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世界を変えた10冊の本 の商品レビュー

3.9

116件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2018/02/28

ご存知 池上彰氏が選ぶ世界を変えた本。 大きな影響を与えたものということでいうと、宗教や経済などがどうしても挙げられますが、もう少し広い分野で選ぶとなると、どういう本だったのか、というのは、興味があります。 原典にあたるのが当然いいとは思いつつ、なかなか手が伸びないものも多いので...

ご存知 池上彰氏が選ぶ世界を変えた本。 大きな影響を与えたものということでいうと、宗教や経済などがどうしても挙げられますが、もう少し広い分野で選ぶとなると、どういう本だったのか、というのは、興味があります。 原典にあたるのが当然いいとは思いつつ、なかなか手が伸びないものも多いので、こういった概要をつかんで理解しつつ、将来的には原典に挑戦したいと思います。 ①アンネ・フランク『アンネの日記』 ・「弱いものは狙われます。けれども強いものは生き残り、けっして負けることはないのです!」 ・中東問題の行方に大きな影響力を持っている ・イスラエルが今も存続し、中東に確固たる地歩を築いているのは、この本の存在があるから ②『聖書』 ・「罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血」 ・世界史そして欧米文化を知る基礎 ③『コーラン』 ・「汝らに戦いを挑む者があれば、アッラーの道において堂々とこれを迎え撃つがよい。だがこちらから不義をし掛けてはならぬぞ。アッラーは不義なす者どもをお好きにならぬ」 ④マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 ・「労働者は労働を神が望まれた生活の目的と考えて、熱心に働くのだった」 ・宗教と経済の意外な関係を分析 ・厳しい禁欲を守っていたプロテスタントこそが、職業倫理を守ることで、資本主義経済で成功していった道筋を分析 ・資本主義の精神「正当な利潤を組織的かつ合理的に、職業として追い求めようとする心構え」→資本主義的な企業を推進する原動力 ⑤カール・マルクス『資本論』 ・「資本制的私的所有の終わりを告げる鐘が鳴る。収奪者たちの私有財産が剥奪される」 ⑥サイイド・クトゥプ『イスラーム原理主義の「道しるべ」』 ・「イスラームが全人類を導く役割を果たすためには、イスラーム共同体が原初の形でよみがえらなければならない」 ・オサマ・ビンラディンの教本 ⑦レイチェル・カーソン『沈黙の春』 ・「私たちはだまされているのだ。その行きつく先は、禍いであり破滅だ。」 ・世界が環境問題に取り組むきっかけ ⑧チャールズ・ダーウィン『種の起源』 ・「われわれの知識は浅いのに、思い込みだけははなはだしい」 ・キリスト教社会の根底を揺るがした ⑨ジョン・M・ケインズ『雇用、利子および貨幣の一般理論』 ・「われわれが生活している経済社会の際立った欠陥は、それが完全雇用を与えることができないこと、そして富と所得の分配が不公平なこと」 ・経済不況を救う処方箋となった ⑩ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』 ・「政府の仕事は、個人の自由を国外の敵や同国民による侵害から守ることに限るべきだ」 ・リバタリアン(自由至上主義) ・小さな政府と個人の自由を重視 <目次> 第1章 アンネの日記 第2章 聖書 第3章 コーラン 第4章 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 第5章 資本論 第6章 イスラーム原理主義の「道しるべ」 第7章 沈黙の春 第8章 種の起源 第9章 雇用、利子および貨幣の一般理論 第10章 資本主義と自由

Posted byブクログ

2018/02/17

書物の持つ力の大きさが改めて思い知らされる。過去、世界中すべての本から10冊セレクトしているので当然偏りはあり、宗教書、経済書の比率が多い。「資本論」や「資本主義と自由」など存在だけは知っているものの、中身については無知だった本についての一定の基礎知識を池上さんのやさしい解説によ...

書物の持つ力の大きさが改めて思い知らされる。過去、世界中すべての本から10冊セレクトしているので当然偏りはあり、宗教書、経済書の比率が多い。「資本論」や「資本主義と自由」など存在だけは知っているものの、中身については無知だった本についての一定の基礎知識を池上さんのやさしい解説によって獲得できたのは大変大きい。アンネの日記のドロドロした部分についてはとても意外で驚いた。完全版の出版をめぐる論議についても併せて解説されているのでその書物の中に書かれてあることだけでなく、その時代背景や周辺知識も含めて知れるのが池上さん本の良いところ。

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2017/12/14

現在の国際問題の多くには宗教論争が根本的にあり、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の起源を知るには良い教材だと思います。 そこにアンネフランクの日記も絡んでいるとは、知らなかった。

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2017/11/15

「世界を変えた」のは間違いないとしても、10冊が同等の価値を持つことを意味してはいない。また、「変えた」からと言って、著者(がいない場合もあるが)が偉い、と限ったわけでもない。また、9.11を起こした「道しるべ」を扱うのならば、レーニンの「国家と革命」や毛沢東の著作も扱うべきだろ...

