クローバー・レイン の商品レビュー
努力の末のオールハッピーエンド。 よかった…って思う終わりかた。 本ができるまでの努力も感じられ、知らない世界を教えてもらえました。
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本が作られている背景が面白かった。 本は作れば終わりではなく、 作った後はどのように売っていくかを 考えなければいけない。 売上を上げたいという商売気な感じではなく、 良い作品を世に出すために! という編集者の熱意が読者としても なんだか嬉しい。 作者は人気作家なのか、 実力...
本が作られている背景が面白かった。 本は作れば終わりではなく、 作った後はどのように売っていくかを 考えなければいけない。 売上を上げたいという商売気な感じではなく、 良い作品を世に出すために! という編集者の熱意が読者としても なんだか嬉しい。 作者は人気作家なのか、 実力はあるが中々売れる機会に恵まれていないのか、 作家によって売り方も考えていく。 また主人公は大手出版社勤務。 純粋に本が好きで良い本を作りたいと思うが、 自身が務める大手ならではの殿様感覚の対応をする 先輩や上司に違和感を感じる場面。 一方気づかない内に自身も殿様対応をしていたことに 気づかされることもあり、それを改めていく。 本が作られる流れや、作者と出版社の関係性、 良い本を世に出したいという編集者等、 本が作られるところが知れる。 ストーリー性も含めて、 本が好きな人は面白いと感じる作品。
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#読了 2019.9.4 ニュートラルな文体で穏やかで純粋。登場人物たちそれぞれにも想いやこだわりがあって、ぶつかったり理解し合ったりする姿は心地いい。 流行りの、ひとつの業界や企業に特化して、仕事内容の詳細も見せながら話が進んでいくので、本になるまでの流れや、他編集者たちとの...
#読了 2019.9.4 ニュートラルな文体で穏やかで純粋。登場人物たちそれぞれにも想いやこだわりがあって、ぶつかったり理解し合ったりする姿は心地いい。 流行りの、ひとつの業界や企業に特化して、仕事内容の詳細も見せながら話が進んでいくので、本になるまでの流れや、他編集者たちとの絡みなども面白い。 そうかー。初版5,000部だと大型書店に5冊並ぶ程度なんだなぁ。 穏やかに見えても、人それぞれ色んな家庭環境があって、幼少期のものはなかなか大人になってから知り合った人は踏み込めない。 自分のエゴだけで、それに入っていこうとする主人公・彰彦が微妙に最初は嫌だったけど(笑) でも実は本人も色々あったりして、反省してまた成長する。一生懸命な人は応援したくなる。 私のお気に入りは倉田さんのシーン。 ほんと数ページのシーンなんだけど。 自分のことが情けないって初めて認めることができたんだろうな、そこからまっすぐ不器用ながら前を向く姿に涙。 誰かのやさしい雨に感謝して、 誰かのやさしい雨になれるといいよね。 ◆内容(BOOK データベースより) 大手出版社に勤める彰彦は、落ち目の作家の素晴らしい原稿を手にして、本にしたいと願う。けれど会社では企画にGOサインが出ない。いくつものハードルを越え、彰彦は本を届けるために奔走する―。本にかかわる人たちのまっすぐな思いに胸が熱くなる物語。
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編集者が本にしたいと切に願う原稿に出会えても、簡単には本にはならない現実。出版後売れるまでの苦労。さらにそれが文庫になるためには…。私たちが平積みでなんとなく手にする一冊の本にはたくさんの人の思いが詰まっているのを教えられます。優等生の主人公が悔しさをバネに自分を省みながら成長し...
編集者が本にしたいと切に願う原稿に出会えても、簡単には本にはならない現実。出版後売れるまでの苦労。さらにそれが文庫になるためには…。私たちが平積みでなんとなく手にする一冊の本にはたくさんの人の思いが詰まっているのを教えられます。優等生の主人公が悔しさをバネに自分を省みながら成長していくところも良かったしのめり込んで一気に読みました。ずっと気になっていた伏線がラスト数行で回収されたときは思わず泣きそうになりました。大崎さんの人と人との繋がりを大事にされる、本にまつわるお話はどれも後味が良く好みです。
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大学を卒業して大手出版社に編集者として就職した彰彦。先輩から引き継いだ人気作家を担当してきた彼が、ある落ち目作家の原稿をたまたま読む。その素晴らしさに感動し、どうしても自分の手でこれを出版したいと願う。 知りませんでした、出版社のこんな内情。考えてみれば当たり前のことで、出版社...
