クローバー・レイン の商品レビュー
泣ける話に感動した話。実際のところ、本屋に並ぶPOPにはうんざりしている。 勿論、それなりの本読みとして出版界が不況なのもわかっているし、商売である以上売れなければ意味がない。 それを踏まえた上で、この本は考えることも多かったし、実りの多い充実した読書時間を得ることができた。 推...
泣ける話に感動した話。実際のところ、本屋に並ぶPOPにはうんざりしている。 勿論、それなりの本読みとして出版界が不況なのもわかっているし、商売である以上売れなければ意味がない。 それを踏まえた上で、この本は考えることも多かったし、実りの多い充実した読書時間を得ることができた。 推理作家、大崎梢ではなく、小説家、大崎梢を読ませてもらったと私は思った。 できれば、こんな作品も多く手掛けてほしいけれど、やはり売れ筋のジャンルではないから難しいかな?
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いやー、素敵な一冊でした。 今年私が読んだ中で1番になる可能性が今のところ最大ですな! そして、大崎梢さんの本では『夏のくじら』が好きだったんだけど それをも上回る個人的評価です。 主人公の工藤彰彦は大手出版社に勤める編集者。 家柄も良く人もいい彼は逆に条件が良すぎて 主人公に...
いやー、素敵な一冊でした。 今年私が読んだ中で1番になる可能性が今のところ最大ですな! そして、大崎梢さんの本では『夏のくじら』が好きだったんだけど それをも上回る個人的評価です。 主人公の工藤彰彦は大手出版社に勤める編集者。 家柄も良く人もいい彼は逆に条件が良すぎて 主人公には向いていないのでは?と最初思ったのだけど。 偶然手にした原稿に深く感動し、どうしてもそれを本にしたいと思い、 そこから刊行に向けた奮闘が始まる。 大手ならでは仕事のしづらさ、作家さんのその時点での知名度、 原稿の中に引用された詩の使用許可問題、ライバル社の優秀な編集者、 自社内他部署との関係などなど、問題山積で… そして、無事刊行が決まってからも対処すべき事項はたくさんあって… そんなお仕事系の物語。編集者ってこんな仕事をするんだね。 ドラマやマンガや小説から得た断片的な知識から変な偏見・先入観を 持ってしまっていたことを痛感させられました。 彼らには彼らの立場ややり方があって、時にはそれを崩してでも 周囲にどれだけ反対されようともやりたいことをやってみようとする 人たちもいて。 この本を読むことができて本当に良かったなと思う。 これから本を取る手にまた違った重みが加わっちゃうよ。 あ、書き漏らすところだった。 彰彦の家族の話、担当作家さんの家族の話など少々重い部分もありつつ また彼の恋心にも触れられていて本当に読み応えがある一冊でした。 色々手を広げてバラバラになってしまうこともなく、すべてがこの一冊に 綺麗にまとまっていたよ。 早く読み進めたい思いと、終わらせたくない思いに葛藤するなんて ひさびさのことでした。 大崎梢さんをご存じの方にも、そうでない方にもぜひとも薦めたい物語。
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大手出版社に勤める主人公が、 偶然眼を通した落ち目作家の原稿に感動して、 本として出版することを目指す話。 登場人物は皆作品のよさを理解する人たち。 敵対する人がいるわけではなく、 壁になるのは出版社の文化や 人間間の過去のいざこざ。 この作品を読む限り、 出版社に勤める人っ...
大手出版社に勤める主人公が、 偶然眼を通した落ち目作家の原稿に感動して、 本として出版することを目指す話。 登場人物は皆作品のよさを理解する人たち。 敵対する人がいるわけではなく、 壁になるのは出版社の文化や 人間間の過去のいざこざ。 この作品を読む限り、 出版社に勤める人って小説の直しだけではなく、 本の装丁の選定や帯の作成も行っていて センスが必要なのだと感じた。 元書店員の著者っていうこともあるせいか、 「作家」に対する愛がこもっている感じ。 作中での作品に対する評価の記述もきれい。
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本にかける思いは幾つもあるんだなぁ、と実感させてくれるホッコリとできる一冊。 読者にとっての本、書店員にとっての本、営業にとっての本、編集者にとっての本、作家にとっての本。 そういった人たちの想いが、一冊の本を紡いでいく。 本を薦めるのは結構責任感があることだけど、大切な人に...
本にかける思いは幾つもあるんだなぁ、と実感させてくれるホッコリとできる一冊。 読者にとっての本、書店員にとっての本、営業にとっての本、編集者にとっての本、作家にとっての本。 そういった人たちの想いが、一冊の本を紡いでいく。 本を薦めるのは結構責任感があることだけど、大切な人に薦めたいと思える本に出会えることは幸せなことなんだな、と感じた。
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