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太陽の棘 の商品レビュー

4

143件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    66

  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2014/06/10

アメリカ統治下の沖縄で絵を描くためだけに生きる画家たちとアメリカ人医師の交流を描く。 実話をもとにした話し。 なけなか太くて濃い話しで後半になるにつれ引き込まれてしまった。

Posted byブクログ

2014/06/08

戦後アメリカの統治下にあった時代。 通常ならばアメリカ軍と沖縄の住人が仲良くなることはない。 しかし、軍医と沖縄の画家が通じ合い、親友となる。 それを結び付けるのは「絵画」。 敗戦国と戦勝国という大きな壁があっても、絵画を通じて、徐々に近づいていく心情が鮮やかに描かれている。 そ...

戦後アメリカの統治下にあった時代。 通常ならばアメリカ軍と沖縄の住人が仲良くなることはない。 しかし、軍医と沖縄の画家が通じ合い、親友となる。 それを結び付けるのは「絵画」。 敗戦国と戦勝国という大きな壁があっても、絵画を通じて、徐々に近づいていく心情が鮮やかに描かれている。 その中に、いまだに続いている沖縄問題があり、アメリカ軍の都合、統治されている沖縄の状況、両者の観点が書かれ、考えさせられた。 テンポの良い文体で、あっという間に読めた。作者は広島出身であるが知らなかった。他の本も読んでみたい。

Posted byブクログ

2014/06/08

占領下の沖縄に実在した芸術家たちのコロニーと、一人のアメリカ人軍医との関わりという非常に興味深い題材が描かれている。が故に、もっと、せめてもう少し描き込んでもらえていたら...という惜しさが残ってしまった。単に読み手としてもっと読んでいたかった、というだけかもしれないけど。アート...

占領下の沖縄に実在した芸術家たちのコロニーと、一人のアメリカ人軍医との関わりという非常に興味深い題材が描かれている。が故に、もっと、せめてもう少し描き込んでもらえていたら...という惜しさが残ってしまった。単に読み手としてもっと読んでいたかった、というだけかもしれないけど。アートの力とともに、沖縄という地の宿命と底力を感じた一作。

Posted byブクログ

2014/06/07

戦後の沖縄基地のアメリカ精神科医師と沖縄のニシムイの人々が絵画を通して心を通い合わせていく、ノンフィクション小説。太陽の棘のタイトルが読み終えて、納得。

Posted byブクログ

2014/06/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

占領下の沖縄に実際にあったニシムイという芸術村、本格的に美術を学んだ沖縄に多い名前の画家たちと占領軍にアメリカから派遣された若き軍医たちの友情の話。 芸術家には、良き理解者、パトロンが必要。 全てを失った沖縄の地で、絵を描く日本人の理解者がその土地を廃墟としたアメリカ人・・・その若きパトロンの理解に打たれた日本人の原田マハさんが描いたお話し。思い入れのピンポン球打ち返し~また打ち返し~、みたい ^^ 太陽の棘。太陽は恵みも生むし、人の肌や感情に突き刺す棘にもなるということかな? 突き刺さって温かい記憶に留まることもあるようだ。 どの程度、サラリと書くか、粘って熱く語るか・・・表面サラリと奥底で熱い・・・そんな話しが好き! 次の作品にも期待して星4つにとどめます。

Posted byブクログ

2017/11/09

戦争ものの小説は何冊か読みましたが、 この作品は、終戦直後の沖縄を舞台に、 絵画に魅せられた沖縄人タイラと青年米軍医エドの深い絆の物語でした。 先に書かれたまーちさんの丁寧なレポがありますので、 ストーリーはほとんど紹介しなくてもいいと思います。楽ちん、楽ちん ♪ 日本で唯一...

戦争ものの小説は何冊か読みましたが、 この作品は、終戦直後の沖縄を舞台に、 絵画に魅せられた沖縄人タイラと青年米軍医エドの深い絆の物語でした。 先に書かれたまーちさんの丁寧なレポがありますので、 ストーリーはほとんど紹介しなくてもいいと思います。楽ちん、楽ちん ♪ 日本で唯一の陸上戦地となった沖縄戦。 敗戦後、米国の支配下に置かれて悲惨な歴史を担うことになった沖縄へ、 24歳の青年精神科の軍医エドが派遣されました。 エドが沖縄の島をまわっていて、迷い込んだのは、 職業画家たちが集団で生活しているニシムイとよばれる地域でした。 エドはそこの住人たちと知り合い 特に、タイラという夫妻と親しくなります。 沖縄は米国のものになったと間違った認識のもとで、 威張り散らす米軍人の横暴な振る舞いに じっと耐えるニシムイの人々がいました。 同じ米軍人でもエドは絵画によって、 タイラたちと強い絆で結ばれ始めます。 表と裏表紙の2枚の肖像画は、 タイラが必死の思いで書いて危険を冒して届けたエドの肖像画と エドが帰国すると分かって、タイラが渡した自分の自画像です。 2枚の絵にまつわる素敵なエピソードがありました。 美術に関しての深い思い入れがあるのは、 主人公たちだけでなく、作者の原田さんもそうですから、 原田さんの知識と手腕によって、この作品は生まれたのでしょう。 実話をもとにしているらしいですが、絵画への情熱と、戦争の傷跡など 醜い不幸な出来事を乗り越えて結ばれた友情は、 平和へのメッセージのように思えました。

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2014/06/03

みんなが言っていることだが、原田氏の美術モノは熱くていいわ。彼女の語りだけでどんな絵なんだろうってスゴく引き込まれる。 それに加えて今回はアメリカ人医師と沖縄人との交流があってちょっと胸が熱くなります。実際よりはある程度盛ってあるとは思うけど、戦後、このような交流があったというだ...

