海賊とよばれた男(下) の商品レビュー
これでもかというほどに次から次へと難題が降りかかってきて、非常に苦しみながら読んだが、日章丸のエピソードではカタルシスを感じた。面白かった。
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鐡造の下す決断はどれも掟破りであり、目先の利潤確保という観点ではリスクが大き過ぎる。そのため決断をする前は社員に反対されるが、いざ決めると一丸となって動き出すのが国岡商店の強さだと感じる。 掟破りと思われる決断は鐡造が石油業界全体を俯瞰した上で必要と考えたものであり、後から見る...
鐡造の下す決断はどれも掟破りであり、目先の利潤確保という観点ではリスクが大き過ぎる。そのため決断をする前は社員に反対されるが、いざ決めると一丸となって動き出すのが国岡商店の強さだと感じる。 掟破りと思われる決断は鐡造が石油業界全体を俯瞰した上で必要と考えたものであり、後から見ると正しく思われる。しかし、一番初めに先陣を切って会社を動かしていく事は並大抵ではない。 鐡造が人生を振り返り述べている言葉がまさしくこの生き方を示していると感じた 「五十年は長い時間であるが、私自身は五十年を一言で言い表せる。すなわち、誘惑に負けず、妥協を排し、人間尊重の信念を貫き通した五十年であった、と」
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信念を持って、何かを成し遂げる人はこんなにもかっこいいのだなあとしみじみ…。 今の世の中では、掟破りにも思えるほど新しいことを成し遂げることや、がむしゃらに仕事に向き合うことだけが全てじゃない、民族にこだわることは正しいことなのか、といった批判ももちろんあるのだろうが、自らの信念...
信念を持って、何かを成し遂げる人はこんなにもかっこいいのだなあとしみじみ…。 今の世の中では、掟破りにも思えるほど新しいことを成し遂げることや、がむしゃらに仕事に向き合うことだけが全てじゃない、民族にこだわることは正しいことなのか、といった批判ももちろんあるのだろうが、自らの信念を貫徹して邁進する姿勢に純粋に憧憬を抱いた。 イランとアメリカ、イギリスの関係について、なんとなくでしかなかった知識も得られたのでお得な気分。
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下巻読了。 いやあ、国岡商店、やるじゃないですか!社長(店主)の鐵造さんだけでなく、社員の皆さんが輝いていますね。 中でも“日章丸事件”のくだりは心が震えました。 イギリスから搾取され続けたあげく、経済制裁されているイランの石油を買う為に、欧米の巨大石油業界を敵に回す覚悟で国岡...
下巻読了。 いやあ、国岡商店、やるじゃないですか!社長(店主)の鐵造さんだけでなく、社員の皆さんが輝いていますね。 中でも“日章丸事件”のくだりは心が震えました。 イギリスから搾取され続けたあげく、経済制裁されているイランの石油を買う為に、欧米の巨大石油業界を敵に回す覚悟で国岡商店のタンカー・日章丸をイランまで派遣するのですが、日章丸がイランのアバダンに入港したとき、そして英国海軍に襲われる危険をかいくぐって日本に帰港したときは、思わずガッツポーズをしたくなりました。 日章丸の船長・新田さんを筆頭に、乗組員の皆さんの覚悟が恰好良すぎます。(実際、英国海軍が待ち伏せていたというのだから、いやはや、危なかったー・・) 反骨精神を貫くあまり、敵が多く、大変な事ばかりだった国岡さんですが、その生き様は心を熱くしてくれるものがあります。 映画も観てみたくなりました。
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記録用 一人の男の生き様、自身が背負っているモノに対する誠実さ。物語のどこをとっても恥のない自身を貫いたクニオカという男。カッコ良すぎる。こんなリーダーの下で身を尽くしたい。 何度でも読みたい。
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油に未来はない、と言われながらも油に魅せられ小さな商店を興した国岡鐵造。 いつか石油が世界を動かすと信じ、店員は家族であるという信念の元経営をしてきた彼の壮絶な人生を描いた本書。 国岡鐵造のモデルは出光興産の創始者・出光佐三で、その経営理念には読みながら何度も感銘を受けたし、社会...
