東京百景 の商品レビュー
同時進行で読んでいたからかもしれないが、又吉の書き方は、岸本佐知子さんのそれに似ている。日常的なことあるいは昔の自分の話から始まって宇宙のごとく妄想が膨らんでいくところ、シュールなオチ。そしてそれが全て淡々と語られていて、笑わせようとする「熱」を感じさせない。普通芸人が口を開けば...
同時進行で読んでいたからかもしれないが、又吉の書き方は、岸本佐知子さんのそれに似ている。日常的なことあるいは昔の自分の話から始まって宇宙のごとく妄想が膨らんでいくところ、シュールなオチ。そしてそれが全て淡々と語られていて、笑わせようとする「熱」を感じさせない。普通芸人が口を開けば、「あ、こいつ面白いこと言おうとしてるな」とこちらは構える。でも又吉の文章は、それが感じられないのだ。だから隙をつかれて笑わせられてしまう。又吉が芸人だということをつい忘れてしまう。 こんな芸人っていたんだなあ。しかも若手芸人で。みんな必死に笑わせようとしているのに、先輩芸人の無茶振りに「ちょっと待ってくださいよ〜!」と全力でリアクションを取っているというのに、こんなにクール(でもないな、シュール?クワイエット?)に若手芸人という職業を全うできる又吉はすごい。 売れっ子になって、本当に良かった。
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又吉さんの熱烈なファンというわけではないのだが、平積みをめくった瞬間この「東京」の世界観に引き込まれ、気づけばレジに立っていた。 文章から風呂なしアパートの軋み、湿っぽさ、侘しさが漂ってくる不思議。 ひとつの文学作品として面白い。 どうでもいいけど初版の日付が9月26日になっ...
又吉さんの熱烈なファンというわけではないのだが、平積みをめくった瞬間この「東京」の世界観に引き込まれ、気づけばレジに立っていた。 文章から風呂なしアパートの軋み、湿っぽさ、侘しさが漂ってくる不思議。 ひとつの文学作品として面白い。 どうでもいいけど初版の日付が9月26日になっていた。間違ってる。
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買ったことを後悔させないすばらしい本でした。 他人の人生に興味なんてなくても、このエッセイにはぐいぐい惹きこまれます。 あまりの切なさに胸が引き裂かれそうになるのは、時系列に沿って丁寧に並べられているせいで、彼の人生や想いを想像してしまうから。 「五日市街道の朝焼け」「羽田空港の...
買ったことを後悔させないすばらしい本でした。 他人の人生に興味なんてなくても、このエッセイにはぐいぐい惹きこまれます。 あまりの切なさに胸が引き裂かれそうになるのは、時系列に沿って丁寧に並べられているせいで、彼の人生や想いを想像してしまうから。 「五日市街道の朝焼け」「羽田空港の風景」「池尻大橋の小さな部屋」はこれから先一生読み返したい。
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爆笑したり、ほろりとしたり…東京にまつわる又吉さんの100の話。 エッセイかと思えば、小説が入り込んできたりする。 個人的に、76『池尻大橋の小さな部屋』がお気に入り*
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現実8割、虚構2割といったところだろうか. 著者の自意識過剰ぶりや生きることの不器用さが赤裸々に語られている. 切なくてシュールな雰囲気が全編を覆っているのだが、決して単なる暗さではなく、その暗さが反転して笑いと希望をもらえるような味わい深さがある. 芸人が片手間で書いた作品では...
現実8割、虚構2割といったところだろうか. 著者の自意識過剰ぶりや生きることの不器用さが赤裸々に語られている. 切なくてシュールな雰囲気が全編を覆っているのだが、決して単なる暗さではなく、その暗さが反転して笑いと希望をもらえるような味わい深さがある. 芸人が片手間で書いた作品では無いと思うのである.
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心底買ってよかった。 私が又吉さんのことを好きだと思うポイントがこの本の随所で裏付けられている。 「高円寺の風景」 悲しき哀愁は笑えるということ。 「梅ヶ丘~」 二重扉の間での行動のダサさと、強烈な共感。 「1999年、立川駅~」 何か絶対的な力にお前は違うだろ、お前が言うなと言...
心底買ってよかった。 私が又吉さんのことを好きだと思うポイントがこの本の随所で裏付けられている。 「高円寺の風景」 悲しき哀愁は笑えるということ。 「梅ヶ丘~」 二重扉の間での行動のダサさと、強烈な共感。 「1999年、立川駅~」 何か絶対的な力にお前は違うだろ、お前が言うなと言われているような恐怖心。 また、「東郷神社」の夜の訪れの表現でも見られるような表現力発想力は完全に小説家だ。
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買う予定じゃなかったのに、本屋で見つけて気づいたらレジに。笑 又吉さん本当に面白いなあ、と思いながら読みました。 文学フリマに一度行ってみたいです^^
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