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ハンナ・アーレント の商品レビュー

4.1

70件のお客様レビュー

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2014/10/22

ハンナアーレントの評伝。哲学には馴染みが薄く、 内容にとらえどころがないように感じたが、 全体主義に対する論考やアイヒマン論争については わかりやすく説明されており、理解しやすい。 特にアイヒマン論争については 当時のユダヤ人らが抱いていた深層心理を 垣間見るようで興味深かった。

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2014/09/28

2014年88冊目。 『人間の条件』『全体主義の起源』などで有名な政治哲学者ハンナ・アーレントの一生を描いた一冊。 ユダヤ人の出自で、ユダヤ人大量虐殺の実行者であるアイヒマンの裁判を傍聴、その内容とそれに対するアーレントの思想を綴った『イェルサレムのアイヒマン』が大論争を巻き起...

2014年88冊目。 『人間の条件』『全体主義の起源』などで有名な政治哲学者ハンナ・アーレントの一生を描いた一冊。 ユダヤ人の出自で、ユダヤ人大量虐殺の実行者であるアイヒマンの裁判を傍聴、その内容とそれに対するアーレントの思想を綴った『イェルサレムのアイヒマン』が大論争を巻き起こす。 それは、この論文がアイヒマンを悪ではなく「思考の欠如した凡庸な男」とし、ユダヤ人側の責任にも言及した点にある。 おそらく大きな批難を受けることは目に見えていたのではないだろうか。 それでも自らの信念に基づいて思想を語りアイヒマンの政治哲学者としての、そして人としての実直さに敬意を抱いた。 思想の欠如の脆弱さと恐ろしさを思い知った。 自ら考える姿勢をなくさずに持たねばと強く思った。

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2014/09/20

哲学初心者の私には難しい部分もあったが、強く、正しく、美しく、苦しみに向かい合う生き方がとてもカッコいい。

Posted byブクログ

2014/09/10

お台場のくまざわ書店で購入。買うタイミングを逃していたけども、えいやーっと。 思ってた以上に面白かった。読み終わってみると、付箋だらけ。勉強できない子の教科書みたいなありさまに。 昨年、話題になった彼女の映画、面白いは面白いけど、あまりに「切り取り」すぎてる感じがして、もっとア...

お台場のくまざわ書店で購入。買うタイミングを逃していたけども、えいやーっと。 思ってた以上に面白かった。読み終わってみると、付箋だらけ。勉強できない子の教科書みたいなありさまに。 昨年、話題になった彼女の映画、面白いは面白いけど、あまりに「切り取り」すぎてる感じがして、もっとアーレントの人生の流れみたいなもんを知りたいと思ってたので、ピッタリ一致した。ついでに歴史もお勉強できる。 2014年3月刊行で、翌月には再版とある。映画の影響が大きかったんだろうと思う。私は映画を観て直ぐに、家に置いてあった『革命について』を開いたけど、3秒で挫折した。それに比べて、新書ってほんとうに親切だと思う。「こんなに分かりやすくていいのかしら?」と、ちょっと後ろめたくなってしまうくらいに親切。 ユダヤ人でありながらも、「自分は「民族の娘」ではなく自分自身以外の何者でない」、「なんらかの民族あるいは集団を愛したことはない」と言うアーレントの姿は、私にはとても誠実に見える。ベンヤミンやヤスパースとの交流にも胸を打たれる。著者・矢野久美子さんのアーレントへの愛を感じる良書だった。

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2014/09/02

人物像もさることながら、その主要な著作を中心に、どのような思索を展開したのかということが、「かんどころ」をおさえて記述されている。 実際に、アーレントの著作をいくつか読んでみたくなった。良書である。

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2014/09/10

その生涯と、思考について書かれています。 生涯については、ほとんどが関わった人々について。いかに多くの人と関わり、彼女がそれを重要視していたかが分かります。人となりについてたくさんは書かれていませんが、他者との関わり方によって、逆に特徴が際立ってきます。 いろいろと考え、重要な著...

その生涯と、思考について書かれています。 生涯については、ほとんどが関わった人々について。いかに多くの人と関わり、彼女がそれを重要視していたかが分かります。人となりについてたくさんは書かれていませんが、他者との関わり方によって、逆に特徴が際立ってきます。 いろいろと考え、重要な著作も書かれた人であり、本書はその概観を学ぶ入門書として最良だと思います。その部分も良いのですが、晩年に一番重要に語っていたのが、他者との交わりの重要性。ヤスパースの追悼の際に述べられた言葉は、読んでいて久しぶりに沸き上ってくるものを感じました。 意思(はじまり)を持つこと。それを思考によって吟味し、他者との交わりを持って初めて判断する。そういうことかと今時点では考えています。

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2014/08/28

アーレントの思想の中身そこまでは踏み込まず、あくまで伝記的内容が書かれている一冊 案外アーレントの人生について書かれたものは殆ど出版されていないのでとてもためになった

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2014/08/20

ハンナ・アーレントの生涯をたどりながら、彼女が何を経験し、何を考え、何を書いたか、を概観する。 先に読んだ川崎修『ハンナ・アレント』でわかりにくかった部分が、本書を読んである程度理解できた。 たとえば、『全体主義の起原』の論理展開のわかりにくさ。タイトルに「起原」とついているか...