油に未来はない、と言われながらも油に魅せられ小さな商店を興した国岡鐵造。 いつか石油が世界を動かすと信じ、店員は家族であるという信念の元経営をしてきた彼の壮絶な人生を描いた本書。 国岡鐵造のモデルは出光興産の創始者・出光佐三で、その経営理念には読みながら何度も感銘を受けたし、社会の中での人間としては素晴らしいものであると感服した。 ただ、どうしても認めることのできないことがある。前妻であるユキとの離縁だ。子どもを授からなかったからとユキから離縁を申し入れているが、料亭で芸者遊びをし、その中の1人と同衾するうちに惚れ込んでしまった彼への女としての意地がそこにはあったんじゃないかと思ってしまう。子どものことに関しては鐵造も諦め、今まで支えてくれたユキと生涯ふたりでもいいじゃないかと心を収めている。それならばなぜ浮気などしたのか。店員を家族として愛し、支援する気概を持ちつつも、彼のことは家庭人としてはわたしは感心できなかった。 しかし、戦時中の徴兵にあった店員に対しても給金を払い続けたこと、敗戦から這い上がる際のいっさいのクビは許さない英断、タイムカードなどはなく店員を一切信頼するところ、また会社の利益よりも国民を豊かにすることを優先した姿勢、さまざまなところに彼の人間としての愛の深さを感じた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
百田さんの代表作。 なんか難しそうだったので今まで読んでませんでした。 出光創業者の生涯で、主人公だけ名前を変えていますが、他の登場人物たちは名前もそのまま、実在した人物で知ってる名前の人たちも出てきます。 姫路の日田町はこの日田さんから命名したのかぁー。ビックリした。 戦後驚異の復興を遂げた日本ですが、こういった方々の努力の賜物なんだなと思わせられますが、今の時代になるとブラック企業とかパワハラとかにがっつり当てはまってしまうんでしょうね…。内容は上巻は読みやすかったんですけど、下巻は短いスパンでの山あり谷ありで読むのしんどかったです。思わぬ事態が…が多すぎて萎えます。立ち向かっていった登場人物の皆さんはすごいとしか言いようがありません。しかしながら、実話とはいえ小説なのでかなり美化されているだろうことと、父は典型的な男尊女卑だったと語っている娘さんの話などからあまり深く入り込まずに読んでいたので永遠の0のような読後感はなかったです…。
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永遠の0もそうだが、やはりこの作者は史実にフィクションを織り交ぜながら小説を書くのが非常に上手。どこまでが事実でどこからがフィクションかが分からないが、展開が早くダイナミックであっという間に読み進めてします。
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中身が難しいはずなのに、するすると読み終えた。 イランに日章丸が現れた時、肌の色や文化の違いの垣根を越え喜びを分かち合った国と国。 はたまた肌の色や文化の違いにより殺し合いや歪み合うのも同じ国。本当は自分自身との違いに喜び分かち合える同じ人間のはずだのにと思うと悲しくなる。 ...
中身が難しいはずなのに、するすると読み終えた。 イランに日章丸が現れた時、肌の色や文化の違いの垣根を越え喜びを分かち合った国と国。 はたまた肌の色や文化の違いにより殺し合いや歪み合うのも同じ国。本当は自分自身との違いに喜び分かち合える同じ人間のはずだのにと思うと悲しくなる。 上下巻ありすこしボリュームを感じていたが全くそういうことはなくとてもいい時間を過ごせた。 自らの信念を持って正しいおこないを続けていれば、絶対に間違った方向にいくことはない、
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学校では教えてくれないような日本の歴史が勉強できる名作!中学くらいの日本史で教えてくれれば歴史に興味を持ったかも。 今も続くイランとアメリカの関係は石油が大きく関わっていたとは。イランに同情してしまった。。 しかし色々とイギリスの歴史って真っ黒だな!
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