みんなが言っていることだが、原田氏の美術モノは熱くていいわ。彼女の語りだけでどんな絵なんだろうってスゴく引き込まれる。 それに加えて今回はアメリカ人医師と沖縄人との交流があってちょっと胸が熱くなります。実際よりはある程度盛ってあるとは思うけど、戦後、このような交流があったというだけでうれしくなれます。

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2014/05/28

わーやっぱり実話ベースだったんだ。 と言うのが、読み終えて、すごい説得力とともにひしひし感動したところ。 終戦間もない沖縄、当時はまだ日本ではなくアメリカの占領地でした。 在沖縄アメリカ陸軍の従軍医としてやってきた新米精神科医師のエドと、ニシムイ・アート・ヴィレッジの芸術家たち...

わーやっぱり実話ベースだったんだ。 と言うのが、読み終えて、すごい説得力とともにひしひし感動したところ。 終戦間もない沖縄、当時はまだ日本ではなくアメリカの占領地でした。 在沖縄アメリカ陸軍の従軍医としてやってきた新米精神科医師のエドと、ニシムイ・アート・ヴィレッジの芸術家たちとの交流を綴っています。 沖縄といえばもはや楽園リゾート的イメージで、戦中戦後の沖縄といっても、ひめゆりの塔がおぼろげな史実として浮かぶくらいで...なんか日本人としてすごく情けないと言うか申し訳ない気持ちになりました。 アメリカに占領されて制圧された沖縄で、絵を描くこと、絵を鑑賞することで救われる人たちが、眩しくもあり悲痛でもありました。 どんな過酷な状況でも、そういう人たちがいたと言う事実に、いまの私たちも救われると思う。

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2014/05/23

「楽園のカンヴァス」に続いて。 ちょうど、終戦直後の沖縄について調べていただけに、タイミングよく。表紙と裏表紙の2つの肖像画が表すように、アメリカ人の従軍精神科医とニシムイ(アートビレッジ)の沖縄の画家の交流を中心に、戦後、本土とは違う生き方をしてきたOKINAWAが語られる。 ...

「楽園のカンヴァス」に続いて。 ちょうど、終戦直後の沖縄について調べていただけに、タイミングよく。表紙と裏表紙の2つの肖像画が表すように、アメリカ人の従軍精神科医とニシムイ(アートビレッジ)の沖縄の画家の交流を中心に、戦後、本土とは違う生き方をしてきたOKINAWAが語られる。 史実をベースとしているだけに、リアリティ豊かで、シンプルな構成が心に響く。今すぐにでも実際の絵を見に行きたくなる物語。

Posted byブクログ

2014/05/23

音楽は国境を越える、とはよく聞くが、確かに芸術は国境や時代を越える。 魂のこもった力のある表現物や表現者は、見る者の心に直接働きかけるからだろう。 理屈も理由も考える暇なく、感動を呼び胸を震えさせる。 戦後すぐの沖縄の米軍基地に軍医として派遣された新米精神科医エド。 ニシムイに...

音楽は国境を越える、とはよく聞くが、確かに芸術は国境や時代を越える。 魂のこもった力のある表現物や表現者は、見る者の心に直接働きかけるからだろう。 理屈も理由も考える暇なく、感動を呼び胸を震えさせる。 戦後すぐの沖縄の米軍基地に軍医として派遣された新米精神科医エド。 ニシムイに美術村を作り、画家として生きるために描くタイラ。 自らも画家志望だったエドは、ニシムイの画家たちの描く絵と、純粋に創作に向き合うきらきらした瞳に惹きつけられる。 巡り合うとは夢にも思っていなかった彼らが、巡り合い、国も立場も越えた友情を育む。 しかし、戦後間もない時代の沖縄という特殊な場所にあって直面する現実は、タイラたちニシムイの画家に厳しく、エドたち米軍の軍医に苦いものも多かった。 物語終盤の別れの気配と、ニシムイの画家の一人である描くために生きるヒガに降りかかる不条理な悲劇の辺りから、鼻の奥がツンとなる。 エドの怒り、画家たちの誇り、お互いに対する信頼と友情。 胸が熱くなり、沁みたものは堪えきれず目から零れ落ちた。 沖縄を去るエドが大事に抱えた二枚の肖像画。 チカッ、チカッ……。七つの光の棘。 眩い太陽を集めた光の棘は、小さいけれど強く、胸にほんのり温かい痛みを残す。

Posted byブクログ