注文の多い注文書 の商品レビュー
不思議なストーリー。次読むまでに、モチーフとなった本を読んでおく 著者は 本の読み方、娯楽としての読み方ではなく、読み手と本との接点の作り方を 伝えたかったのではないか
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小説らしい小説。様々な企みが随所に散りばめられていて、引き込まれる。 人体欠視症治療薬 川端康成の『たんぽぽ』が源泉に。 バナナフィッシュの耳石 J.D.サリンジャーの『バナナフィッシュにうってつけの日』が源泉に。 貧乏な叔母さん 村上春樹『貧乏な叔母さんの話』が源泉に。 肺に割...
小説らしい小説。様々な企みが随所に散りばめられていて、引き込まれる。 人体欠視症治療薬 川端康成の『たんぽぽ』が源泉に。 バナナフィッシュの耳石 J.D.サリンジャーの『バナナフィッシュにうってつけの日』が源泉に。 貧乏な叔母さん 村上春樹『貧乏な叔母さんの話』が源泉に。 肺に割く睡蓮 ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』が源泉に。 冥途の落丁 内田百閒『冥途』が源泉に。 最後の『冥途の落丁』にだけ、受領書がなく、読者に受領書を委ねられたのだろうか、とさえ思えてくる。
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「もの言わぬ物たちの物語 」 「人体欠視症治療薬」「バナナフィッシュの耳石」「貧乏な叔母さん」「肺に咲く睡蓮」「冥途の落丁」と5つの小説にまつわる品物が、小川洋子の「注文」に応え、これまでも「ないもの」も「あります」として数々の品物を提供してきたクラフト・エヴィンク商會によって...
「もの言わぬ物たちの物語 」 「人体欠視症治療薬」「バナナフィッシュの耳石」「貧乏な叔母さん」「肺に咲く睡蓮」「冥途の落丁」と5つの小説にまつわる品物が、小川洋子の「注文」に応え、これまでも「ないもの」も「あります」として数々の品物を提供してきたクラフト・エヴィンク商會によって「納品」されていく。 川端康成『たんぽぽ』 J.D.サリンジャー『バナナフィッシュにうってつけの日』 村上春樹『貧乏な叔母さんの話』 ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』 内田百閒『冥途』 実際に存在するこれらの小説にまつわる品物が発注者・小川洋子と受注者・クラフト・エヴィング商會の間にまず概念として存在することを前提とし、発注者の話に呼応して受注者が件の品物を探し出すと、それを受けて受領書が書かれ、最終的にそこにはひとつの物語が生まれていく。 いつもながら、この話もしや真実?と楽しい錯覚に陥るクラフト・エヴィンク商會による挿入写真によって、今回もこれらの品物は仮想の世界にいくばくかの現実味を帯びながら読者の前に提供されている。 ただ、本書が他のクラフト・エヴィング商會の作品と違うところは、どの品物もなにがしかの「死の香り」をまとっていることだ。しかしそれが決してオカルティックなものではなく、静寂の中に溶け込むもの哀しさとして立ち現れているのは、「物」という、もの言わぬものがそれぞれの物語の主役となっているせいなのか。 巻末で吉田浩美の、どうして物語の「もの」って「物」なんだろう、人間の「者」じゃなくて、という疑問に答え吉田篤弘が、きっと「物」のほうが物語を知っている、という話には得心がいった。 提供される品物にいわく言い難い何かを感じるのは、そうした感性をもつ彼らによって生み出されたものだからなのだろう。
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小川洋子さんが「じつは、昔、読んだ本に出てきたものなんですがー」と「ないもの」を注文書で注文し、クラフト・エヴィング商會が品物を見つけて納品書を送る。人体欠視症治療薬、バナナフィッシュの耳石、貧乏な叔母さん、肺に咲く睡蓮、冥途の落丁。企画から完成まで9年かかった本著。「時間をかけ...
小川洋子さんが「じつは、昔、読んだ本に出てきたものなんですがー」と「ないもの」を注文書で注文し、クラフト・エヴィング商會が品物を見つけて納品書を送る。人体欠視症治療薬、バナナフィッシュの耳石、貧乏な叔母さん、肺に咲く睡蓮、冥途の落丁。企画から完成まで9年かかった本著。「時間をかける」というエネルギーを使えば、「ない」から「ある」に辿り着ける。
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小川洋子とクラフトエヴィング商會の合作。 なんて自分向きなコラボだろうかと興奮して本を開いた。 期待しすぎた分、落胆は大きかった。 巻末で小川洋子も言っている通り、発注者は皆前置きが長い。 それでも展開にバリエーションがあればいいけれど、展開がどれも一辺倒で、とにかくくどい。...
