東京百景 の商品レビュー
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芥川賞を受賞して今話題の又吉さん。受賞作は母が買って、次読む約束をしていて、こちらは東京に来てからの百の風景を描いたエッセイだが、ちょっと立ち読みしたら「おもしろうそう」と思えて、友達との待ち合わせの合間に立ち寄った本屋で購入を決めた。 芸人さんだから、ではなく、物事をちょっと斜めから見たり、不思議な発想は本人が持っている才能でしょう。そして、随所に文豪にまつわる話あり、本当に本好きなのですね。 そんな又吉さんがどんな話を紡ぐのか気になる作品です。期待が大きすぎるとよくないかなぁ。
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「ふ〜んよくわからないけど、又吉さんって、最近よく聞く名前だなあ。人気なんだなあ」と思いながら本著を手にとり、内容のあまりの薄暗さに店頭で立ち読みをやめられなくなって半年。ちまちま読み進めて読了しました。 すごい。サッカーでインターハイに行くという、最強の爽やかステータスをもって...
「ふ〜んよくわからないけど、又吉さんって、最近よく聞く名前だなあ。人気なんだなあ」と思いながら本著を手にとり、内容のあまりの薄暗さに店頭で立ち読みをやめられなくなって半年。ちまちま読み進めて読了しました。 すごい。サッカーでインターハイに行くという、最強の爽やかステータスをもっているのに、死神って呼ばれたり、職質されたり、太宰治の文章が好きすぎて食べちゃったり、す、すごい。暗い。。嫉妬心がわかない。。。 時折はいる突飛な妄想部分もおもしろい。電車の中でにやけちゃって口元をかくしました。中央線沿いの地名が多くとりあげられているのも、今自分がいる東京と重なったということがあり、たのしく読めた理由のひとつだと思います。 東京で自分を見失っているすべての人にやさしい本なんだと思います。
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又吉さんの日常の切り取り方がものすごく好き。 本当は私たちの周りにもこんな日常はあるのだろうが、 それに気づくか気づかないか、気づいてもこんなに上手に切り取れないか。 過去か未来か現在か、空想か現実か、すべての輪郭があいまいで、でもすべてこの世界なのだろうと。 少し世界を見る目が...
又吉さんの日常の切り取り方がものすごく好き。 本当は私たちの周りにもこんな日常はあるのだろうが、 それに気づくか気づかないか、気づいてもこんなに上手に切り取れないか。 過去か未来か現在か、空想か現実か、すべての輪郭があいまいで、でもすべてこの世界なのだろうと。 少し世界を見る目が変わった一冊。
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99番目が一番心に響いた 今時の人として注目される彼だが、やはり苦悶していた時期をこの本を読めばわかる 私は彼よりも年は上だが、こういった感覚になることはほとんどない。 受賞されるべくして、受賞したのでしょう。
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東京を歩くと浮かんでくる想像の情景も書いたとのことですが、又吉さんの目と自意識を通して見た情景はとてもユーモラスでしずかで、この本で出会った東京はとても好きです。 これからもしずかに散歩を楽しめる日常であることを、心より願っております。
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装丁がシブすぎるもので、 パッと見、いつの本読んでるんだかと言う感じ。 文章が飾らなくて素直で、 でも村上春樹の比喩の美しさみたいな、 胸にぐっとくるような表現がときどきあって。 すごい! すぐ好きになった。 芥川賞、どうだろうね? 友達を選ぶ基準が気持ち悪さがあるか...