大学を卒業して大手出版社に編集者として就職した彰彦。先輩から引き継いだ人気作家を担当してきた彼が、ある落ち目作家の原稿をたまたま読む。その素晴らしさに感動し、どうしても自分の手でこれを出版したいと願う。 知りませんでした、出版社のこんな内情。考えてみれば当たり前のことで、出版社は売れる本を出したい。駄作であっても人気作家の本であればそこそこ以上は売れると見込める。いくら良作であっても落ち目作家の本を売るのは大変。どうしても他社に渡したくないならば、しばらく預かっておいて、その作家が何か賞でもとってからにすればいいじゃあないか。作家もそんなことは承知しているから、目の前で「出版しましょう」と顔を輝かせる彰彦に、「お宅で出せるわけがない」と呆れ顔。編集長を説得するのがまず大変。クリアしてもさらにその上を説き伏せるのが大変。 大崎梢の作品はこれまでにも多く読んできましたが、これがNo.1です。何度も涙が溢れそうになる。解説で宮下奈都が書いているように、泣ける小説が良いわけじゃない。でもこれはまちがいなく良い小説。 今は売れなくても、一冊がいつかきっと百冊に、千冊になる。数年後の誰かを感動させるために、彼らは本をつくる。人気作家とはいえない人の作品の中に、自分にピタッとくるものを見つけたときの幸せ。だから私たちは本を読む。
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裏表紙の紹介文を読んでから読み始めたときは、よくあるお仕事系小説かな、と思っていた。が、思っていたよりもずっと熱くて、ドキドキして、感動できる話だった。解説の宮下奈都さんも書いているとおり、登場人物が無駄遣いされずしっかり落とし前がつけられていてホッとするし、グッと来る。本好きな...
裏表紙の紹介文を読んでから読み始めたときは、よくあるお仕事系小説かな、と思っていた。が、思っていたよりもずっと熱くて、ドキドキして、感動できる話だった。解説の宮下奈都さんも書いているとおり、登場人物が無駄遣いされずしっかり落とし前がつけられていてホッとするし、グッと来る。本好きなら読んだ読んだ!となる書名やら作家名やらが出てくるところも楽しめる。恋愛はちょっと蛇足だけど、ラストはすごくよい。 社会人として仕事をしていれば、不本意な仕事も自分の思いだけではどうにもならない仕事もあるが、仕事を始めたばかりの頃の気持ち、曲げたくないと思っていた部分を思い出せ、明日からも頑張ろうという気持ちになった。寝不足になるだろうとわかっていて一気読みしてしまった。
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大崎さんの本は8冊目。 ご自身が書店員さんだった大崎さん。 私の知らない本屋さんの裏側(?)、苦労、出版社の現状等々。 大崎さんの本で知ったことがたくさんあります。 そのたびに、驚き、ますます本屋さんが好きになったり、書店員さんを身近に感じるようになったり。 この作品は、本の内容を全く知らず、大崎さんの本だからという理由で手にしました。 主人公の彰彦は大手出版社で編集者として働いている。 偶然、出会った『シロツメクサの頃』の原稿。 著者は、既に忘れられた作家、家永だった。 この本に感動し、ぜひ本にしたいと思う彰彦。 しかし、”いち編集者が感動した”というだけで、本に出来るほど、出版業界は甘くなかった。 読み始めた当初、彰彦の『シロツメクサの頃』出版への奮闘記かと思ったのだけど… いや~、どんどん引き込まれていきました。 そして、ラストは胸が痛くなりました。 感動で… 一冊の本が出版されるまで、そして読者の手に渡るまで、こんなに大変だとは思いませんでした。 人気作家さんの本やベストセラーなどは、重版され、本屋さんに行けば、たやすく手にすることができます。 でも、そうではない本の方がどれだけ多いのか… 書店でたまたま目にとまったり、たまたま手にしたり。 一冊の本との出会いは小さな奇跡のような気がします。 素敵な本に出合えました。 ただ、この本の装丁。 若い読者には好まれるのでしょうね… 最近、こういう感じのイラストの装丁が増えていますよね…
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大手出版社千石社が舞台で今回は文芸編集者が主人公。一冊の本が出るまでの過程がよくわかる。出版される作品よりボツ原稿のほうがはるかに多いのだろう。本を選ぶときなにかで評判のいいもの(たとえばブクログとか)、好きな作者の作品を選んでばかり。たまには棚差しになっている知らない作者の本も読んでみて、偶然の出会いをしてみようかな、と考えた。彰彦が複雑な事情を抱えた環境から抱え続けた思いが最後昇華されてよかった。彰彦と家永の娘冬実のその後を他の作品で少しでもいいので読みたいな。
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【あらすじ】 大手出版社に勤める彰彦は、落ち目の作家の素晴らしい原稿を手にして、本にしたいと願う。けれど会社では企画にGOサインが出ない。いくつものハードルを越え、彰彦は本を届けるために奔走する―。本にかかわる人たちのまっすぐな思いに胸が熱くなる物語。 【感想】
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大手出版社の文芸担当編集者が、近年は振るわない中堅作家の原稿に一目惚れし、様々な軋轢を乗り越えながら上梓してヒットさせる話。 関係者の心の機微を丁寧に描いた作品として、また普段何気なく読んでいる小説を取り巻く出版界の事情に触れる作品として、更には主人公が成長するお仕事小説としても...
大手出版社の文芸担当編集者が、近年は振るわない中堅作家の原稿に一目惚れし、様々な軋轢を乗り越えながら上梓してヒットさせる話。 関係者の心の機微を丁寧に描いた作品として、また普段何気なく読んでいる小説を取り巻く出版界の事情に触れる作品として、更には主人公が成長するお仕事小説としても面白かった。
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