クローバー・レイン の商品レビュー
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ちょっとうまくいきすぎな感じもするけれど、努力はちゃんと実を結び、良いものは必ず人に認められる、というやわらかな安心感を感じられる。 何より、1冊の本を作るのに、どれだけの苦労があるのか、という事を始めて知った。 (…まあ、大手出版社で、大作家の本を出す時はもっととんとん拍子らしいですが…) ビックリしたのは、最後の倉田さん。 一瞬、誰だっけ?…ああ、冒頭の… 『シロツメクサの頃』は、この人をも動かしたんだ? 本の内容も、編集者としての工藤の行動も含めて。 なんだか印象深かったです。 本と人のつながり、人と人のつながり。 固かったり、遠かったり、複雑だったり…時にねじれるけれど、そんな事にはお構いなくしっとりと、作物を育てる穀雨のように、そっと雨が降り注ぐのだ。
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大手出版社の編集者となって7年。文芸部に配属になって4年。人気作家を担当に持ち、それなりに実績を重ねてきてところで、出会ったのは、落ち目にある男性作家のシロツメクサの頃という作品。素晴らしい作品だ、うちで出版したいと掛け合うも、本人も含めて、貴方のところですぐに出すのは難しい。と言われるばかり。 そこに立ちはだかるのは、新刊が大量に出版されるシビアな出版業界の実情と、大手会社にありがちな、古く固くて上から目線の物事の考え方。 どうしても諦められない主人公は試行錯誤を繰り返し、根回しをし、とうとう出版までこぎ着ける。しかし出版したら終わりではない。重版にかけるために書店員へのアピールなど、若手営業のエースにも手伝ってもらって、結果、シロツメクサの頃のヒットは成功となる。 みんなが協力してくれた背景に、今まで常に冷静で従順なイエスマンだと思われていた主人公が反対されても食い付き、粘り強く交渉し、シロツメクサの頃に対する思いを全力でアピールしたから。その内には、幼い頃なついた尚ちゃんへの想いがあったから。 ずっと読みながら尚ちゃんなる人物の全体像を考えてたけど、なるほど、そう言う家庭環境だったのか。と納得。
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主人公の工藤彰彦は、大手出版社に勤めるエリート編集者。 ある日落ち目の作家の素晴らしい作品に出会い、自社から出版したいと強く願い奔走する。 確実なヒット作を好む大手出版社にとって、落ち目作家の出版はリスクが高い。様々な障害が待ち受けるが、彰彦の本に対する真っ直ぐな気持ちが周りの人...
主人公の工藤彰彦は、大手出版社に勤めるエリート編集者。 ある日落ち目の作家の素晴らしい作品に出会い、自社から出版したいと強く願い奔走する。 確実なヒット作を好む大手出版社にとって、落ち目作家の出版はリスクが高い。様々な障害が待ち受けるが、彰彦の本に対する真っ直ぐな気持ちが周りの人を突き動かす。 何事にも一生懸命な人はかっこいい。 改めてそう思いました。 上手く出来すぎな気もするけど、全てのトピックがしっかり完結しているし、登場人物全員のキャラも立っている。一つ一つが丁寧に回収されていて、心地よい読了感に浸れました。
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姉からの誕生日プレゼント 第2段 主人公は大手出版社に勤める工藤彰敏 あるパーティーに出席した帰りに今は落ちぶれてしまった作家さんの出版前の作品を手にしたことから始まるストーリー。 本を出版することに関する内容ながら、仕事とは、家族とはについてきれいな流れで描かれている。 きっと今の仕事が華やかでなくとも、地道にやってることが次につながる。 そう思わせてくれるいいお話でした。 ここ数年。毎年四つ葉のクローバーを見つけてお守りに。むかしは見つけることできなかったのに…探しかたが下手だっただけか(笑)
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編集者がいいものを作りたい!という純粋な気持ちで紆余曲折あっても、頑張って世に本を出版していくというお話。ここまで現実うまくいくか・・・なんて無粋なことは置いておいて、一生懸命な人はきっと報われる、いいものは世に出るべきだ、という綺麗な作品。 個人的にはあまりタイプではなかっ...
編集者がいいものを作りたい!という純粋な気持ちで紆余曲折あっても、頑張って世に本を出版していくというお話。ここまで現実うまくいくか・・・なんて無粋なことは置いておいて、一生懸命な人はきっと報われる、いいものは世に出るべきだ、という綺麗な作品。 個人的にはあまりタイプではなかったけれど、簡単に読み進められる作品でした。
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大手出版社に勤める彰彦は、落ち目の作家の素晴らしい原稿を手にして、本にしたいと願う。けれど会社では企画にGOサインが出ない。いくつものハードルを越え、彰彦は本を届けるために奔走する―。本にかかわる人たちのまっすぐな思いに胸が熱くなる物語。
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一つのことに情熱を注ぎ、それに一生懸命な人はかっこいい。素直にそう思える小説だった。この本は、挫折を知らないエリートな編集者が、偶然出会った原稿を一冊の本にするべく、奮闘する日々が描かれている。他者のライバル編集者と闘い、営業部の後輩に散々な嫌みを言われても、様々なところで頭を下...
一つのことに情熱を注ぎ、それに一生懸命な人はかっこいい。素直にそう思える小説だった。この本は、挫折を知らないエリートな編集者が、偶然出会った原稿を一冊の本にするべく、奮闘する日々が描かれている。他者のライバル編集者と闘い、営業部の後輩に散々な嫌みを言われても、様々なところで頭を下げ続ける彼を応援せずにはいられない。 個人的に主人公と河上の関係(距離感)が良いなと思った。登場人物それぞれに抱えてるものがあって、少しずつ解けていく感じもほっこりする。 自分も編集者側だけど、文芸の編集とは仕事内容が全く違って、新鮮な気持ちで読むことができた◎カバーの装丁の校正してる感じがGood!
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何でこんなに泣けるんだろう...ってくらい 何度も落涙しつつ読了(^ ^; 人のまっすぐな思い、強い気持ちは 時に奇跡を起こしうるのだなぁ...(^ ^; などと、小説なのに感動しきり(^ ^; ちょっと「できすぎ感」が無くもないが、 たとえ結末が読めたとしても、いいものいい(...
何でこんなに泣けるんだろう...ってくらい 何度も落涙しつつ読了(^ ^; 人のまっすぐな思い、強い気持ちは 時に奇跡を起こしうるのだなぁ...(^ ^; などと、小説なのに感動しきり(^ ^; ちょっと「できすぎ感」が無くもないが、 たとえ結末が読めたとしても、いいものいい(^ ^; 「舟を編む」が好きな人には特にオススメ(^ ^
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編集者が本をつくる話。仕事だけでなく、家族のこと、好きな人のこと、たくさん詰まっている。一生懸命で優しい話。 2015/2/1
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大崎梢さんの本を立て続けに読んでみた。 またもや出版社さんの話。実はこっそりですが本を出したことがあるので、分かるわ!っと思いながら読めるところが多々ありました。そして出版社さんには出版社さんの葛藤があるんだなぁっとしみじみ。本としても面白いけど、職業のことをよく知れる1冊でした...
大崎梢さんの本を立て続けに読んでみた。 またもや出版社さんの話。実はこっそりですが本を出したことがあるので、分かるわ!っと思いながら読めるところが多々ありました。そして出版社さんには出版社さんの葛藤があるんだなぁっとしみじみ。本としても面白いけど、職業のことをよく知れる1冊でした。 やはり本が好きです。
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