装丁がシブすぎるもので、 パッと見、いつの本読んでるんだかと言う感じ。 文章が飾らなくて素直で、 でも村上春樹の比喩の美しさみたいな、 胸にぐっとくるような表現がときどきあって。 すごい! すぐ好きになった。 芥川賞、どうだろうね? 友達を選ぶ基準が気持ち悪さがあるか。 西加奈子が好き。 ナンパした?彼女との切ない顛末。 私も好きな東京で、作者がびんぼーな下積み生活を送る 中でみた景色。 変な人が周りに集まってくることと 妄想力が半端ないことを理解。 そして職質に次ぐ職質。 おもしろいなぁ。
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お笑い芸人 ピースの又吉直樹氏による、東京を舞台にした自伝的エッセイ。独特な着眼点と視点から書かれた文章に心を奪われる感じがする。東京という地には2回しか行った事がないため、情景をリアルに想像する事は難しいのだが、又吉氏のリアリティー溢れる文章を呼んでいるとちょっとだが、東京の風景が浮かぶ。
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「火花」を読んだときも思ったけれど とても、書きたいことたくさんあって、 溢れだしている感じがして、 文字と文字の間が文字で埋まっている。 これから、削って、捨てて、集めて、積み上げて もっと、洗練されていくんだろうなぁ 。 彼の百景は彼だけの東京。人の数だけ東京がある。 ちょ...
「火花」を読んだときも思ったけれど とても、書きたいことたくさんあって、 溢れだしている感じがして、 文字と文字の間が文字で埋まっている。 これから、削って、捨てて、集めて、積み上げて もっと、洗練されていくんだろうなぁ 。 彼の百景は彼だけの東京。人の数だけ東京がある。 ちょっと、切なくて面白い、いいエッセイでした。 10代でなれるかどうかもわからない芸人になるために 東京に行くと言った彼を、送り出したお母さん。 小包のお話も、お母さんの気持ちが痛いほどわかる。 千葉の夢の国へお姉さんと行くお話も意外と好き。 そいういうことも彼の百景を作る一つのエピソード。
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読んでいて情景が浮かんでくる。古いアパートや寂れた街角や夜の神社。自分が昔、東京やその近郊に住んでいた日々のことを思い出した。笑えるのにふと寂しくなる。そんな日々が東京にはあった。魂を吸う遊びのくだりはネタで知っていたのに爆笑した。又吉さんの人柄が滲み出た滋味豊かな作品。
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ここ最近又吉さんの著作を片っ端から読んでます。読めば読むほど好きになってしまいます。もうだいぶ彼の人生に詳しくなったはず。笑 家族、よしもとの後輩芸人さんたち、昔の彼女、現在の相方、名だたる文筆家さんたち…とのエピソードがたくさん。 私も好きな作家さんである西加奈子さんとのエピ...
ここ最近又吉さんの著作を片っ端から読んでます。読めば読むほど好きになってしまいます。もうだいぶ彼の人生に詳しくなったはず。笑 家族、よしもとの後輩芸人さんたち、昔の彼女、現在の相方、名だたる文筆家さんたち…とのエピソードがたくさん。 私も好きな作家さんである西加奈子さんとのエピソードはよかった。西さんも素敵な人だけどそれに対する又吉さんの純粋な反応も素敵で、なんか泣きそうになった。→61 阿佐ヶ谷の夜。 後輩と、すれ違う顔も名前も知らない人たちの魂をこっそり吸うという遊びをする→49 秋の夜の仙川。こういうしょうもないの大好き。 高校時代の友人とのエピソード→22 1999年、立川駅北口の風景。その友人が経済的な事情から学校を辞めざるをえなくなったとわかって、クラスメイトたちが勉強ができる有り難みを感じ、クラスの平均点が大幅に上がる。「皆凄く単純でアホだった」に心が震えた。 人柄が伝わってくるような、気取っていなくて簡潔で、でもそこかしこに思わず吹き出さずにはいられないようは仕掛けがたくさんで、本当にこの人の文章が好きです。自意識の塊ってよく自分で言っているけど、本当にそうだったらこんな文章は書けないんじゃないかなぁ。恥である部分をここまでさらけ出せるのも才能だと思う。 あ、くるりの『東京』は私も大好きな曲なので嬉しい。
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