「世界を変えた」のは間違いないとしても、10冊が同等の価値を持つことを意味してはいない。また、「変えた」からと言って、著者(がいない場合もあるが)が偉い、と限ったわけでもない。また、9.11を起こした「道しるべ」を扱うのならば、レーニンの「国家と革命」や毛沢東の著作も扱うべきだろうし、最終章の新自由主義を述べたフリードマンの本の(影響を与えた期間の)寿命は、このままではおそらく40年ほどのモノだろうから、果たして取り扱う意義があったのかは疑問だ。しかし、著者は「ジャーナリスト」であり、扱われるエピソードの多くが雑誌掲載時以前の10年以内(2001年〜2011年)という偏りもある。それらを含めても、今回の読書案内は、学者の書く解説本よりも、遥かにわかりやすく目配りの行き届いたものであったことを認めないではいられない。私は思いもかけず愉しんだ。以下重要事項や教養としてキチンと知ることで、クイズ番組などで使えそうな事をメモする。 ⚫︎「アンネの日記」から1961年、当時27歳の坂井泰子氏がアンネナプキンを発売した。アンネ株式会社は1993年ライオンに吸収合併された。 ⚫︎「聖書」の「産めよ、増えよ」(創世記)より、カトリックやプロテスタントでも原理主義な人々は、避妊は「神の意志に反する」と考える。 ⚫︎創世記の安息日より、ヨーロッパでは日曜日が閉店が多く、アメリカ含め、日曜日に選挙の投票日は設定されない。 ⚫︎「旧約聖書」の「10戒」により、反芻しない豚は禁止(牛・羊・山羊はOK)、鰭と鱗がないので、エビ・カニ・タコは食べられない。 ⚫︎ユダヤ教は「旧約聖書」の10戒などの「律法」には厳格。一方「新約聖書」は紀元90年ごろに定められた「70人訳聖書」が採用、旧約と微妙に内容が違う。 ⚫︎「新約聖書」の福音書は、成立時期は聖書の順番ではなく、最初が「マルコ(70年前後)」(イエス死亡は30年ごろ)、「マタイ」「ルカ」は80年ごろ、マルコを参考にして更に「Q資料」を見て書かれた。「ヨハネ」は90年代ないしその後。 ⚫︎「ユダの福音書」がナイル川流域で発見、2006年に出版。ユダはイエスに頼まれ(自ら犠牲になることで人々を救済できる)売った。 ⚫︎イエスは復活して40日後に昇天。やがて「最後の審判」を行い「神の国(天国)」が実現。その後、サタンが復活して神に挑戦、その場所をハルマゲドンと呼ぶ。やがてイエス再来、「千年王国」を築く。またサタン復活。サタンは天から火が下りて焼き滅ぼされる。 ⚫︎ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の三つの神は同じ。それぞれ、ヤハウェ(ヘブライ語)・ゴッド(英語)・アッラー(アラビア語)。 ⚫︎預言者は予言する人ではなく「神の言葉を預かる者」。よって、モーセもノアもイエスもムハンマド(マホメット、モハメド)も預言者。 ⚫︎ムハンマドは570年ごろ、アラビア半島のメッカに生まれた。天使ガブリエル(マリアに受胎告知した天使・アラビア語でジブリール)から、神の言葉を通訳して伝えられ、ムハンマドは暗唱した。死後、暗唱出来る人が次々に戦死、「コーラン(声に出して読むべきもの)」成立。よって、本来はアラビア語以外では出版出来ないが、解説書という位置づけで、井筒俊彦訳岩波文庫がある。 ⚫︎イスラム教の世界の終わり。地中の死者は起こされて神の前で裁かれる。天国と地獄に分かれる。地獄では永遠の苦しみ。天国では、腐らない水、乳の河、美酒の河、蜜の河、凡ゆる果物、涼しい木陰、罪の赦し。例外的に、ジハード(聖戦)でアッラーのために戦って亡くなった人は直ぐに天国に行ける。 ⚫︎イスラム教の五行とは、信仰告白、礼拝(1日5回、夜明け前・昼過ぎ・午後3時・日の入り・就寝前)偶像崇拝はなし、喜捨(収入の2ー2.5%、来世への貯金)、断食(一ヶ月日の出から日の入まで、太陰暦なので毎年違う、辛い経験は貧困層の事を考えさせる、宗教意識が高まる)、メッカ巡礼(一生1度、白い布、全員が神の前で平等) ⚫︎妻は四人まで持てる。「(戦争で父親がいない子供のために)孤児に公正にしてやれそうにない時は、誰か気に入った女をめとるといい」と言っているだけ。結婚時に「妻は1人だけ」という契約を結ばせる女性が増えている。 ⚫︎女性のベールは、男の好奇の目から守るため ⚫︎シーア(党派)派はムハンマドの血筋。スンニ派(慣習スンナ)血筋関係なく教えにもとずく慣習に従うという意味、ムハンマドの言行録「ハディース」をまとめる。 (あとは省略) 2017年11月9日読了

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2017/10/04

本好きとしてはどんな本がエントリーされているのだろうと、興味津々で手に取る。池上さんの本は分かりやすく勉強になるので好きだし。本を見てみて、10冊で挙げられてはいるのはほぼちゃんと読んだことのない本だが、実際に読む気にはなれず。池上さんの解説で勉強させてもらう。 【学】 アンネ...

