よるのふくらみ の商品レビュー
小さな商店街で育ったみひろと圭祐と裕太の三人。 それぞれがそれぞれに哀しんで、 掬ったり掬われたりしながら、 傷を抱え、開いた穴を確かに感じながら、 それでも生きていく。 この作家の性の描写や、そこにたどり着くまでの前後の物語の流れは、生の叫びのようで昔からたまらなく好き。
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壊れていく圭祐がこのまま壊れていくのかと思っていたが希望の持てるラストが一服の清涼剤となっている。 なんだかんだ言っても女は「自分だけを大事にしてほしい」これにつきる。
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商店街を舞台に「地元(商店街)で育った子どもたち」の恋模様を描く連作短編集。アラサー男女が語り手です。R-18文学賞出身の作家さんゆえ性描写の生々しさが苦手…という方でも本作は読みやすいかと思います。地元特有の筒抜けな感じ、今だからいえるあんなことこんなこと…よくある話でも読ませ...
商店街を舞台に「地元(商店街)で育った子どもたち」の恋模様を描く連作短編集。アラサー男女が語り手です。R-18文学賞出身の作家さんゆえ性描写の生々しさが苦手…という方でも本作は読みやすいかと思います。地元特有の筒抜けな感じ、今だからいえるあんなことこんなこと…よくある話でも読ませる力量が素晴らしい。湿っぽくて、生っぽくて、体温がある言葉たち。ラストが特にありきたりな感じだったけれど、きっとここに書かれていることは誰にでも起こりうる話なので、それがまたリアルで、ゾクっとした。
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久しぶりの5つ星、窪さん。 朝方目が覚めて、二度寝ができなくて ぱらぱら開き始めたら、 あっという間に引き込まれて 数時間で一気に読了。 だれもかれもが抱える不安と、やさしさが 痛いほど伝わってきて。 ああ、よるべのない感情だなあ、 私はこの気持ちに どう出口を見つければいい...
久しぶりの5つ星、窪さん。 朝方目が覚めて、二度寝ができなくて ぱらぱら開き始めたら、 あっという間に引き込まれて 数時間で一気に読了。 だれもかれもが抱える不安と、やさしさが 痛いほど伝わってきて。 ああ、よるべのない感情だなあ、 私はこの気持ちに どう出口を見つければいいのかなあ、と 浮かべながら読んでいました。 窪さんは性描写が多いので 作品によって得手不得手が明確に分かれますが、 窪さんが苦手な人にも 読んでほしい作品です。 もう一度ページを開きたい。
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もやもやしつつも続きが気になる本だった。 男と女はひとつ噛み合ないとそれで全部が駄目になる気がする。合わせようとするともっと駄目になる。 それでもいちばん最後のページで救われた。
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みひろと圭祐は幼なじみのカップル。 そして圭祐の弟、裕太はみひろと同い年でみひろのことが好き。 みひろと圭祐は最近少しずつすれ違い始めている。 子供、妊娠、愛、恋人、夫婦… 普遍的なものが描かれているけれど カップルで同棲していてセックスレスになっていたり と、状況はと...
みひろと圭祐は幼なじみのカップル。 そして圭祐の弟、裕太はみひろと同い年でみひろのことが好き。 みひろと圭祐は最近少しずつすれ違い始めている。 子供、妊娠、愛、恋人、夫婦… 普遍的なものが描かれているけれど カップルで同棲していてセックスレスになっていたり と、状況はとても現代的。 みひろは子供もほしかったんだろうけど 純粋に圭ちゃんと触れあう恋人同士のセックスがしたかったのだと思うし 圭ちゃんは女性にそういう性欲があるのが受け入れられなかったんだと思う。 誰が悪いとかじゃなくて、 みひろと圭ちゃんは合わなかったんだと思うし 逆に裕太とみひろはずっとケンカしてるような関係性だけど 丸ごと素の部分で関われるのがよかったんだと思う。 圭ちゃんも大阪で本音で付き合える人と出会えてよかったと思うし みひろは周りになんと言われようとも 裕太とうまくいくと思う。 不器用だけど、自分の気持ちに寄り添うように 生きようとする3人にはとても共感しました。
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その体温が、凍った心を溶かしていく。29歳のみひろは、同じ商店街で育った幼なじみの圭祐と一緒に暮らして2年になる。もうずっと、セックスをしていない。焦燥感で開いた心の穴に、圭祐の弟の裕太が突然飛び込んできて……。『ふがいない僕は空を見た』の感動再び! オトナ思春期な三人の複雑な気...
その体温が、凍った心を溶かしていく。29歳のみひろは、同じ商店街で育った幼なじみの圭祐と一緒に暮らして2年になる。もうずっと、セックスをしていない。焦燥感で開いた心の穴に、圭祐の弟の裕太が突然飛び込んできて……。『ふがいない僕は空を見た』の感動再び! オトナ思春期な三人の複雑な気持ちが行き違う、エンタメ界最注目の作家が贈る切ない恋愛長篇。
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一気に読みました。自分と重なってしまうところがあり、せつない思いを抱えながら。生々しいけど、結構現実的な問題、ほんとにこのまま結婚していいのかという思い、どこか安堵してしまう自分。 いろんな抱えながらも前を向いて行きていかなければいけないなぁ、と。
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ふがいない~の窪田の役ほど惹かれる役や話はなかったなー。最後にちょっとあげるのがこの人の作風なのかな?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とても良かったです。 兄弟とその恋人、周辺の人々、それぞれ様々な感情や事情を抱えながら、 それでも「生きている」「生きていく」という感じが行間、全体から伝わってきました。
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