蜩ノ記 の商品レビュー
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堀北真希が岡田君と共演 武士の生き様を見せる話なのである 小説も読んだ でも、堀北真希は可愛いで終わってる アタクシの記憶力はスゲエ (´・ω・`) 葉室家は公家であるが、葉室鱗は小説家
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切腹する日までの10年間、秋谷は正義を貫き通した。それ故に、その日、秋谷の死がもたらしたのは「彼への矜持」に他ならないのだろう。郡奉行を務めていた秋谷が40過ぎに家督争いに巻き込まれ、側室を救ったことで10年後の切腹を言い渡される。もう一人の側室の由緒の問題により切腹にまで話が拡大する。秋谷は10年間「家譜の編纂」を命じられ、その由緒を明らかにした。しかし、秋谷はそれを盾にして切腹を回避することはしない。秋谷の正義は憎しみの連鎖を断ち切ることにあったのだ。残された者が秋谷の生き様を証明するに違いない。
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こちらも上町63のマスターにご紹介いただいた作家さんの作品です。 映画化 役所広司 岡田准一 めちゃめちゃ良かった 付箋 ・疑いは、疑う心があって生じるものだ。心を変えることができるのは、心をもってだけだ。 ・この世に生を享けるひとは数え切れぬほどおりますが、すべてのひとが縁によ...
こちらも上町63のマスターにご紹介いただいた作家さんの作品です。 映画化 役所広司 岡田准一 めちゃめちゃ良かった 付箋 ・疑いは、疑う心があって生じるものだ。心を変えることができるのは、心をもってだけだ。 ・この世に生を享けるひとは数え切れぬほどおりますが、すべてのひとが縁によって結ばれているわけではございませぬ。縁で結ばれるとは、生きていくうえの支えになるということかと思います。あのように美しい景色を目にいたしますと、自らと縁のあるひともこの景色を眺めているのではないか、と思うだけで心がなごむものです。生きていく支えとはそのようなものだと思うております。 ・ひとは哀しいものです。たとえ想いが果たされずとも、生きてまいらねばなりませぬ。されど、自らの想いを偽ってはならぬと思うております。 ・友達のことは覚えとかんといけん。忘れないのが友達だ ・ひとは心の目指すところに向かって生きているのだ 心の向かうところが志であり、それが果たされるのであれば、命を絶たれることも恐ろしくはない。 ・未練がないと申すは、この世に残る者の心を気遣うてはおらぬと言っておるに等しい。この世をいとおしい、去りとうない、と思うて逝かねば、残された者が行き暮れよう ・若いころの思いを、ともに語れるひとがこの世にいてくださるだけでも嬉しゅうござる
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人は誰でも限られた時間の中で生きている 終焉は明日かもしれないし10年後あるいは50年後かもしれない もし明日命果てようとも恥ずかしくなく志も優しさも偽りなくありたいと思った 丁寧にひたすら言葉をつなぐ葉室麟の世界は居心地が良かった
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命を区切られた時に何を思い、いかに生きるのかという問いに、読み進めていく中で答えられる気がした。武士の覚悟を感じた、時代小説だった。
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恥ずかしながら、初めて作者の本を読んだのだが、これが面白かった!日本文学、侮るべからず。 私の中では、時代物にまた新たな傑作が。 百田尚樹「影法師」、冲方丁「光圀伝」、藤沢周平「蝉しぐれ」等に連なる名作でした。 ってことで、作者のことを調べてみたら、本作品を書いた5年後の2017...
