申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。 の商品レビュー
いかにも女性的なタイトルと言っては失礼か(笑)30年のキャリアを持つ経営コンサルタントが自身の携わってきた仕事におけるコンサルティングメソッド適用の失敗事例を紹介している.ファイザーやJ&Jなどコンサルティングファームだけでなく事業会社での仕事も経験している. 筆者の経歴...
いかにも女性的なタイトルと言っては失礼か(笑)30年のキャリアを持つ経営コンサルタントが自身の携わってきた仕事におけるコンサルティングメソッド適用の失敗事例を紹介している.ファイザーやJ&Jなどコンサルティングファームだけでなく事業会社での仕事も経験している. 筆者の経歴から製造業に関するトピックが多い.全部で8章あるが戦略策定,BPRときて人材開発・評価に関する章が半分を占める. 各トピックに対して一般に用いられるコンサルティングメソッドを紹介,自身の失敗経験を語り,結局はコンサルタントとクライアント,上司と部下の対話が一番大切という論調.ただしタイトル通りのコンサル批判に終始はしておらず,コンサルティングメソッド適用の前提条件やクライアントサイドのあり方についても触れている. ベストプラクティス(How to)に囚われず,問題定義・分析(Why)をまず行う姿勢が大事だと思う.前半の戦略策定やBPRについては比較的納得感があった.特に人間は非理性的に行動するという部分.後半の人材開発・評価については問題点は理解するも解決策には懐疑的.ただ自分でも容易には代わりの解は見いだせず,やはりESを上げるのは上司次第かなとも思う.
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コンサルタントと広告屋は煽動家である。誰かを躍らせるために彼ら彼女らは存在する。 本書は非建設的な自己弁護や愚痴が多い。理論やフレームワークの限界は改めて論じるまでもない。せめてコンサルらしくロジカルで体系だった批判が欲しかったところ。 標準化や測定できないものにこそ価値があ...
コンサルタントと広告屋は煽動家である。誰かを躍らせるために彼ら彼女らは存在する。 本書は非建設的な自己弁護や愚痴が多い。理論やフレームワークの限界は改めて論じるまでもない。せめてコンサルらしくロジカルで体系だった批判が欲しかったところ。 標準化や測定できないものにこそ価値があるのは当然であり、だからこそ可視化することで価値が生まれる。それを実現したのがAppleやGoogleである。 クライアントがコンサルタントに踊らされていたように見えたのは競争戦略上それが最も楽な選択だったから。戦略とは本来困難な意思決定をすることだ。そこのクライアント心理を踏まえた、もう一歩深い洞察があると良かった。
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たまたま4年ほど前まで住んでいた街を訪れる機会があり、当時よく通っていた書店にも足を伸ばしてみた。 当たり前の話だが、書店は主に本を販売する店なので、売れ筋の作品になるとだいたいどの書店でも売っている。だから大型書店と言われるところへ行けばだいたい欲しいものは何でも手に入るし、...
