注文の多い注文書 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
図書館より。 面白かった~(笑) やっぱりクラフトさんは不思議で、あるのかないのか分からない物を書かせると天下一品な気がする。 作中の本も読んでみたくなる。 小川洋子さんの作品は未読だが、機会があれば読んでみたい。
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小川洋子さんとクラフト・エヴィング商會のコラボレーション小説です。コラボ小説って実はあまり惹かれないと思うのですが、これは凄く凄く面白くて、読んでいる間ずっと幸せでした。 小川洋子さんの作品は何作か読んでいますが、クラフト・エヴィング商會のことは存在は知っていましたが、吉田篤弘さ...
小川洋子さんとクラフト・エヴィング商會のコラボレーション小説です。コラボ小説って実はあまり惹かれないと思うのですが、これは凄く凄く面白くて、読んでいる間ずっと幸せでした。 小川洋子さんの作品は何作か読んでいますが、クラフト・エヴィング商會のことは存在は知っていましたが、吉田篤弘さんの『という、はなし』しか読んだことがありませんでした。 過去の名作を下敷きにした5つの連作短編形式で、小川洋子さんがあり得ないものを注文するお客さんの不思議なお話を創作し、それに対してクラフト・エヴィング商會が「ないもの、あります」と品物を納品し、さらに小川さんがその後の物語を書く、という流れです。 case1 人体欠視症治療薬(川端康成『たんぽぽ』) case2 バナナフィッシュの耳石(サリンジャー『バナナフィッシュにうってつけの日』) case3 貧乏な叔母さん(村上春樹『貧乏な叔母さんの話』) case4 肺に咲く睡蓮(ボリス・ヴィアン『肺に咲く睡蓮』) case5 冥途の落丁(内田百閒『冥土』) わたくしどの名作も読んだことがありませんが、まったく問題なく楽しめました。もちろん、いずれ読もうと思った所存でありますが。いつになるやら。 どれが面白いかと選べないくらい、全作品に心を奪われました。前回読んだ『おとぎ話の忘れ物』に雰囲気は似ていて、こういう感じは好きだなぁ…としみじみ味わいました。なんと、9年もかけて作られたそうで。ていねいに作られたのだなぁ…とそこも感心いたしました。(じっくり読み過ぎて、たぶん誤植?を発見しました。汗) その流れで面白い読書ブログを発見したので、メモがわりにリンクを。。 http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2014/03/post-0ce5.html 小川さんの本もまだまだ全然読めてないけれど、吉田篤弘さんの本も読んでみたいと思ったので、死ぬまでに間に合うのか大変。
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装丁も写真も、イラストや言葉のひとつひとつが丁寧に選び抜かれたものだと分かる。 クラフト・エヴィング商會さんのお仕事。 「小説」というジャンルにとらわれない、素敵で不思議な「お話」の数々。 モチーフとなる本は、読んでないものは読みたいし読んだものももう一度読みたい。 「肺に...
装丁も写真も、イラストや言葉のひとつひとつが丁寧に選び抜かれたものだと分かる。 クラフト・エヴィング商會さんのお仕事。 「小説」というジャンルにとらわれない、素敵で不思議な「お話」の数々。 モチーフとなる本は、読んでないものは読みたいし読んだものももう一度読みたい。 「肺に咲く睡蓮」がとても好き。 ないもの、あります。 読みたいものも、きっとあります。
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クラフト・エヴィング商會の作品は単行本と文庫で変わってくることが多いので、なるだけ両方揃えるようにしている。 創作された写真一つで物語ががらりと表情を変えることを『クラウド・コレクター』で知ってしまった以上、値段を考慮して文庫だけというのは勿体ない。 本作は小川洋子さんの執筆とい...