ハンナ・アーレントの生涯をたどりながら、彼女が何を経験し、何を考え、何を書いたか、を概観する。 先に読んだ川崎修『ハンナ・アレント』でわかりにくかった部分が、本書を読んである程度理解できた。 たとえば、『全体主義の起原』の論理展開のわかりにくさ。タイトルに「起原」とついているから、何か全体主義の種のようなものがあって、「風が吹けば桶屋が儲かる」方式の論理展開がなされるのだろうと読者は想像しがちであるが、アーレントの論理展開は連続性・必然性に今一つ欠ける。 その理由が本書pp105-106に端的に書かれている。 「アーレントは、因果関係の説明といった伝統的方法によっては、先例のない出来事を語ることはできない、と断言する。(略)それが運命といったものの流れのなかで必然的に起こるべくして起こったことではなく、人間の行為の結果としての出来事だったということを、アーレントは強調する。人間がどうなるかは人間にかかっている」 『全体主義の起原』のわかりにくさは、アーレントの歴史理解のしかたによるものだった。そしてその「理解のしかた」は哲学者として誠実なものだったと思う。 また、「無国籍者」などといった現代日本人からすればいささかリアリティを欠いた用語は、亡命を経験したアーレントにとってはリアルそのものであったということ。 映画『ハンナ・アーレント』では、シオニストの指導者でありアーレントの父親的存在であったクルト・ブルーメンフェルトとの“絶交”のシーンが描かれていたが、実際には、『イェルサレムのアイヒマン』の発表後、彼女はブルーメンフェルトに面会することすら叶わなかったという……。 壮絶な人生を送ったアーレントその人を「身近に感じる」ことはないだろうが、本書は、著書だけからは読み取りにくいアーレントの人生を、よりリアルなものとして理解する手助けをしてくれた。 アーレントに興味をもったら、どの本よりもこれを先に読むことをおすすめしたい。 (次に仲正昌樹『今こそアーレントを読み直す』、さらにその次に川崎修『ハンナ・アレント』、がベターな順番と思われる。)

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2014/08/08

ユダヤ人にして、これほどまでに緻密且つ冷静にナチと全体主義を分析する人がいたとは。反ユダヤとユダヤ人排斥の意味の違い。帝国主義の悪の本質である余計者が余計者を作る構図。全体主義が作り出す「誰も裁かない、誰も裁かれない」1億総犯罪者とも呼ぶべき政治社会構造の恐怖。世界の誰も見抜けな...

ユダヤ人にして、これほどまでに緻密且つ冷静にナチと全体主義を分析する人がいたとは。反ユダヤとユダヤ人排斥の意味の違い。帝国主義の悪の本質である余計者が余計者を作る構図。全体主義が作り出す「誰も裁かない、誰も裁かれない」1億総犯罪者とも呼ぶべき政治社会構造の恐怖。世界の誰も見抜けなかった戦争の世紀の悪の根源を、まさに彼女は見抜いていた。

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2014/08/04

この春「公共哲学」をかじり始めた私に FB友であり酒&歌の友でもある佐々木宏人さんが 下さったのがこの本です。(感謝!) 実はハンナ・アーレントの「暗い時代の人々」を 読み始めていたのですが まだ哲学者の言葉に慣れていなかった私には難解 (=超理屈っぽい)で このまま読み進めら...

この春「公共哲学」をかじり始めた私に FB友であり酒&歌の友でもある佐々木宏人さんが 下さったのがこの本です。(感謝!) 実はハンナ・アーレントの「暗い時代の人々」を 読み始めていたのですが まだ哲学者の言葉に慣れていなかった私には難解 (=超理屈っぽい)で このまま読み進められるのかどうか おろおろしていたところでした。 特に哲学者の著作を読む時にはまず なぜこのような考えに至ったのか そのバックグラウンドを知ることが 助けになることを実感しました。 「哲学」とはすなわち思考することですが ハンナ・アーレントという人は見事なまでに 思考することをやめませんでした。 急激に堕ちていく社会の中で ユダヤ人であることが彼女を一層 思考に掻き立てたことは明らかですが アイヒマン裁判後の轟々たる非難にもゆらがなかったのは 思考することが、ナチのみならず 人の世に常在する「悪」に対抗するために 必要なことだったからです。 そこにアーレントの特別な部分、 悪と善が対抗するのではなく すべてを包括してとらえる、という 人間への深い洞察力 そして女性という性の芯の強さを私は感じます。 彼女の思考や捉え方、結論のすべてを バイブルのように信じ込む必要はありませんが いまの世の中を見れば、明らかな「思考停止」状態 であることはすぐにわかります。 今こそ「ものごとの表面に心を奪われないで 立ち止まり、考え始める」ことを重視した 彼女の姿勢が必要とされる時代であることは明らかです。 ぜひご一読を! ご参考までに。。。↓ *NHK視点・論点 矢野久美子さん http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/191681.html *映画「ハンナ・アーレント」DVD発売! http://www.amazon.co.jp/ハンナ・アーレント-DVD-バルバラ・スコヴァ/dp/B00KA19RNA

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