たまたま4年ほど前まで住んでいた街を訪れる機会があり、当時よく通っていた書店にも足を伸ばしてみた。 当たり前の話だが、書店は主に本を販売する店なので、売れ筋の作品になるとだいたいどの書店でも売っている。だから大型書店と言われるところへ行けばだいたい欲しいものは何でも手に入るし、Amazonなら在庫を気にすることもほとんどない。 そうなると、こじんまりしてこれといった特徴のない地方の書店の出番はないはずなのだが、棚のレイアウトが違う、本の並べ方が違う、イチオシ作品が違う、ただそれだけにもかかわらず、本屋を見つけると足を向けずにはいられなくなる。 きっと最新の医学書にはこういう症状にも何らかの病名がつけられているんじゃないかな。 前置きが長くなりましたが、その懐かしい書店で購入したのがこの一冊。 まずこの衝撃的なタイトルが目に留まり、思わず手に取ってしまう。 次に「コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする」というサブタイトルを見て、レジに向かってしまう。 その間、わずか5秒程度。いかに書籍の売上にとってタイトルが重要かという典型的な事例です。 内容はだいたいタイトルから想像できますよね。 大手コンサルティングファームで働いていた著者が、当時を振り返りながら従来のコンサルの問題点を指摘していきます。 なぜ優秀であるはずのコンサルタントが間違ってしまうのか、そのあたりのエピソードが非常に面白いです。 ただ、単なるコンサル批判に終始するのではなく、コンサル業務のあるべき姿や、コンサルタントとの正しい付き合い方にも触れています。 結局、コンサルも魔法を使って物事を解決してくれるわけではないので、完全に丸投げしちゃうのではなく、クライアント側も一緒になって考えないと痛い目に合うのは自分ですよ、という警告ですね。
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少し情報が古い感があるが、コンサルである筆者自身の体験に基づき、机上の理論としての経営論と現実の齟齬を告発している。一部脚色はあるかもしれないが、コンサル業の本場アメリカでこの有様なら、日本でのコンサル業務の効力は推して知るべしかと。
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「申し訳ない、・・・」というタイトルだが、筆者はそんなに反省しているわけではない。それどころか、「自分は潰していない」と言っており、今でも経営コンサルタントを続けているようだ。 それはさておき、筆者の主張の中心は、経営コンサルタントがよく利用する各種フレームワークや理論、ツールと...
「申し訳ない、・・・」というタイトルだが、筆者はそんなに反省しているわけではない。それどころか、「自分は潰していない」と言っており、今でも経営コンサルタントを続けているようだ。 それはさておき、筆者の主張の中心は、経営コンサルタントがよく利用する各種フレームワークや理論、ツールといったものを、形式的に利用することは、成果が出ないどころか害がある、ということである。 そして、筆者の経験の中でいちばん効果のあったのは、組織のコミュニケーション活性化であり、コンサルタントは、まず現場の話をよく聴くことから始めなければいけないということである。 筆者が否定的に語る、各種フレームワークなども、現場の状況を把握せずに、一律に形式的に利用しようとするから害があるということであろう。 ツールや理論ではなく、「人間こそ問題の原因であり、解決の手立てなのだ」という言葉が全てを語っていると思う。
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うん。やっぱりさ、方法とか手法っていうのは後からついてくるもので、その前には、人と人との関係なんだよな。
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世に出ている理論やツールの大半が意味がない事、社員の評価制度の危険性、要注意コンサルタントとは…等、著者のこれまでの経営コンサルタント経験を元に過去の反省と絡めて書かれています。 一貫して「人」について焦点を当てて書かれているのが印象的でした。 ビジネスは「人」によって行われ、企...
世に出ている理論やツールの大半が意味がない事、社員の評価制度の危険性、要注意コンサルタントとは…等、著者のこれまでの経営コンサルタント経験を元に過去の反省と絡めて書かれています。 一貫して「人」について焦点を当てて書かれているのが印象的でした。 ビジネスは「人」によって行われ、企業は「人」でできている。当たり前と思われるかもしれないけれど、現実は「人」の標準化や「人」を数値で計るなどしている。 ビジネスや人は数値で計れない、「人」を中心に考える大切さ・重要性を再認識させられた一冊でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
