蜩ノ記 の商品レビュー
昨日、映画「散り椿」を観て その余韻のまま 原作が手元になかったので 書棚にあったものを 改めて再読 葉室麟さんの描く こうあるべき「武士」像 いや 人間として こうあるべき 朴訥で 不器用だけれど、 清廉潔白 そして “凛"として 潔い 読んでいる途中 なんども...
昨日、映画「散り椿」を観て その余韻のまま 原作が手元になかったので 書棚にあったものを 改めて再読 葉室麟さんの描く こうあるべき「武士」像 いや 人間として こうあるべき 朴訥で 不器用だけれど、 清廉潔白 そして “凛"として 潔い 読んでいる途中 なんども 昨日観てきたばかりの 「武士像」を 勝手にかぶらせて 読み終えました
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限りある生命を如何にして締めくくるか、死を迎えるまでの日々の生き方を問う慟哭の時代小説である。徳川の閉ざされた武家社会に蠢く人々の宿命的な生き様が、哀切の情念で切々と綴られていく。人の心の気高さに、万感の想いが募ってやまない。
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限られた命とどう向き合い、いかに生きるか。 秋谷氏の生き様は淡々と、しかしその一本気は心に深く染み入る。 (秋谷氏の安定感に対し、庄三郎は一人前の武士として、少し頼りない印象もあったかな) この忙しない、物質的な現代社会を過ごす上で、そのような気概保ち続けることは難しいけれど、...
限られた命とどう向き合い、いかに生きるか。 秋谷氏の生き様は淡々と、しかしその一本気は心に深く染み入る。 (秋谷氏の安定感に対し、庄三郎は一人前の武士として、少し頼りない印象もあったかな) この忙しない、物質的な現代社会を過ごす上で、そのような気概保ち続けることは難しいけれど、心の片隅に置き続けたい清廉さ。
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時代小説はほとんど読んだことがなかったけれど、何となく惹かれて手に取る。手に取って正解。文章が美しく、読み応えあり。 登場人物が魅力的。秋谷の凛とした生き方、庄三郎や郁太郎の成長など… 裏事情が少しずつ明らかになっていくのは、推理物みたいに楽しめた。
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7月-19。4.0点。 羽根藩シリーズ。直木賞。 藩主の側室と江戸で一夜を過ごした咎で、藩史編纂を命じられた主人公。3ねM後に切腹が決まっている。監視役に命じられたもうひとりの主人公。 再読。面白い。さすが直木賞。 領民を思い、家族に対しても清廉である姿勢。 ラストもグッときた...
7月-19。4.0点。 羽根藩シリーズ。直木賞。 藩主の側室と江戸で一夜を過ごした咎で、藩史編纂を命じられた主人公。3ねM後に切腹が決まっている。監視役に命じられたもうひとりの主人公。 再読。面白い。さすが直木賞。 領民を思い、家族に対しても清廉である姿勢。 ラストもグッときた。
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10年後の切腹、それまでは家譜の編纂を命じられた藩士戸田秋谷。ある不祥事から彼を輔佐と監視することになった檀野庄三郎の視点で最後の3年が語られます。フィクションのはずなのに、実際にあった出来事のようにリアルに物語が流れ込んでくるのです。この時代、どれだけ人々が自分の命を賭していろ...
10年後の切腹、それまでは家譜の編纂を命じられた藩士戸田秋谷。ある不祥事から彼を輔佐と監視することになった檀野庄三郎の視点で最後の3年が語られます。フィクションのはずなのに、実際にあった出来事のようにリアルに物語が流れ込んでくるのです。この時代、どれだけ人々が自分の命を賭していろいろなことに向き合って行ったのか自分の大切な人を守り、信義を貫くためにどれだけ考え強くあったのかが痛いほど伝わってきました。「蜩ノ記」の意味、最後の一行。他にもたくさんの心打たれる言葉の詰まった大変読み応えのある本でした。
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歴史は鑑。よきことも悪しきことも記す。藩の歴史を記し、10年後に自害することになっている武士の一家と、監視役の男。ただ役割を果たしていく一家。
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読んでいて、登場人物から「澄んだ湖」を連想します。汚れまくりの溜池みたいな私も少しは清々しく生きてみたい。
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2019年3月12日読了。城内で不祥事を起こした庄三郎は、3年後に切腹を控えた武士・秋谷の監視を命じられ、その振る舞いに感化されていき…。第146回直木賞受賞作。理想化されたとも言える「武士とはどうあるべきか」「いかに生き、いかに死ぬか」みたいな話を清潔感を持って描く作品。うるっ...
2019年3月12日読了。城内で不祥事を起こした庄三郎は、3年後に切腹を控えた武士・秋谷の監視を命じられ、その振る舞いに感化されていき…。第146回直木賞受賞作。理想化されたとも言える「武士とはどうあるべきか」「いかに生き、いかに死ぬか」みたいな話を清潔感を持って描く作品。うるっとくるシーンもあり読後感はいいし、終盤庄三郎と郁太郎がとった行動は「えー、そういくんか?」と意外性もあったが、定められた結末に向かっていく物語は自分にはもう一つ物足りなかった…。自分の基準で正しく生きることで、不遇な目にはあっても最後には皆に分かってもらえるし、周囲を動かすことができる、と現実は必ずしもそうではないが、そう信じ続けることが大事か。映画の主演は岡田君のようで、ちょっと観てみたい。
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重かった。 秋谷のような清廉の人は切腹で中根のような小物ばかりが人の上に立つ。秋谷を信じられなかった前藩主も人間の器が小さい。 人の上に立つ者が人としての器が小さいというのは罪だな、と思わされる。 秋谷の生き方は自分にもそう生きられるのかと問われているような気がする。
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