海賊とよばれた男(下) の商品レビュー
またしても一気に読まされてしまった・・・恐るべし百田尚樹。 宮部さんがチョロっと登場するあたりもなんとも。 油に生きた熱い男の生き様とそれを取り巻く業界事情。 大変勉強になりました。
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家族主義に創業者の信念が重なって企業文化になり、行動基準になっている。信念を貫くことの困難さと、仕事の意味とは何なのかを訴え続けている。何が凄いといえば60歳から再出発したことだ。
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出光興産創業者の出光佐三をモデルとした伝記小説。 利権の絡んだ外資や政府の圧力にも屈せず、信念を貫き通す姿は正にサムライ。感動的なエピソード満載で読みがいがあった。素晴らしい本。
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仕事で感動して泣く、とかの域まで仕事に没頭できる人はどれくらいいるのだろうか。 いまの時代は、社長がどれほどのカリスマ性を発揮しても、 こんなに「会社の為に」「店主の為に」働きまくる人材ってほとんどいないよね。 それも平和ってことなんかなあ。 ……とか考えてしまったぜ。
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日本人に生まれてよかった。 誇りをもって生きていこう。 何よりも人を尊重する精神を受け継ぐ使命が読者にはあると、読み進めるほどに、強く思った。
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こんな日本人が戦後に活躍していたとは!小説では美化されているが、wikiのコメントのような一面も~娘の出光真子はのちに出光佐三について徹底した儒教的、家父長的男女観を抱いており、妻及び四人の娘を「女こども」として軽蔑しその自立を否定し人格的に抑圧したと語っている。 たしかに英雄な...
こんな日本人が戦後に活躍していたとは!小説では美化されているが、wikiのコメントのような一面も~娘の出光真子はのちに出光佐三について徹底した儒教的、家父長的男女観を抱いており、妻及び四人の娘を「女こども」として軽蔑しその自立を否定し人格的に抑圧したと語っている。 たしかに英雄なんだろうが、光だけでなく影の部分も描いてほしかったなあ。人間だから。 でも、稀有な人間だ! ゼロの主人公、宮部が一瞬でてくる(笑
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戦後生まれは,幸か不幸かその労苦を知らない.しかし,戦争体験者達には個々人の人生哲学に確かな楔を打ち込んでいる.決して自らの利のためでなく,人のために,国のために,世界のために,という考え方は言うは易く行うは難し.自らの正義を行うと世界の半分を敵に回す,が現実となる訳だから,並大...
戦後生まれは,幸か不幸かその労苦を知らない.しかし,戦争体験者達には個々人の人生哲学に確かな楔を打ち込んでいる.決して自らの利のためでなく,人のために,国のために,世界のために,という考え方は言うは易く行うは難し.自らの正義を行うと世界の半分を敵に回す,が現実となる訳だから,並大抵の肝では務まらない.その胆力に対する影響力は戦後生まれには如何ともしがたい.それはそれとして,台詞の一つ一つに藤原正彦先生を思い浮かべてしまいます.
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2014/8/28読了。 はー面白かったー。一気読み。 時代が違うし、この人のもとで働けるかと聞かれたら、うーん…ってなるけど、でも店主はかっこいいと思った。ブレなさ、大きなモノの考え方、熱さ。人を魅きつける人物。
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いよいよ本業の石油で勝負! というところでややパワーダウンするのは残念だけれど、TVドラマ化されたら見たいです。 でもスポンサーはどうなるんだろう?
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出光興産の創始者の物語。 私が、『永遠の0』や『モンスター』のレビューで、「全体の出来が良いだけに、いつも何かひとつ残念。この人の小説よりもドキュメンタリーが読みたいのかも」と書いたが、この作品はまさにそれかもしれない。 けれど、ドキュメンタリーとか、ノンフィクションと銘打っ...
