蜩ノ記 の商品レビュー
「ひとは心の目指すところに向かって生きている 心の向かうところが志であり、それが果たされるのであれば命を絶たれることも恐ろしくはない」 たとえ命が絶たれる日が決まっていても為すべきことを為す。狼狽えることも取り乱すこともなく。理不尽な罪を着せられても言い訳せず受け入れる。 自分の...
「ひとは心の目指すところに向かって生きている 心の向かうところが志であり、それが果たされるのであれば命を絶たれることも恐ろしくはない」 たとえ命が絶たれる日が決まっていても為すべきことを為す。狼狽えることも取り乱すこともなく。理不尽な罪を着せられても言い訳せず受け入れる。 自分の権利を主張してなんぼという風潮の強い現代の世にいると「武士のような精神」は損が多いように思ってしまう。しかし人生の満足度は損得勘定ではなく、やはり自分の信念に恥じぬ生き方ができたかどうかなのだ。 時代小説は読み慣れないのでやたら長い名前の人がたくさん出てきて読了までに時間がかかってしまったが、郁太郎の最後の言葉では思わず泣きそうに。
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2022年1月20日読了。 葉室麟さんの著作を読むたびに姿勢が良くなる気がする。 凛とした生き方を示してくれる。 終盤の流れにはあっと言う間に引き込まれてしまった。 不覚にも落涙。
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無実の罪で切腹を言い渡されていても、命乞いをせずに受け入れ己のなすべき志を捉えて凛と生きる姿に感銘を受けた。 ただ、登場人物(先代藩主等も含め)がかなり多いので、途中で人物相関図などがあったらより分かりやすかった。 とても面白かった。
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超久しぶりに、もの凄い時間をかけて読んだ本。本当に本を読む時間がなくなったが、しかしやはり本はいい。少しミステリー仕立てな謎解きもありつつ、武士の矜持を描いた名作的な感じでラストのかましてやった感+理不尽感はなかなか良かった。直木賞受賞作だそうな、なるほど。
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人間関係や役職関係、相続関係がわからなくなってしまって、途中見返せる家系図が欲しかった。 時代劇小説のあるあるだけど役職が変わったり嫁いだり、出家したりで名前が変わっていたみたい。 人格者には周りに人が集まるし、人の生き方にまで影響を与えることができる。嘘をついたり、私利私欲を...
人間関係や役職関係、相続関係がわからなくなってしまって、途中見返せる家系図が欲しかった。 時代劇小説のあるあるだけど役職が変わったり嫁いだり、出家したりで名前が変わっていたみたい。 人格者には周りに人が集まるし、人の生き方にまで影響を与えることができる。嘘をついたり、私利私欲を肥えさせようとする考えだとダメだなという教訓の本。 秋谷は侍の美学を突き通したのかもしれないけど、お寺の坊さんが言ったように事情を訴えるなど運命に抗ったり、残していく妻子に心残りを伝えたりしても良かったのではないかと思った。心が強すぎてかっこいいけど周囲は寂しい。
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不合理な理由で、10年後の切腹を命ぜられながら、自分の与えられた役目にひたむきに向き合う秋谷の生き方。自らの死に意味を持たせて、彼を死に追い込む家老中根兵右衛門を圧倒する。蜩のように静かに、己の信念を貫く姿が、美しい自然の景色と彼を取り巻く人々の温かさを背景にして輝いていた。
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時代物ということで、途中誰が誰だかわからなくなって戻りつつ読んだけど、後半に向けて盛り上がっていき面白かった。 場面が動いていても常に登場人物それぞれの切なさのようなものを感じさせ続け、話のテーマや重点がブレずに一貫しているところがすごいと思った。
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やや複雑な話であったが面白かった。 最後松谷が切腹を逃れられれば、良かったが残念だった。誰が主役なのか良く分からなかった。
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「蛍草」と違って、こちらは本格派の時代小説といった印象です 難しい用語や表現もあって、最初はつっかえつっかえでした 読み進めていくにつれ、結末が気になり徐々に引き込まれます スカッととする結末ではありませんが、侍の生き様を感じられる作品でした
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
難しい!!なんとなく雰囲気で読んだ感じ。 ちゃんと歴史とか詳しかったら読み進めていって面白いんやろうけど、こうだったのか!!って確信に迫るところも置いてきぼりくらった笑 武士の心意気のようなまっすぐなところとかも、すごくかっよかったけど、いまいちささらなかった。
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