よるのふくらみ の商品レビュー
恋愛についてのボタンの掛け違いの物語。幼馴染の女性と女性を巡る兄弟のそれぞれの思いのすれ違いを生々しく描いています。舞台となる商店街の昔の痴話話や思い出話などが効果的に挿入されていて生々しさを増しています。DVから逃れてパチンコに依存する母と子や風俗嬢などの脇役の存在もよく利いて...
恋愛についてのボタンの掛け違いの物語。幼馴染の女性と女性を巡る兄弟のそれぞれの思いのすれ違いを生々しく描いています。舞台となる商店街の昔の痴話話や思い出話などが効果的に挿入されていて生々しさを増しています。DVから逃れてパチンコに依存する母と子や風俗嬢などの脇役の存在もよく利いています。どうしようもない状況から始まり、結末にいたり、薄明かりは射すものの、決して楽観的な終わり方はしない作者らしい作品でした。
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時として人は、感情に支配され衝動的行動に出てしまうことがある。 家族、特に一番長い、夫婦の関係においては何が起きても動じない覚悟がなければ、何かが起きた時にあっけなく壊れてしまうのだ。 絶対的でないものって儚く、そして切ないな。
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商店街で育った3人の男女。 兄弟の圭祐と裕太、近所に住むみひろの恋愛模様。 各章が、それぞれの目線で書かれ、ストリーが進んでいく。 それぞれの想いがつぶさに語られ、それがとっても切ない。 誰も悪くない。 なるべくしてなった。 そんな感じ。 著者の本は2冊目。 前回読んだ「水やりはいつも深夜だけど」よりも、こっちの方がずっとずっと良かった。 作風が、窪さんらしいとのレビューがあったので、他にもいろいろ読んでみたい。 もしかしたら、最近読んだ本の中で一番好きかもなので、また読み返してみようかなと思ってます。
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窪さんの作品によく見られるテーマ「女性の性欲」。 だけど、今回の本は、それに絡めてはあるけど もうちょっと身近な感じがした。 どこでも誰でも、どこの家でもあり得るような日常。 だから、善悪もはっきりしない感じが生々しい。 そうなると、圭ちゃん、かわいそうになってきます。 そう...
窪さんの作品によく見られるテーマ「女性の性欲」。 だけど、今回の本は、それに絡めてはあるけど もうちょっと身近な感じがした。 どこでも誰でも、どこの家でもあり得るような日常。 だから、善悪もはっきりしない感じが生々しい。 そうなると、圭ちゃん、かわいそうになってきます。 そうなってもダメになるカップルもダメにならないカップルもいる。 要は、根本的にそこまでの愛情はなかったということかな。 破滅的な感じも、痛々しさもなかった今回の本だったけど そんなに悪くなかった。
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ミステリー以外では久しぶりにすっごくよかった。 文章の切なさかなー。 帯(っていうのかな?)の言葉通り、言葉が沁みてくる。 最後の黒猫の描写が泣きたくなってきたわー。
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切なくていいはなし。。 最後にふたりがくっついて良かった。 シングルマザーの行方は気になるけど・・・。 でも世間が狭すぎる。ww 商店街でくっついたり離れたり。。 村社会か。www江戸時代か。www
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約半数がセックスレスと言われる日本、どこにでも転がっている日常がテーマ。セックスレスに悩む女、果たして性欲を抑えることができないと「いんらん」なのだろうか?性欲と愛に違いなんてあるのだろうか?人間のどうしようもなくなまめかしく避けようのない本質について考えさせられる作品。 みひろ...
約半数がセックスレスと言われる日本、どこにでも転がっている日常がテーマ。セックスレスに悩む女、果たして性欲を抑えることができないと「いんらん」なのだろうか?性欲と愛に違いなんてあるのだろうか?人間のどうしようもなくなまめかしく避けようのない本質について考えさせられる作品。 みひろをめぐる壮絶な兄弟の殴り合い。『誰にも遠慮はいらない。なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げてしまうよ。』この言葉を思い出した兄の言葉に号泣する弟。兄弟を越えた男同志の関係を見た。 そして京子と再会できたラストシーンて不思議とホッとした気持ちになる。 とても窪さんの匂いが漂っていてどのページも愛おしい一冊だ。
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よるのふくらみ タイトルだけでもなんとなく惹かれてしまう。 良いタイトル。なんというか綺麗ごとではなくて、生々しい生活。女だってとかそういう見方されること自体にいらだつ自分にとってはすっきりするような内容。 小説や映画なんかではいつでも女性は性欲がないようなきれいで純粋みたいな表...
よるのふくらみ タイトルだけでもなんとなく惹かれてしまう。 良いタイトル。なんというか綺麗ごとではなくて、生々しい生活。女だってとかそういう見方されること自体にいらだつ自分にとってはすっきりするような内容。 小説や映画なんかではいつでも女性は性欲がないようなきれいで純粋みたいな表現がおおくてそれ以外は淫乱みたいな・・・。そんなのってない。 だって女性だって性欲あるし、最近では男性のが性欲ないんじゃないかって思う。 心も体も満たされたいって思うのは人間だからしょうがない。それを満たしてあげなければ、自分を大事にしてるって言えないんじゃない。 なにが健康なのか、自分に正直に生きることは大事なんだと思う。
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『ふがいない僕は空を見た』と似たテイストの作品 どうしようもない、救いようのない事態。 前を向けた人も、そうじゃない人もいる。 真面目しか取り得のないイケメンの兄と やんちゃで明るくて天真爛漫な弟 多分、弟のほうが魅力的なんだけどさ 兄の名前が圭祐なんだよね。圭ちゃん。 個人...
『ふがいない僕は空を見た』と似たテイストの作品 どうしようもない、救いようのない事態。 前を向けた人も、そうじゃない人もいる。 真面目しか取り得のないイケメンの兄と やんちゃで明るくて天真爛漫な弟 多分、弟のほうが魅力的なんだけどさ 兄の名前が圭祐なんだよね。圭ちゃん。 個人的に思い入れのある名前。 みひろ視点の話のタイトル「なすすべもない」は、この本のタイトルにしても良かったんじゃないかと思うほど しっくりくるね。 男と女も難しいけど 男同士だってちっとも簡単じゃないんだね。
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同じ地元の商店街で育った性格の違う二人の兄弟と幼馴染の女性、それぞれの視点で展開する大人の恋愛小説。 恋人となって付き合いも長く、結婚も目前に迫り、周囲は祝福ムード―でも自分の気持ちは晴れず、むしろ別の男を思い浮かべる。自分の想いを告げられない相手を想い、気持ちに反して別の恋に向...
同じ地元の商店街で育った性格の違う二人の兄弟と幼馴染の女性、それぞれの視点で展開する大人の恋愛小説。 恋人となって付き合いも長く、結婚も目前に迫り、周囲は祝福ムード―でも自分の気持ちは晴れず、むしろ別の男を思い浮かべる。自分の想いを告げられない相手を想い、気持ちに反して別の恋に向かう。結婚相手の本心に気付きながらも、見て見ぬふりをして幸せを装う。そんな理性と感情と行動がちぐはぐな登場人物たちは、妙にリアル。 恋人や結婚相手を前に、100%この人で間違いないと思い日々を過ごす人はどれくらい居るのだろう。きっと現実でも、表には到底出せないような想いを抱えつつ、理性とモラルで抑えながら穏やかな日常を作り上げている人が大多数な気がしてならない。私も然り。 でもそれが人間で、人間くさくて悪くないな、と思う。
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