東京百景 の商品レビュー
エッセイってこんなに面白いのか、と思った。 単純に好きな人の書いた作品だからだろうか 自分もエッセイを書いてみたいと思った そういえば本谷有希子さんの「かみにえともじ」を最後まで読んでない 三 日比谷野外音楽堂の風景 くるりの「東京」と自分の関係性を書く 日比谷野外音楽堂で観...
エッセイってこんなに面白いのか、と思った。 単純に好きな人の書いた作品だからだろうか 自分もエッセイを書いてみたいと思った そういえば本谷有希子さんの「かみにえともじ」を最後まで読んでない 三 日比谷野外音楽堂の風景 くるりの「東京」と自分の関係性を書く 日比谷野外音楽堂で観たくるりのライブの話を書く 芸人として音楽堂に立った自分の話を書く 五 東郷神社 本当は喋るはずがない亀の銅像と相談・対話していることが面白い 八 舞浜の踊り 「舞浜」はアメリカのディズニーランドがある「マイアミ」に由来している 十一 久我山稲荷神社 若い女性が顔を地面に近付け眉間に皺を寄せていた。 遠くから見ると地球に喧嘩を売っているようだった。 十二 原宿を歩く表情達 僕の先祖が、彼の先祖の服装を馬鹿にしたなどの因縁があるのだろうか。 (大声で又吉のファッションを褒める店員に対して) よくある「末代まで祟ってやる!」という文句を思い出した。 僕は原宿が好きだが、原宿は僕のことが嫌いらしい。 →気持ちの一方通行・すれ違い 六十二 汐留の大通りに面したコンビニエンスストア 近所を散歩してたら、ACミラン対ローソンみたいなユニホームのチームがサッカーをやっていた。もちろんローソンを応援した。コンビニに対する思い入れがサッカーファンである自分を越えた瞬間だった。 色々あった一日の帰り道に、近所のコンビニに立ち寄り、店内に流れていた曲がエンディング曲のように聴こえたりする。 →高校2年生のときに学校の前にコンビニができた。そのときの夏に毎日アジカンの「ブルートレイン」が流れていて、自分の中で青春の一曲であることを思い出した。 七十六 池尻大橋の小さな部屋 夏なのに熟していない実が落ちたことに少し心が動いた。そういえば最近感動してないなと思った。 八十五 麻布の地下にある空間 囲いを意識した途端に自分を落とし込もうとする意識が生まれる。 九十 六本木ヒルズ展望台からの風景 「血が吹き出すかもしれない」ではなく、「血が吹き出しそう」という感覚で心に迫るから無視もできず、
Posted by
18歳で上京してから今に至るまでを、東京の百景になぞらえて描くエッセイ。 今一番気になる人物であるピース又吉氏。小説も気になるのですが、まずはこちらから。 全ての物ごとに対して真摯な目を持ち、自らを少し離れたところから見つめる目を持つ。それは自意識の大きさから為すものと本人も述べ...
18歳で上京してから今に至るまでを、東京の百景になぞらえて描くエッセイ。 今一番気になる人物であるピース又吉氏。小説も気になるのですが、まずはこちらから。 全ての物ごとに対して真摯な目を持ち、自らを少し離れたところから見つめる目を持つ。それは自意識の大きさから為すものと本人も述べられていますが、自己がある故に他者があり、自己が膨れるだけ、他者も膨らむのでしょう。 自意識が膨張しパチンとはじける時に見せる色彩が実に美しく、このエッセイの魅力になっています。作為的になり過ぎない文体で「世間」とのズレを描き、そのズレが笑いへと繋がっています。 またこれは夢を抱いて上京してきた若者が、挫折を繰り返しなから一歩一歩進んで行くという王道の基盤が成されているところも面白い。王道を敷きながら、それを外して書き綴る。そこのズレもまた笑いへと繋がる。 ピースのお笑いを見たことがないのですが、これを読んで興味を持ちました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
又吉さん。しばらくは「気持ち悪い感じの人」と思っていたが、NHK Eテレの「今日の選択」と言う歌を見たら好感を持つようになった。 そしてこの本を読んで、いきなりものすごいファンになってしまった。 スゴイな、この人。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
又吉さんの文章が好きだ。 物静かな雰囲気の又吉さんの裡にある情熱が時折覗く文章に惹きつけられる。 人見知りで、少し臆病で、けれどとても太い芯の通った等身大の又吉さんの目を通した東京の風景。 それはそこに彼が確かに過ごしていた実感を伴っているゆえに、とてもやさしくて。 図書館で借りてきて、読んでいる途中からすでに、手放すには惜しい、そんな気持ちにさせられていた。 フィクションなのか、ノンフィクションなのか。 それがどちらでも、もはや構わなかった。 『池尻大橋の小さな部屋』 届かない後悔はあまりにも眩しくて、胸を締め付けられる。
Posted by
シュールっぽい作品の方がレベルが高いと思う。また「76 池尻大橋の小さな部屋」はこんな作品が書けるなら小説も良いものが書けるでしょう
Posted by
小説が話題になっているこのタイミングでエッセイ読了。 うううむ、さすが「太宰の生まれ変わりだと思っていた」だけのことはあるなあ。 言葉の紡ぎ方、さりげない日常から妄想へとすんなり変わっていくさま。 自分の思考や体験を上手に表したエッセイ、というより、文章で人を酔わせることを目的と...
小説が話題になっているこのタイミングでエッセイ読了。 うううむ、さすが「太宰の生まれ変わりだと思っていた」だけのことはあるなあ。 言葉の紡ぎ方、さりげない日常から妄想へとすんなり変わっていくさま。 自分の思考や体験を上手に表したエッセイ、というより、文章で人を酔わせることを目的としたプロの文学、という印象です。 「七十六 池尻大橋の小さな部屋」、後半の畳み掛けるような文章に、悔やんでも悔やみきれない思いがにじんでとても切ない。 「九十七 梅ヶ丘『リンキィディンクスタジオ』の密室」 、又吉さんにギブソンのレスポールを薦めたミュージシャンに心当たりがありすぎてとってもツボった。
Posted by
初めて読んだときは一気に引き込まれてしまって、以降枕元に置いといて、寝る前に一編だけ読んでみるなんてことを繰り返している一冊。 言葉一つ一つが柔らかくて、くすっと笑ってしまう話から思わず過去の自分に重ねてしまう話まで。
Posted by
一つ一つの物事に真摯に向き合っている人なんだなあと思った。 自意識の強さは読んでて自分を見ているようで恥ずかしくもあった。
Posted by
☆3.5 面白かった。本を好み言葉を大切にする筆者の「東京」が、綺麗にでも虚飾なく謙虚な姿勢で綴られる。
Posted by
やっぱり又吉の観察眼と文才はすごいなー。と。 体験した事と、妄想や創作が入り交じった「百景」。 面白かったー。
Posted by