クラフト・エヴィング商會の作品は単行本と文庫で変わってくることが多いので、なるだけ両方揃えるようにしている。 創作された写真一つで物語ががらりと表情を変えることを『クラウド・コレクター』で知ってしまった以上、値段を考慮して文庫だけというのは勿体ない。 本作は小川洋子さんの執筆ということで、誰も彼もが幸せという終わり方ではない。最初から、まさかな終わり方に切なくなってしまったが、読む手は止まらず。 ありそうで、あり得ない世界。 現実のようでなファンタジー世界。 クラフト・エヴィング商會の作品は癖になります。
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正直に告白すると、夫婦ユニットというクラフト・エヴィング商會について、恥ずかしながら何の知識もなかった。小川洋子さんが好きでこの作品を手に取った私は、すべてが作者の手による創作だと思っていた。何しろ、実在しないものを探すという設定が、作者の生み出すいつもの世界にあまりにもしっくり...
正直に告白すると、夫婦ユニットというクラフト・エヴィング商會について、恥ずかしながら何の知識もなかった。小川洋子さんが好きでこの作品を手に取った私は、すべてが作者の手による創作だと思っていた。何しろ、実在しないものを探すという設定が、作者の生み出すいつもの世界にあまりにもしっくりと馴染んでいるからだ。 「ないもの、あります」と謳ったクラフト・エヴィング商會に、5つの小説を元にしたあり得ないものを探すことを依頼する。その依頼書と受領書を作者が担当し、納品書を書くのが商會という一風変わった趣向である。 途中、探しだした実物(もちろん作り物)が写真で提示されているという手の込みようで、仕掛けられた嘘に心地よく落ち込んでしまう。 派手なストーリーだけを一気に読ませるようなガサツな小説が増えるなか、じっくりと一字一句を味わいながら楽しませてくれる作品は貴重だ。くらりとしためまいと共に、ほんの少しだけ異世界に入り込んでしまうような錯覚を覚える。 贅沢で上質な世界を堪能するために、ゆとりのある夜中に1日1編ずつ、丁寧に読み込みたい作品だ。
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この世にないもので欲しいものが私にあるだろうか。この世にないものだから、そもそも欲しいと思えない。想像もつかない。 けれどこの本の中には確かにこの世にはないけれど欲しいものが詰まっている。 自分では絶対に思いつかない宝物が収められたこの本を大事にしたい。 2014.12.9
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古今の小説・創作作品中に出てくる何かしらの小道具/ものについて(例えばバナナフィッシュとか)、小川洋子がそれを求める発注者側のストーリー=注文書パートを書き、それにクラフト・エヴィング商會が実際にものを用意するパートが書かれ、それに対するさらなる小川洋子による発注者のエピソードが書かれる、という形で続いていく連作。 クラフト・エヴィング商會がクラフト・エヴィング商會として作中に出てくる作品で、かつイラストだけでなく実際の「もの」が出てくる奴は鉄板、と再認識するに至る。これはよいものだ。
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創造の名手が出会って生まれた、たのしい一冊。小川洋子の文章とクラフト・エヴィング商會の作品は絶妙に合う!今度は小川作品の中に登場する「この世にないもの」をみたい。
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読書&ジャズ師匠から貸し出された。おもしろかった!差し出されてその場で一気読み。クラフト・エヴィング商會の本は「好きだけどなんかパワーが必要で読むのに時間がかかる」パターンが多いけど、共著だからかさくっと楽しめた。元ネタ五編(川端康成『たんぽぽ』、サリンジャー『ナインストーリーズ...
読書&ジャズ師匠から貸し出された。おもしろかった!差し出されてその場で一気読み。クラフト・エヴィング商會の本は「好きだけどなんかパワーが必要で読むのに時間がかかる」パターンが多いけど、共著だからかさくっと楽しめた。元ネタ五編(川端康成『たんぽぽ』、サリンジャー『ナインストーリーズ』、村上春樹『貧乏な叔母さんの話』、ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』、内田百閒『冥途』)の中では『冥途』のみ既読。その分もあってcase5『冥途の落丁』は一段とどきどきした。全部既読だったらもっと楽しめたかも。
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表紙の作品を見て一目惚れして借りた小説。 表紙の「肺に咲く睡蓮の標本」と「冥途の落丁」が好き。そして、「貧乏な叔母さんの話」も。 古ぼけてて、薄暗くて、でもどこかキンと澄んでいる。 そんな少し切なくて不思議な本。
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