出光興産の創始者の物語。 私が、『永遠の0』や『モンスター』のレビューで、「全体の出来が良いだけに、いつも何かひとつ残念。この人の小説よりもドキュメンタリーが読みたいのかも」と書いたが、この作品はまさにそれかもしれない。 けれど、ドキュメンタリーとか、ノンフィクションと銘打っているわけではない。モデルが明らかな小説だ。どうせならノンフィクションにすればいいのに…とも思うが、「演出」の分量の違いかな。山崎豊子氏と同じ作風だと思えば良いのかも。 国岡鐡造(出光氏)が終戦後をいかに生き抜いたか、そして途中でちょっと昔に戻って、鐡造が国岡商店を作るまでの道のり、そして苦労。 戦中を経て、終戦後まで戻り、そこからまた現代まで。 明治の終わりから大正、昭和にかけての「激動の時代」を、自身の理念を掲げ、タフな精神力で乗り切ってきた男の物語。 文庫(下巻)の帯には「全てのビジネスマンに捧ぐ」とあった。 ……が、どうだろう。 主に描かれているのは、戦後の貧しい時代と、その後にくる高度経済成長期だ。 そこで通用したビジネスモデルとその精神性が、そのまま現代に適用されるとは思わない。 そもそも、作中の国岡商店(=店主である国岡鐡造)が持つ経営方針は、2014年現在にもし同じ会社があったとしたら間違いなくブラック企業と叩かれる。 ただ、ブラック企業と断じられないのは、ただひとつ、店主でありいわゆるCEOである国岡鐡造のカリスマ性に負うところが大きい。 労働組合もない、定年もない、出勤簿(タイムカード)もない……タイムカードがなかったら残業代が付かないわけだ。そして、店員(社員)たちは戦後の貧困状態の中でも、馬車馬のごとく働く。ホワイトカラーであるべき学歴を持った人材が、日雇い労働者すら嫌がるような危険な汚れ仕事をする。店主に心酔しているから、自分のやっていることが理不尽だとは疑わない。 そこだけ読むと、ブラック企業か新興宗教かと疑いたくもなるが、後々それがビジネスとして通用していくし、その精神性を海外に認められて企業としてのチャンスにも恵まれていくし、銀行からの融資も受けられるようになる。 また、戦中、社員が徴兵されていた間も、休職扱いとして社員の家族に給与を送り続け、終戦後の仕事がない時代には自分の財産を崩して給与を支払っていたとあるから、そこが「ブラックと言えない」部分なのかも。 まぁ、戦中・戦後はどこもブラック企業だったろうけれど……。 ただこれをもってして、「現代のビジネスマン」に何を伝えたいかは不明。不屈の心か、それとも「仕事ができるだけ有り難い」と思う心か、自分の利益を優先させない心か。 同じく文庫(上巻)の帯にあった「この男の生き様は美しい」というのには同感だ。 山崎豊子氏の作品や、『半沢直樹』に心躍らせたビジネスマンなら、これもまた心躍るかもしれない。 どちらにしろ、ちょっと帯に左右されすぎたかな。これは作者のせいじゃないよね。 読んでいる間は、すごい!と思うし、自分もこうありたいと思うけれど、一度本を閉じると、「まぁでも、なかなかそうはいかないよね。時代もあるし」になってしまう……のは、私が現代のぬるま湯育ちだからだろうか。 あと、私がカリスマじゃないからかもしれない。 しかし、小説として読んだ時に、上巻の緻密さに比べ、下巻の後半はさらっと流しすぎたかなという印象。鐡造が老いたから物語もスローダウンしたのかもしれないけれど、どことなく尻すぼみな感は否めない。 あと、作中で鐡造が零戦を見学するシーンがあり、そこで見たパイロットの名前が「宮部」(永遠の0)なのは……んー、無いほうがよかったかな。作者の現実が垣間見えると集中力が削がれる、ような。 せっかく、タイトルがかっこいいし、実際にそんな異名も納得するようなエピソードがあるのだから、そのあたりをもっと「演出」してくれれば、小説として楽しめたのになぁと思う。 そんなわけで、今回も★4つ。
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