恥ずかしながら、初めて作者の本を読んだのだが、これが面白かった!日本文学、侮るべからず。 私の中では、時代物にまた新たな傑作が。 百田尚樹「影法師」、冲方丁「光圀伝」、藤沢周平「蝉しぐれ」等に連なる名作でした。 ってことで、作者のことを調べてみたら、本作品を書いた5年後の2017年に亡くなっていた・・ 葉室 麟(はむろ りん、1951年1月25日- 2017年12月23日)は、日本の小説家。福岡県北九州市小倉生まれ。本名・本畑雄士。 福岡県立明善高等学校卒業。西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻卒業。地方紙記者、ラジオニュースデスク等を経て、2005年に江戸時代元禄期の絵師尾形光琳と陶工尾形乾山の兄弟を描いた『乾山晩愁』で第29回歴史文学賞を受賞。 50歳から創作活動に入り、4年後に文壇デビューを果たした。2007年、『銀漢の賦』で第14回松本清張賞を受賞する。2012年、『蜩ノ記』で第146回直木三十五賞を受賞する。久留米市を拠点に、敗者や弱者の視点を大切にした歴史時代小説を生み出した。 2017年12月23日午前2時、病気により福岡県福岡市の病院で死去。病名は明かされていない。66歳没。 2018年8月17日、都内でお別れの会が開かれ、小郡市の直木賞作家東山彰良は、「葉室さんは作品に自身の美学や哲学を込めていた。それはどんなにぶざまでも、どんなに理解されなくても、正しいことは美しいのだという美学。その美しさがきっと、誰かを救うという信念の下に小説を書いていた」と語り、八女市黒木町出身の直木賞作家安部龍太郎は、「優しく、思いやりが深い。自分よりも人のことを先に考える。人の痛みが分かる苦労人でもあった」と語り、故人を偲んだ。 文学賞受賞・候補歴: 2005年 - 『乾山晩愁』で第29回歴史文学賞受賞。 2007年 - 『銀漢の賦』で第14回松本清張賞受賞。 2009年 - 『いのちなりけり』で第140回直木賞候補。 2009年 - 『秋月記』で第22回山本周五郎賞候補、第141回直木賞候補。 2010年 - 『花や散るらん』で第142回直木賞候補。 2011年 - 『恋しぐれ』で第145回直木賞候補。 2012年 - 『蜩ノ記』で第146回直木賞受賞。 2016年 - 『鬼神の如く 黒田叛臣伝』で第20回司馬遼太郎賞受賞。(Wikipedia) かなりデビューが遅い作家だったようですが、本作品は映画化されていたということで、もしやと思って確認したら、この映画、見てました。そして、私の評価は「時間があれば」。我がことながら、この評価の落差と記憶力の衰えに愕然とする。
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再読。正しき事をしても、そのままそれが通ることない社会にて、凛として、真正面をむいて、生き抜く戸田秋谷の清廉なる姿。秋谷の姿勢が見届け人庄三郎の生き方をかえ、また息子郁太郎に引き継がれていく。 家老の中根兵右衛門も完全なる悪人というものでもない。 清らかな自然の中にいるような、鮮...
再読。正しき事をしても、そのままそれが通ることない社会にて、凛として、真正面をむいて、生き抜く戸田秋谷の清廉なる姿。秋谷の姿勢が見届け人庄三郎の生き方をかえ、また息子郁太郎に引き継がれていく。 家老の中根兵右衛門も完全なる悪人というものでもない。 清らかな自然の中にいるような、鮮烈な小説が魅力的ですね。
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星3.5というところ。 秋谷もその周りの人も、振舞いが小気味よい。 ただ、お美代の方様に関わる秘密とその影響をきちんと理解できなかったので、秋谷が切腹する必然性がよくわからなかった。
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揺るがない清廉さと覚悟。 それを保ちながら静かに生きる。 それは気負いもなく自然で、まるで前々からそこにあったかのようである。 命の期限にも、浮かび上がってくる策略にも、そして自分に対してだけでなく、すべてのものにおいて。 何があるんだろうという推理小説のようなおもしろさと、読...
揺るがない清廉さと覚悟。 それを保ちながら静かに生きる。 それは気負いもなく自然で、まるで前々からそこにあったかのようである。 命の期限にも、浮かび上がってくる策略にも、そして自分に対してだけでなく、すべてのものにおいて。 何があるんだろうという推理小説のようなおもしろさと、読後の凛とした気持ちよさ。 この時代の人の名前や関係性を頭にいれるのが苦手で、やっぱりメモを取りながら読むこととなった。敬遠していたタイプの時代小説。なのにまた他のも読んで見ようかという気になっている。 葉室麟さん、チェック!
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秋谷の生き方は、最後に身を捨てて中根の言う通りになっていれば、切腹も逃れることもあるだろうが、そうすれば彼のこれ迄の生き方のプライドは崩れ落ちてしまう。読み終えて、爽やかな感情が感じられた。
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