注文の多い注文書 の商品レビュー
『Webちくま』連載の単行本。単行本化にあたり書き下ろしが2篇収録されている。 元になった短篇があり、それをモチーフにストーリーを膨らませて行くというユニークな手法がとられている。 各短篇でモチーフになっているのは、川端康成『たんぽぽ』、サリンジャー『バナナフィッシュにうってつけ...
『Webちくま』連載の単行本。単行本化にあたり書き下ろしが2篇収録されている。 元になった短篇があり、それをモチーフにストーリーを膨らませて行くというユニークな手法がとられている。 各短篇でモチーフになっているのは、川端康成『たんぽぽ』、サリンジャー『バナナフィッシュにうってつけの日』、村上春樹『貧乏な叔母さんの話』、ヴィアン『うたかたの日々』、内田百閒『冥途』の5篇だが、『冥途』をモチーフにした『冥途の落丁』が一番面白かった。 文中にあるよう、『境界に足を取られてしまう』ではないが、内田百閒は確かに虚実の境界が曖昧になるような読書体験が出来る。
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