本好きとしてはどんな本がエントリーされているのだろうと、興味津々で手に取る。池上さんの本は分かりやすく勉強になるので好きだし。本を見てみて、10冊で挙げられてはいるのはほぼちゃんと読んだことのない本だが、実際に読む気にはなれず。池上さんの解説で勉強させてもらう。 【学】 アンネの日記 聖書 コーラン プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 資本論 イスラーム原理主義の「道しるべ」 沈黙の春 種の起源 雇用、利子および貨幣の一般理論 資本主義と自由 聖書  旧約聖書:(古い契約)ユダヤ教聖典  モーセの出エジプトその際に神はユダヤの民に対し守るべき「十戒」を授け、済む土地として「カナンの地」(現イスラム)を与えた。これが契約  新約聖書:(新しい契約)人間と神の間で新しい契約が結ばれた。これに対して、キリストはユダヤ人として生まれたが、ユダヤ教の改革運動をする。このためユダヤ教徒の怒りを買い、十字架にかけられる。キリストの言行をまとめたものが新約聖書 コーラン  イスラム教教典。旧約聖書、新約聖書後人間は神の言いつけを守らないので、神は最後の預言者に「ムハンマド」を選び、言葉を伝えた。コーランは神がムハンマドに語りかけた言葉をそのまま記載した書物 ケインズ 乗数効果 最近の研究でピラミッドは農閑期の働き場所確保という景気対策だったという事が分かってきました

Posted byブクログ

2017/10/02

あげられている10冊全て読破したような気にさせる本だった。特に「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」は労働者と宗教との関係がよく分かり面白かった。しかし、「アンネの日記」の海外に与えた影響で池上さんが述べたことに関しては少し疑問に思う。

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2017/09/04

あまりにも有名だけれども、自分では絶対読まない(読めない)本に、池上さんの力を借りて触れてみた。 宗教については非常に分かりやすい。経済については短く、丁寧にまとめられているも、私には難しく、読むのがなかなか辛かった。 宗教・科学・経済、全てが結びついている。取り上げられた本の順...

あまりにも有名だけれども、自分では絶対読まない(読めない)本に、池上さんの力を借りて触れてみた。 宗教については非常に分かりやすい。経済については短く、丁寧にまとめられているも、私には難しく、読むのがなかなか辛かった。 宗教・科学・経済、全てが結びついている。取り上げられた本の順番もこれしかないと思わせる一冊。 アンネの日記 聖書 コーラン プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 資本論 イスラーム原理主義の「道しるべ」 沈黙の春 種の起源 雇用、利子および貨幣の一般理論 資本主義と自由

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2017/08/25

書評でもなく宣伝でもなく、内容を簡単な言葉で分かりやすく伝える文章力にまずは感激。 テレビの'(CMの後で)みたいな手法ではなく、紹介した本の本質を伝えることで好奇心をくすぐり、より深く知りたくなるような仕立てに感激。 本の紹介ってこういう風にするんだなという、お手本の...

書評でもなく宣伝でもなく、内容を簡単な言葉で分かりやすく伝える文章力にまずは感激。 テレビの'(CMの後で)みたいな手法ではなく、紹介した本の本質を伝えることで好奇心をくすぐり、より深く知りたくなるような仕立てに感激。 本の紹介ってこういう風にするんだなという、お手本のようだ。 もちろん取り上げた10冊は、簡単にはまとめきれないような内容の本だからこそ、これが成り立つのだけれど。

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2017/07/31

紹介されてる本はどれも、歴史を作った本であることは確かだと思う。 我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか。

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2017/07/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ベスト10という訳ではないが、当該10冊の本が世界に大きな影響を与えたという事実が、分かりやすく解説されている。 1 『アンネの日記』アンネ・フランク(オランダ) 2 『聖書』 3 『コーラン』 4 『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』マックス・ウェバー(ドイツ) 5 『資本論』カール・マルクス(イギリス) 6 『イスラーム原理主義の「道しるべ」』サイイド・クトゥブ(エジプト) 7 『沈黙の春』レイチェル・カーソン(アメリカ) 8 『種の起源』チャールズ・ダーウィン(イギリス) 9 『雇用、利子および貨幣の一般理論』(ジョン・M・ケインズ) 10 『資本主義と自由』ミルトン・フリードマン(アメリカ) 改めて、10冊を列挙してみると、宗教的・経済的思想が人を動かすのだが、それを広めるのに『本』という媒体が強い力を持っているのだなぁということに気付かされる。結果として、当該10冊が『世界を変えた』のだ。 原書を読んでみたい。

Posted byブクログ