小川洋子とクラフトエヴィング商會の合作。 なんて自分向きなコラボだろうかと興奮して本を開いた。 期待しすぎた分、落胆は大きかった。 巻末で小川洋子も言っている通り、発注者は皆前置きが長い。 それでも展開にバリエーションがあればいいけれど、展開がどれも一辺倒で、とにかくくどい。 依頼人全員別人なのに、口調も個性がなさすぎた。 楽しめたのは始めの話くらい。 最後の話、落丁が1ページ(1枚?)だけ起こるのも疑問で、あの話はよく分からなかった。 製造段階ではなく、古くなって一枚だけ破れて…というなら分かるんだけど、回収のくだりを読むとそうではないらしいし。混乱した。 普通本を作る時、布団くらい大きな1枚の紙を何度か折り、表裏十数ページ分になった物を1つの折丁と数える。 その折丁を幾つか重ね製本するから、落丁というなら何ページか抜け落ちてないと不自然ではと、話に身が入らなかった。 不思議さを出すために書かれたとしてもモヤるなあ。 クラフトの返しはさっぱり読みやすいが無味無臭、作品写真もイマイチ胸踊らない出来。 古臭く加工してクシャッとさせただけみたいな…もっと見た目にひねりが欲しい。 少なくとも以前読んだ『どこかへいってしまったものたち』では、もっと象徴的な何かがあった。 標本は茶色の殻とか屑の寄せ集めみたいで特に残念だった。 初版第1刷 106ページ7行目「読書」は「読者」の誤字か。 この作品は、現存する本をモチーフにしているため、元ネタを知っていたらもっと楽しめたのだろうか。 私はどの作品も未読だ。 『うたかたの日々』は読んでみたいと思った。
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短編5幕。『人体欠視症』『バナナフィッシュの耳石』『貧乏な叔母さん』『肺に咲く睡蓮』『冥途の落丁』 小川洋子が発注書を書き、クラフト・エヴィング商會が納品(テキスト&写真つき)し、納品書を小川洋子が書く。 だいたいの注文が本や作家にまつわる「この世にないものを探してくる」ことで、注文をうけたクラフトは古今東西、時空を超えて探してくるという、筋書きのないシナリオのやりとり。 なんと素敵な本なのか。 注文のテキストも、納品された品々の写真とテキストも、どこか一筋縄ではいかない荒々しさを抱えているのに、どこまでも静謐さを貫くかんじ。良い。
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あるということを証明するのは簡単だけど、ないということを証明することはできない。肺に咲く睡蓮が好み。小さな肋骨とそれに空いた穴が、この世にあるものみたいに、ちゃんと想像できた。
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これはちゃんと単行本で買わなくちゃ!と思っていた本。 クラフト・エヴィング商会大好きなので。 表紙の標本箱の回が一番好みでした。いいよねぇ。
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小川洋子さんとクラフト・エヴイング商會の共著。 都会の中の引き出しの奥のようなところにある街区で、駄菓子屋を曲がり、木製の電信柱をやり過ごし…そんな世界にある、クラフト・エヴイング商會。 看板には「ないもの、あります。」 誰がやってくるのだろう…と、思うけれど、必要としている...
小川洋子さんとクラフト・エヴイング商會の共著。 都会の中の引き出しの奥のようなところにある街区で、駄菓子屋を曲がり、木製の電信柱をやり過ごし…そんな世界にある、クラフト・エヴイング商會。 看板には「ないもの、あります。」 誰がやってくるのだろう…と、思うけれど、必要としている人ならここにたどり着けるのだろう。 本の中にあるものを求めた5人のひとがここを訪れる。 川端康成「たんぽぽ」より、人体欠視症治療薬。 J・D・サリンジャー「バナナフィッシュにうってつけの日」より、バナナフィッシュの耳石。 村上春樹「貧乏な叔母さんの話」より、貧乏な叔母さん。 ボリス・ヴィアン「うたかたの日々」より、肺に咲く睡蓮。 内田百間「冥途」より、冥途の落丁。 小川洋子さんの静謐な文章と、クラフト・エヴイング商會が見つけ出してきたものたちの写真と、とても楽しく読んだ。
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CE商會と小川洋子のコラボ。本にまつわる商品の注文書と受領書を小川洋子が書き、納品書をCE商會が書くという方式。アイデアは面白い。本好きであれば、彼らがやろうとしている事や商品についてすぐに理解できるだろうが、全く知らなくても物語としては楽しめる。商品の写真も楽しい。しかし、CE...
CE商會と小川洋子のコラボ。本にまつわる商品の注文書と受領書を小川洋子が書き、納品書をCE商會が書くという方式。アイデアは面白い。本好きであれば、彼らがやろうとしている事や商品についてすぐに理解できるだろうが、全く知らなくても物語としては楽しめる。商品の写真も楽しい。しかし、CE商會の作品は愉快で陽気だが、小川洋子が加わることで路地裏の暗がりめいた、あるいは押し入れの隅っこのような和風の陰が差す。それが良いと言う人もあるだろうが、私はあまり好みではないため、星は3つになった。
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