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太陽の棘 の商品レビュー

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145件のお客様レビュー

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2017/02/06

悲惨な沖縄戦終結直後、沖縄がアメリカ統治になったばかりの時代。沖縄に配属された精神科医は、ニシムイの丘の美術村でいきいきと絵を描く村人達と偶然に出会う。 敗者と勝者の立場を超えた、壁も境界線もない友情に心打たれる。それはこの小説のベースにあるものが真実をもとに書かれているからであ...

悲惨な沖縄戦終結直後、沖縄がアメリカ統治になったばかりの時代。沖縄に配属された精神科医は、ニシムイの丘の美術村でいきいきと絵を描く村人達と偶然に出会う。 敗者と勝者の立場を超えた、壁も境界線もない友情に心打たれる。それはこの小説のベースにあるものが真実をもとに書かれているからであろう。本のカバーの絵画は、まさにこの小説にでてくる沖縄の画家(棚那覇正吉)が描いたアメリカ人軍事医の肖像画である。純粋に絵が好きなアメリカ人と純粋に心のままに絵を描きたいと思い続ける沖縄の芸術家たちの交流に、ぐいぐいと引き込まれる小説だった。「私たちのあいだには、何枚かの絵があった。ただそれだけだった。それだけでよかった」キュレーターであった原田マハさんだからこそ描くことができたのだなぁ。

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2016/12/12

戦争後の沖縄という場所で出会った、アメリカ人医師と沖縄の画家達の友情を描いた、事実を基にした物語。 戦争に負け、アメリカに占領され、絵を描くための道具が手に入らない状況。それでも、全てを受け入れて、前を向き、絵を描き続ける姿に胸を打たれた。 また、人種や立場の違いなど、関係なく...

戦争後の沖縄という場所で出会った、アメリカ人医師と沖縄の画家達の友情を描いた、事実を基にした物語。 戦争に負け、アメリカに占領され、絵を描くための道具が手に入らない状況。それでも、全てを受け入れて、前を向き、絵を描き続ける姿に胸を打たれた。 また、人種や立場の違いなど、関係なく、芽生えた友情に感動した。 以下の文が特に心に響いた。 「おれには妻もいる。小さい娘もいる。どうしたって、売り絵を描かなきゃならない。自分が描きたいものは、後回しにせざるを得ない。・・・だけど、ヒガは、ほんとうに自分が描きたいものしか描かないんだ。それが、あいつにとって、たったひとつの生きていく理由だから」 生きるために、描く。 それは、ヒガの思いであり、タイラの決意でもあった。 セイキチ・タイラは、物怖じせずに、ウィルと握手を交わし、流れるような英語で、エドはどうしているのか、困ってはいないか、自分たちが力になれることはないかと尋ねた。まっすぐな、きらきらと輝く目をして。 このいかにも汚れて貧しげな沖縄人が、アメリカ陸軍のドクターの力になりたいと、堂々と申し出たことが、ウィルは無性におかしかった。そして同時に、静かに胸打たれた。 原田マハさんの作品は、面白い。

Posted byブクログ

2016/12/03

2016.12.3 戦争の話か。重いな。読むのは最後にしよう。 そう思い、手にした本。 読み始めたらもう夢中。 ニシムイのタイラたち、芸術家が愛おしい。 戦後のすさんだときに 暑苦しい、湿気も半端ない沖縄での友情。 すごい。

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2016/10/26

原田マハさんの本を初めて読んだ。 主人公は米軍に所属し、終戦直後の沖縄に派遣されていたアメリカ人の若い精神科医。そこで偶然見つけた画家が集まる村落に通うようになり、もともと絵画が趣味だった彼は画家たちとの交流を深めていく、というお話。 ストーリーラインや文体はそれほど印象深くない...

原田マハさんの本を初めて読んだ。 主人公は米軍に所属し、終戦直後の沖縄に派遣されていたアメリカ人の若い精神科医。そこで偶然見つけた画家が集まる村落に通うようになり、もともと絵画が趣味だった彼は画家たちとの交流を深めていく、というお話。 ストーリーラインや文体はそれほど印象深くないが、最後にこれが実話に基づく話だとあり、感想が変わった。表紙と裏表紙は主人公と画家の自画像なのだろう。心にじんわりと温かく残る。 沖縄に行ったことがないが、とても魅力的な場所のように思える。このニシムイも実在の場所と知り、沖縄に行く機会があれば、ぜひ訪れてみたい。

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2016/07/13

実際の史実をもとにした美術小説。 沖縄という土地は本当に複雑な側面をもっているなぁと改めて感じさせる。戦後も続いたアメリカの統治下のもとで、「表現する」という行為を切実なまでに求め続けた画家達。 アートは国境を越える。 言葉も越える。 その想いは伝わる。 「表現する」という行為そ...

実際の史実をもとにした美術小説。 沖縄という土地は本当に複雑な側面をもっているなぁと改めて感じさせる。戦後も続いたアメリカの統治下のもとで、「表現する」という行為を切実なまでに求め続けた画家達。 アートは国境を越える。 言葉も越える。 その想いは伝わる。 「表現する」という行為そのものの根源的な力強さを感じる1冊。 2014年 文藝春秋 装幀:大久保朋子 玉那覇正吉

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2016/05/16

なかなか素晴らしいお話でした。 好みというわけではないけれど、マハさんらしくそして考えさせられるお話。 人と人としては分かり合えるのに、国家同士としては分かり合えないもどかしさ。そして、結局犠牲になるのは弱者。それでも少しは望みが持たせてくれるお話。 戦争や、沖縄の話は得意ではな...

なかなか素晴らしいお話でした。 好みというわけではないけれど、マハさんらしくそして考えさせられるお話。 人と人としては分かり合えるのに、国家同士としては分かり合えないもどかしさ。そして、結局犠牲になるのは弱者。それでも少しは望みが持たせてくれるお話。 戦争や、沖縄の話は得意ではないけれど、とてもいい本でした。

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2016/05/15

2016,5,15読了 終戦直後の沖縄 アメリカ軍精神科医師と、ニシムイの画家達の心のふれあい 命をけずって苦しみながら、生み出す、描く 読み終わって、表紙の2枚の絵の意味がわかりました

Posted byブクログ

2016/02/20

原田マハだから書けた作品だね。感想を書きたいけどうまくまとまらない。清々しいようで禍々しい。さらっとしているけどとても濃厚なストーリー。しみじみと心に染み入って、いつまでも残るような。沖縄を愛する人も、心配している人も、よく知らない人も、みんな読んでほしい一冊。

Posted byブクログ

2016/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館の本 読了 初めての原田マハ。 この後が知りたい。作家たちのその後、エドのその後。 繊細であるということは生きにくいのでしょうが、生きやすくなるための愚鈍さは美しくないのだと改めて思う。 それが男女間で見えるのはとても悲しい。

Posted byブクログ

2015/12/23

戦後の沖縄。事実に基づいた小説化。 本書の表紙と裏に描かれている絵が、小説に出てくる自画像と主人公の顔。 と絵を感じながら読むとイキイキとしてくる。 沖縄に行ったら美術館に寄りたい。

Posted byブクログ