東京百景 の商品レビュー
普段あまりエッセイ物は読まないけれど、この東京百景はなんだかエッセイと言うか不思議な物語の世界を覗き見たような感覚にはなった。 お笑い芸人としての笑いのセンスはもちろんだけど、又吉の文才がまた凄いなと感動した。 他の又吉の本も是非読んでみたいと思った。
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この人は、流されてないな。 ひとつ読んだら余韻が残るような文章ってすごいな。 余韻をぼんやり味わっていたらこころにほんのり灯りが灯っていたような、すごくいい文章だった。 この本の、片手におさまる佇まいが、より一層愛おしい。
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読書と散歩が趣味の又吉さんの視点で見る東京百景。近所であろう公園から始まり、散歩を終えてアパートに帰ります。 阿佐ヶ谷ロフト、BARルパン、神保町古書店街と、魅力的です。
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前回のエッセイ【第2図書係補佐】からすっかり又吉ファンです。苦手な太宰が読みたくなりました。東京八景を読んでみよう。又吉さんは芸人さん。モノクロ映画の喜劇王チャールズ・チャップリンの様なひとだ。どの景色も可笑しくも切なくほろ苦い。過去はいつでも苦くて甘いチョコレート。 八十五章...
前回のエッセイ【第2図書係補佐】からすっかり又吉ファンです。苦手な太宰が読みたくなりました。東京八景を読んでみよう。又吉さんは芸人さん。モノクロ映画の喜劇王チャールズ・チャップリンの様なひとだ。どの景色も可笑しくも切なくほろ苦い。過去はいつでも苦くて甘いチョコレート。 八十五章 麻布の地下にある空間 想像力が欠落した豚は黙っていろ! うん。イラッとした時に私も胸中で叫ぼうw 蛙跳びアッパーの如く暴言を。
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「心の琴線に触れる」 そんな言葉でしか表せない感覚をこの本の、ある一行で感じた。 この人が紡ぐ言葉には力はなく、無力感や劣等感、卑屈なユーモアに溢れてる。 そんな言葉たちが、ふいに心に触れてくる。 東京をゆっくりと歩いていて、素敵な景色を見つけた時のように、 彼の言葉の前で、...
「心の琴線に触れる」 そんな言葉でしか表せない感覚をこの本の、ある一行で感じた。 この人が紡ぐ言葉には力はなく、無力感や劣等感、卑屈なユーモアに溢れてる。 そんな言葉たちが、ふいに心に触れてくる。 東京をゆっくりと歩いていて、素敵な景色を見つけた時のように、 彼の言葉の前で、時折ふと、立ち止まって動けなくなってしまう。 それぞれの心の琴線に触れる場所が、彼が描く「東京」のどこかに、きっとある。
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筆者のファンである友人から借りた。 すっかりわたしも好きになった。 器用で不器用なひとなんだろう、と 勝手に想像しながら読んだ。 文章の器用さゆえに、中に出てくる自身の不器用さがよりいっそう鮮やかになっているようにおもう。 「自意識って不死身なんやね。」 エレキギター、ギュイ...
筆者のファンである友人から借りた。 すっかりわたしも好きになった。 器用で不器用なひとなんだろう、と 勝手に想像しながら読んだ。 文章の器用さゆえに、中に出てくる自身の不器用さがよりいっそう鮮やかになっているようにおもう。 「自意識って不死身なんやね。」 エレキギター、ギュイーーーンのあとのぽそりとしたひとこととかよかった。 何度読んでも「七十六 池尻大橋の小さな部屋」はせつない。
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この本を買ったのは今年の4月、春のうららかな日。 読み終わったのは今年の8月、夏なのにとても寒い朝だった。 この本は買ってからずっとベッドの上にあって、眠れない時や朝早く起きすぎた日に枕元のライトをつけて読んだのです。 だから私にとってこの本の風景はベッド。 「池尻大橋の小さな...
この本を買ったのは今年の4月、春のうららかな日。 読み終わったのは今年の8月、夏なのにとても寒い朝だった。 この本は買ってからずっとベッドの上にあって、眠れない時や朝早く起きすぎた日に枕元のライトをつけて読んだのです。 だから私にとってこの本の風景はベッド。 「池尻大橋の小さな部屋」 又吉は本当にこの彼女のことが好きだったのだな、と思う。よく話してるし、よく書いてるよね。 だけどこの風景で泣いてしまった。又吉にも後悔の日々があったんだな。又吉はそんな日々ばかり持っているのかな。 毎日が自意識の戦い。 考えすぎる悪い癖。 だけどそんな又吉だから、ただの風景をこんなに美しくおもしろく哀しく、書くことができたのだと思います。
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又吉さんの文章を読んでいると、自分でもわからないけど、なぜか無性に引き込まれてしまうのです。自分とはまったく違う人生、感性、自分が共感するところばかりではないのに、おもしろくて目が離せない。 それは、本を読むたびに自分がいったん死ぬという強烈な読書体験かもしれないし、芸人として歩...
又吉さんの文章を読んでいると、自分でもわからないけど、なぜか無性に引き込まれてしまうのです。自分とはまったく違う人生、感性、自分が共感するところばかりではないのに、おもしろくて目が離せない。 それは、本を読むたびに自分がいったん死ぬという強烈な読書体験かもしれないし、芸人として歩んできた姿かもしれないし、又吉直樹という一人の青年の生き方かもしれない・・・。 まだまだ本を書いてほしい。きっとまた手に取ってしまうと思います。
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とても不思議な感触のエッセイ。 現実と妄想が入り混じった又吉さんの東京がここにある。 「二十五 ゴミ箱とゴミ箱の間」とか東京か?というテーマの回もあるけど、東京だからそんなことも気になるのかもしれない。よく知らないけど。 この本の裏テーマは「自意識の恐ろしさ」ではないかと思う。...
とても不思議な感触のエッセイ。 現実と妄想が入り混じった又吉さんの東京がここにある。 「二十五 ゴミ箱とゴミ箱の間」とか東京か?というテーマの回もあるけど、東京だからそんなことも気になるのかもしれない。よく知らないけど。 この本の裏テーマは「自意識の恐ろしさ」ではないかと思う。 又吉さんの過剰な(ご本人談)自意識について繰り返し語られていて、それがまるで催眠術みたいにじわじわと効いてくる。 自分の一挙手一投足が白々しく思えたり、なんかこっぱずかしかったりし始める。 困った…。 一度見失うと何が自然なのか分からなくなる。 感染力「強」。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ずるいなあ。才能ないとか自分でいいながら、こんなにおもしろい文章書いて。 もっともっと又吉さんの書くものを読みたいよ!いっぱい本出してほしい。 切なかったり笑えたり、日々少しずつ読むのにおすすめです。図書館で借りたけど、装丁もらしくて良いので買おうかなあ。 「地図に生き方まで記されていたら楽なのに」 「やりたいことと、やるべきことの狭間で葛藤することを正当な苦悩だと信じて甘えていた」 「自意識って不死身なんやね」
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