衛隊の話でもありません。(少しだけ出てきますが。) これは、有川浩さんでありながら、れっきとした社会派エンターテインメントです。 笑いはあります。胸キュンもあります。でも、正真正銘の社会派エンターテインメントです。 少し前に、五十嵐貴久さんの、公立病院統合についての社会派エンターテインメントを読んだのを思い出しました。どちらも実在モデルのあるフィクションですが、それぞれの作家らしい切り口と表現で作品が仕上げられていて、読み比べてみても面白いと思いますよ。
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深刻さと明るさと胸きゅんのバランスが素晴らしい。 アッコちゃんのエピソードは胸が痛くなったし、終盤のカナちゃんの演説は思わずこぶしを握りしめた。あれは砕けるわ。
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複雑で繊細な心の機微の描写にかけては、有川浩は当代随一の作家だと思う。 題材が航空自衛隊であれ架空世界の図書館であれ県庁であれ、彼女の作品は実に登場人物の心の動きを丁寧に描く。それを読んで改めて自分が他人の心へ思いを馳せていないか実感した。 正直私も思っていました。児童施設の子ど...
複雑で繊細な心の機微の描写にかけては、有川浩は当代随一の作家だと思う。 題材が航空自衛隊であれ架空世界の図書館であれ県庁であれ、彼女の作品は実に登場人物の心の動きを丁寧に描く。それを読んで改めて自分が他人の心へ思いを馳せていないか実感した。 正直私も思っていました。児童施設の子ども達を「かわいそう」だと。 そこには偏見や悪意もなく、ただ無知なるが故にかわいそうな子ども達だと思っていました。ほんの少し事実を知って、子ども達自身の気持ちを考えてみれば簡単に思い至ったかもしれないのに。 そんな事を考えさせられつつも、読後は心が温かくなる有川浩ならではの佳作です。
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児童養護施設のお話です。 いろんな人の視点で話が進んでいき途中今誰のターンだ?と思う時もありましたが、言葉も難しくなく読み進めやすいと思います。 施設という場所やそこに住む子供たちがどんな生活をして何を思っているのか、内容としてはとても些細に感じる日常的なことだけど、とても大切な...
児童養護施設のお話です。 いろんな人の視点で話が進んでいき途中今誰のターンだ?と思う時もありましたが、言葉も難しくなく読み進めやすいと思います。 施設という場所やそこに住む子供たちがどんな生活をして何を思っているのか、内容としてはとても些細に感じる日常的なことだけど、とても大切なことを知ることができました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
解説より 皆さん、初めまして。笹谷美咲です。私は本書に出てくる「手紙」を実際に有川さんにお送りした者です。 本文より 「ニーズがないじゃん、施設育ちでかわいそうじゃない子供なんて」 「みんな、自分が持ってるものを持ってない人が、かわいそうに見えるんだよ。慎平ちゃんもきっと恵まれた人なんだろうね」 「でも、優しい自分が好きなだけで、施設で働こうとは思えないと思うよ。少なくとも安全な場所から同情を楽しんでるだけじゃない。慎平ちゃんはリスクを取ってる」 「彼との世界の違いは分かりましたか」 「違いはありませんでした。ただ、わたしが知らなかっただけです」 世界が違うのではなく、同じ世界に住まう人にもいろんな事情があることを知らなかった。 「きっとね」 「彼は、あなたのことが好きだったんだと思いますよ」 「 俺が本読むの好きになったのは先生のおかげだよ」 ご本を読むのは素敵なことよ。幼い日の福原の言葉がふと蘇った。みんな、自分の人生は一回だけなのに、ご本を読んだら、本の中にいる人の人生もたくさん見せてもらえるでしょ。先生たちだけじゃなくて、本の中の人もヒサちゃんにいろんなことを教えてくれるのよ。 素敵ねえ。 「 ロールプレイの訓練ってあるでしょ」 虐待防止訓練の一環として取り入れられている手法だ。 「本を読むと自然に 想像力が培われるんじゃないかと思うのよ」 「 人生は1人に一つずつだけど、本を読んだら自分以外の人の人生が疑似体験できるでしょう。物語の本でも、ドキュメンタリー でも。そうやって、他人の人生を読んで経験することが、自分の人生の訓練になっていることがあるんじゃないかって、先生は思うのよ。 踏み外しそうな時に、本で読んだ言葉が助けてくれたりとか」 だったら俺とカナは大丈夫だ。 どの本を読めば救われる、なんてことは決まっていない。誰に何が響くかは読んだ本人にしかわからない。だからどの本も大事にしなくてはいけないのだ。 どの本も、誰かを救う可能性がある。本を読むのは、確かに素敵だ。 「先生、俺、夢が1個増えた」 「 大人になって働くようになったら、俺の好きな本は必ず2冊買うんだ。そんで1冊『 明日の家』に送ってあげる」 「僕だったら、同じ施設に好きな子がいても、施設に入っている間は付き合いたいとは思いません。同病相憐れむみたいに思われるのが嫌だから。退所して、自分の決めていた進路に進んで、そこでちゃんと独り立ちしてから気持ちを伝えたいです」
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