よるのふくらみ の商品レビュー
その人が誰かに愛されるのは、その人に魅力があるからだ。 愛されることは単純に嬉しい。 でも、誰でもいいわけではなく、愛している人に、愛されることが一番なのである。 不妊治療やセックスレスで心が離れていった夫婦を知っている。 だから、なんだかとても身近に思える話だった。 最初の短...
その人が誰かに愛されるのは、その人に魅力があるからだ。 愛されることは単純に嬉しい。 でも、誰でもいいわけではなく、愛している人に、愛されることが一番なのである。 不妊治療やセックスレスで心が離れていった夫婦を知っている。 だから、なんだかとても身近に思える話だった。 最初の短編を読んだときは、もやもやした気持ちがあった。 最後まで読み切ったときに、それぞれの登場人物の気持ちが、収まるところに収まったんだな、と実感して、少しずつもやもやが解けていった。 みひろみたいに、本当に好きな人といっしょになれたらいいのに。
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子供の頃は深く考えずにただ笑っていれば良かった。 大人になると人間関係も複雑に絡み合い柵に揉まれたりと溜め息をつくことが多くなる。 同じ商店街で生まれ育った幼馴染みの3人。 性格が正反対の兄弟と、弟の同級生であり兄の恋人の彼女。 3人が交代で主役になって物語が進んでいき、三人三様の複雑な心境が徐々に明らかになる。 優等生の兄は兄なりの自由奔放な弟は弟なりの、その両者の間で揺れ動く彼女には彼女なりの。 窪さんがそれぞれの思いをスパッとセキララに描いていく。 誰も傷つけずに生きていくことなんて不可能だ。 傷つけ合って相手を憎んだり、そんな自分を卑下したり。 厄介なことが色々あっても、そうやって人と人が一緒に生きていくことはやっぱりいいものだ、と窪さんから教わった気がする。 ラストで自分の気持ちを言葉にして伝えられた兄に幸せが訪れますように。
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普段は誰にも言えないような感情がストレートに表現されていて、ドロドロというよりはあっさりしている。 キラキラした恋愛小説より何倍も人間らしくて 個人差に好きな作品です。
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人に言えない女の悩みや戸惑い、どうしてこんなにわかってくれる作家さんなんだろう。ものすごくいい作品だった。
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所々でクスッとくる言い回しがあって面白い。 日常の切り取り方にリアリティがあって好きです。 しかし兄との子供を妊娠し流産した後に弟との子供を妊娠して結婚....となかなか現実で考えると胸糞な展開ではあります。。まぁ大切なことはそこではないんだけれど....圭祐が不憫でならない。
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読み終えた時、この物語が誰かを不幸にしたままに終わらないで本当によかった…と思えた。 個人的に登場人物のなかでいちばんまともで大人だと思っていた圭ちゃんの心の内のドロドロが、見てはいけないものを見たような感覚で私の中にも重たい感情が流れ込んできてつらかった。 作中何度も出てき...
読み終えた時、この物語が誰かを不幸にしたままに終わらないで本当によかった…と思えた。 個人的に登場人物のなかでいちばんまともで大人だと思っていた圭ちゃんの心の内のドロドロが、見てはいけないものを見たような感覚で私の中にも重たい感情が流れ込んできてつらかった。 作中何度も出てきた、マリアさんの言葉が素敵だった。 自分の人生にとっても何度も何度も繰り返して忘れずにいたい言葉だな。お守りみたいに。
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理性と感情、心と体はシンクロしない。自分はこの作品の登場人物ではあきらかに圭ちゃん気質なので、読んでいてちょっと辛かった。
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一緒にいるだけでいいと思えなかったのか。 彼との子供が欲しい、セックスしたいという気持ちが一方に強くあれば、それが叶えられない方が悩むことになる。言いにくくてもここは正直に話し合うべきだと思う。 後々になって「言っていれば良かった」と後悔するくらいなら。自分の気持ちをごまかすのも...
一緒にいるだけでいいと思えなかったのか。 彼との子供が欲しい、セックスしたいという気持ちが一方に強くあれば、それが叶えられない方が悩むことになる。言いにくくてもここは正直に話し合うべきだと思う。 後々になって「言っていれば良かった」と後悔するくらいなら。自分の気持ちをごまかすのも嫌だな。 ”誰にも遠慮はいらないの。なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げてしまうよ。” まさにそうではないだろうか。
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章ごとに語り部が変わり、それによってそれぞれの本当の感情が明らかになる。 人と人との結びつきは心だけでも、体だけでもうまくいかない。 好きな人に求めてもらえない 好きな人を抱くことができない 女の人にも性欲がある、その当たり前のようでみんなが避けることを描いていて、とても面白い作...
章ごとに語り部が変わり、それによってそれぞれの本当の感情が明らかになる。 人と人との結びつきは心だけでも、体だけでもうまくいかない。 好きな人に求めてもらえない 好きな人を抱くことができない 女の人にも性欲がある、その当たり前のようでみんなが避けることを描いていて、とても面白い作品でした。
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人っていびつなものだな。 この人の本って、こんなに読みやすかったっけ?って思いながらスルスル読んだ。 欲の話なのかな? 心と体、一致しない欲望。 狡くて出来れば人には見せたくないもの。
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