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ピエタ の商品レビュー

3.9

95件のお客様レビュー

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2021/12/02

孤児院“ピエタ”と大音楽家ヴィヴァルディ。 消えた1つの楽譜を巡り、ヴェネツィアに生きる女性たちを描く。 史実を基にと書かれているが、どこまでが本当のことなのだろうか。 まるで大きな舞台を観ているようだ。 遠い外国の、遠い昔の物語に、いろんな女たちが生きている。 儚く勇敢で...

孤児院“ピエタ”と大音楽家ヴィヴァルディ。 消えた1つの楽譜を巡り、ヴェネツィアに生きる女性たちを描く。 史実を基にと書かれているが、どこまでが本当のことなのだろうか。 まるで大きな舞台を観ているようだ。 遠い外国の、遠い昔の物語に、いろんな女たちが生きている。 儚く勇敢で美しい、こんな女たちが、世界中どこにもかしこにも、昔も今も変わらず生きているのだ。 なんて頼もしいことなんだろう… 当たり前かもしれないけれど、 “ひとりではない”と思えることは、 何もよりも心を強くしてくれることなんだとおもう。 エミーリアも、孤独であってもひとりじゃなかった。 そしてそれは、自ら手を伸ばしたからこその繋がりだった。 《娘たち、よりよく生きよ。》 辿り着けなかったことは、きっと知らないままでいい。 彼の音楽に、彼が見たあの時の風景を感じる人たちが、いまもなお、 これから先何百年経ってもきっと繋いでいくのだろうから。

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2021/06/17

どのシーンを切り取っても1枚の絵画になるような慈しみ深い物語。ヴィヴァルディ先生やピエタの娘たちを中心に緩やかにのびてゆく水流を、ヴァイオリンの音色を聴きながら、ときおり唄をくちずさみながら、私たちを乗せたゴンドラは進む。いとしい友人たちとのかけがえのない出会いと別れを繰り返しな...

どのシーンを切り取っても1枚の絵画になるような慈しみ深い物語。ヴィヴァルディ先生やピエタの娘たちを中心に緩やかにのびてゆく水流を、ヴァイオリンの音色を聴きながら、ときおり唄をくちずさみながら、私たちを乗せたゴンドラは進む。いとしい友人たちとのかけがえのない出会いと別れを繰り返しながら、いっしょに祈りながら、ゆっくり進む。 いま世界中そこここで先生の音楽は生きている、と中庭で弦を楽しむ彼女らに思いを馳せる。胸に残る1冊。

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2021/05/25

淡々としているが、スルスル読めた。 当時のベネツィアやヴィヴァルディの時代のことを知る事ができ楽しかった。ベネツィアの貴族がどのように誕生したのか、ピエタの存在の意味合いが変わってきてしまった事なども興味をひきました。

Posted byブクログ

2021/03/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

昨年11月に、運営ボランティアをさせて頂いている読書会のイベントに2019年の直木賞作家・大島 真寿美さんがゲストに来て頂いたのですが、そういえばその本以外は読んでいなかったなと思い、トークショーでも話題に上がっていた本作を読んでみました☆ 1000年以上の間に亘り、歴史上最も長く続いた共和国であるヴェネツィア共和国の作曲家・ヴィヴァルディがヴァイオリン講師をしていたピエタ慈善院付属音楽院(今で言う赤ちゃんポストのある孤児院)での生徒たちを軸とした、心温まる優しい物語。全体的に登場人物たちは客観的に見てそれほど幸せな人生を送っているとは言いがたいのですが、それでも、思いやりに溢れた登場人物たちのやり取りに心癒されました♪特にこれと言って大きな事件が合ったりする感じでは無いですが、こんな風に心温まる人間関係が形成出来たら良いなと素直に思える作品でした♪実在した人物もちらほら登場しますが、著者である大島さんもトークショーで言っていた通り、ヴィヴァルディの時代を舞台にした現代劇だと思って読めば間違いなく楽しめると思います☆逆に言うと、歴史小説と思って読むとちょっと違うかも^^;。実際に大島さんに会って少しお話もさせてもらいましたが、大島さんの人柄がよく出ている、素敵な作品でした♪

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2021/01/28

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で“合奏・合唱の娘たち”を指導していた。ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる―聖と俗、生と死、男と女、真実と虚...

18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で“合奏・合唱の娘たち”を指導していた。ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる―聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独…あらゆる対比がたくみに溶け合った、“調和の霊感”。今最も注目すべき書き手が、史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編。2012年本屋大賞第3位。

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2021/01/13

ヴィヴァルディの時代の彼に関わる人たちの小説。 泣いた。 例えが悪いかもしれないが、自分の中では劇団ひとりの陰日向に咲く以来の意外性だった。はっとさせられた。

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2020/10/26

18世紀のヴェネチアを舞台に、孤児院で育った女性たちとヴィヴァルディと街の人々の愛と友情を描いたもの。悲しい話も多いし、貴族の腐敗などヴェネチアの嫌な部分も見え隠れするのだが、不思議と清々しく綺麗な印象。孤児院という一つの小さな特別な世界で生きた人々のつながりや、その人々に音楽と...

18世紀のヴェネチアを舞台に、孤児院で育った女性たちとヴィヴァルディと街の人々の愛と友情を描いたもの。悲しい話も多いし、貴族の腐敗などヴェネチアの嫌な部分も見え隠れするのだが、不思議と清々しく綺麗な印象。孤児院という一つの小さな特別な世界で生きた人々のつながりや、その人々に音楽という生きる力を与えたヴィヴァルディとの友情や愛情、街の人々の生きる姿勢などがしみじみと心に残る。何か「とても大事なもの」を共有した仲間しか持ち得ない感情や絆を強く感じる。自分にとっては大学の寮、故郷、家族なんだろうな。

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2020/10/17

ヴィヴァルディ先生の周りの人々の物語。話が進むにつれて、面識のなかった登場人物が繋がっていって、ヴィヴァルディ先生を囲む輪のようになるのが感じられて面白かった。エミーリア、ヴェロニカ、クラウディアの3人の夜のシーンがとてもよかった。私も3人と一緒に思い出を共有したような気持ちにな...

ヴィヴァルディ先生の周りの人々の物語。話が進むにつれて、面識のなかった登場人物が繋がっていって、ヴィヴァルディ先生を囲む輪のようになるのが感じられて面白かった。エミーリア、ヴェロニカ、クラウディアの3人の夜のシーンがとてもよかった。私も3人と一緒に思い出を共有したような気持ちになり、その後のストーリーにぐっと引き込まれた。最後のシーンは絵のように美しかった。 途中でしばらく読むのを中断してたので、ところどころ前のページで場面を復習しなければならなかった。一気に読むべきだった、残念…。

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2020/06/19

この本は、ともだちと初めてこばんで、 緊張して待ち伏せしてて、 本屋に行って買った本 舞台はヴェネツィア、 出てくる登場人物の名前も外人さんの名前で、 本の中の世界も、独特で、 孤児院で育てられた少女たちの話しで、 そこで養われた才能、音楽の世界の物語。

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2020/05/18

18世紀の時代背景の描写が物足りなかったけれど人間関係の過去現在の繋がりなどがわかりやすく気分良く読み終えられた。

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