優秀な学歴を持ち、大手の経営コンサルティングファームに入って仕事をしていた人が、いかに当時やっていたことが成果に結びついていないかを打ち明けるような内容。 どんな業種でも、学業的に優秀かそうでないか関係なく、方法論は道具なはずなのに、いつの間にか、その方法で実行すること自体が目的化してしまう。その典型の事例のように感じた。 〈人間の問題は、関わる人間を変化させないと根本解決にならない〉 なのに、人の動き方だけを変えようとする。 〈目標達成のシステムそのものが間違い〉 人は自己の利益を追求しようとするもの。だから、数値目標にしてしまうと、他の評価されない数値がどんなに下がっても目標の数値のみ、どんな手を使っても達成しようとしてしまう。そこに永続的発展につながらない理由が存在する。 〈標準化とは、人が判断しなくていいようにするのではなく、判断をできるようにすること〉 〈評価基準は参考。基準ではない。数値を評価指標にしない〉 例)体重10kg減→健康を害しても体重を減らす ではなく、「健康な体つくり」を目標にすると、生活を見直し変化させる。結果、体重が減る。 〈部下の指導から学んだこと〉 ・物事の受け止め方は人によってさまざま。ある人にとって興味のあることでも、他の人にとってはどうでもいい、些末なことに思える場合もある ・コーチングとフィードバックだけでは足りない場合もある。何が問題なのかを口で言って聞かせるだけでなく、ときには目に見える形で示した方がよい ↓ ①気にかけていることを態度で示す ②伝わるように伝える ③臨機応変に、柔軟に、すばやく対応する ④先手を打つ 〈ピーターの法則〉 階層社会では、すべての人は昇進を重ね、おのおのの無能レベルに到達する 〈新しい取り組みが組織の役に立つか、害になるか半田する物差し〉 ・社員同士の交流を改善する ・判断力を強化する、または考え方を広げる ・社員が生活を楽しめる環境をつくる ・顧客の生活を豊かにする 〈科学的な方法の4段階〉 ステップ1、調査、分析、精査し、問題を定義する ステップ2、調査結果にもとづいて仮説を立てる ステップ3、実験を行い、仮説を検証する ステップ4、実験結果を見定め、結論を出し、ステップ3を繰り返す
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コンサルタントは、盲目的にメソッドや方法論を使ってクライアントを置いてけぼりにしてはいけない。向き合うべきは、クライアントの業務であり、クライアントという人間である。 ・コンサルタントが作った戦略、立派なプレゼン資料には意味がない。クライアントが自ら立てた戦略、およびそのプロセ...
コンサルタントは、盲目的にメソッドや方法論を使ってクライアントを置いてけぼりにしてはいけない。向き合うべきは、クライアントの業務であり、クライアントという人間である。 ・コンサルタントが作った戦略、立派なプレゼン資料には意味がない。クライアントが自ら立てた戦略、およびそのプロセスに意味がある。 ・システム導入PJで新規導入されたシステムが、人から考えることやコミュニケーションを奪うようなことがあってはならない。思考を広げ深めること、コミュニケーションを促進するものでなければいけないし、ユーザーは考える事をやめてはいけない。 ・仕事やマネジメントで成功することは、良い人間として人生で成功することと同じである。それは良い人間関係を築くこと意外にない。そのためには「任務をやり遂げ、部下を管理し、チームのスキルを向上させること」である。 ・リーダーは一定の特性を兼ね備えた人を指すのではない。自分の弱点を補うことのできる人を配置し、チームを構成し、そのチームをリードする人である。
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「経営陣は、自分たちで経営方針を考えず、また、決断せずに、コンサルのツールや手法に乗っかるのをゴールとしているし、コンサルもそれをよしとしている。大切なのは考えるプロセスであり人である」という本だ。コンサルであった著者の体験を通じた事例を元に書かれており、大変おもしろく読めた。 ...
「経営陣は、自分たちで経営方針を考えず、また、決断せずに、コンサルのツールや手法に乗っかるのをゴールとしているし、コンサルもそれをよしとしている。大切なのは考えるプロセスであり人である」という本だ。コンサルであった著者の体験を通じた事例を元に書かれており、大変おもしろく読めた。 それはともかく、組織を効率化するためには、ルールも必要だし、仕組も必要だ。しかし、それはあくまで手段であり、ルールや仕組を厳密に守ることを目的としてはいけない。 この本では、「戦略計画」「最適化プロセス」「数値目標」「業績管理システム」「マネジメントモデル」「人材開発プログラム」「リーダーシップ開発」など、いかにも ≪思考停止≫ しそうなキーワードを挙げて、これら引っさげてやってくるコンサルの言うことに盲目的に従うことに警鐘を鳴らす。 http://d.zeromemory.info/2015/01/07/with-work-think.html
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