蛇行する月 の商品レビュー
桜木紫乃さんの本は3冊目ですが、この本が一番好みです。 北海道・湿原高校の図書部に所属していた清美・桃子・美菜絵・直子、順子の5人。 この5人と周りの人達との関わりを描いた6編の連作短編 卒業後に彼女達5人が歩んだ道は全く違う。 その時々に必死で選んだ道。 その道で良かったの...
桜木紫乃さんの本は3冊目ですが、この本が一番好みです。 北海道・湿原高校の図書部に所属していた清美・桃子・美菜絵・直子、順子の5人。 この5人と周りの人達との関わりを描いた6編の連作短編 卒業後に彼女達5人が歩んだ道は全く違う。 その時々に必死で選んだ道。 その道で良かったの?と問うたら声を揃えて返事が帰ってきそう。 "もちろん!"って。 ラストの2編は特に良くて涙が……
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人と比べたり、自分の幸せを考えたり、とてもリアルな心情。湿原高校というのだけがイメージわかなくて、そこが非現実感を与えるから?あまり重くとらえないで読めた。 人生いろいろあって、それを自分自身が受けとめていくことの積み重ねなのだなぁと思った。
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一人の"究極の幸せ"な人生が、同級の女性たち一人ひとりの人生の岐路の選択を支える。完璧な短編組み立ての流れのなかに…ひっそりと、しかもドッシリと、、彼女が息づく♪。
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女性6人がそれぞれ主人公になる連作短編集。 ・清美…いろいろと貧しい家族、ひどい職場、品性のない男等々しがらみを断ち切って再就職!!苦労した分幸せに暮らしてほしい。 ・桃子…船上で不倫。駆け落ちして貧しくても幸せに暮らす順子と会って幸せについて考える。あとちょっとだぜ。 ・弥生…夫とバイトの順子に駆け落ちされ捨てられた妻。できた妻、できた人だなあ。この人みたいに許せるだろうか。 ・美菜恵…高校時代の先生と結婚する予定だがマリッジブルー。同級生で独身看護師の直子に話を聞いてもらう。最後に先生やさしいなあと思った。 ・静江…駆け落ち女、順子の母親。きついなあ。順子のおかげで少し改心するけど好きになれなかった。 ・直子…直子の回なんだけど、順子のその後。やっぱり、人の亭主を寝取って駆け落ちまでした女は許しづらい。因果応報とか思ってごめんなさい。修業が足りないのか。
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*二十も年上の職人と駆け落ちし、故郷を捨て、極貧の生活を“幸せ”と言う順子に、順子の友人、母、職人の妻たちは引き寄せられていく―。彼女たちの“幸せ”はどこにあるのか* 本当の幸せとは何かー。意地も、見栄も、プライドも、常識さえも脱ぎ捨てた時に見えるものなのかもしれない。 痛々しくて、寂しくて、切ないのに、明日の希望がほのかに見え隠れする、余韻の残る一冊。
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彼女の本は『ホテルローヤル』に続いて2作目です。 話がリアルでスッーと入って行きました。 順子の暮らしは爪に火を灯すような暮らしで、順子も苦労が容姿に現れるくらいひどいことになっていましたが、それでも頑として「幸せ」と言いきれるのは、読み進んで行くうちに分かってきます。 幸せは人の数だけあり、人と比べるものではないと言う事を改めて考えさせられます。、 夫と子供と一緒に暮らせるだけで順子は幸せだったのでしょう。 男にだらしない母親に対しても、恨みこそあってもおかしくはないのに感謝を忘れず、老いてゆく母を・・・ ラストは泣けます。 過疎の生活の厳しさもリアルで身につまされました。 サクサク読めて面白いです。
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湿原高校を卒業した図書部の順子。 その順子が20歳年上の職人と駆け落ちした。 順子の幸せを軸に、彼女に関わった人達の人生、幸福が問い直される。 本当の幸せとは何か、自分にとっての幸せとは何かを考えさせらせる。
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桜木紫乃さん、ホテルローヤルに続き二冊目。 釧路の寒さ、東京の暑さがよくわかるだけに妙に納得できて 物語がリアルに感じられた。 順子のなりふりかまわず一生懸命すぎる姿が涙をさそうが 真の幸せとはそういうものなのかも。 月とは順子だったのかなあ。。。 長い年月を経ながら 友人た...
桜木紫乃さん、ホテルローヤルに続き二冊目。 釧路の寒さ、東京の暑さがよくわかるだけに妙に納得できて 物語がリアルに感じられた。 順子のなりふりかまわず一生懸命すぎる姿が涙をさそうが 真の幸せとはそういうものなのかも。 月とは順子だったのかなあ。。。 長い年月を経ながら 友人たちが彼女の生き方に影響を及ぼしていたのかもね。いい意味で。
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北海道の高校の同級生だった彼女たちの未来。 今で言うブラック企業で罵倒されながら働き、恋人とも呼べない男は女を見下すことで自分を保とうとする低レベルな人で、そんなものから清美は転職を機に開放されていった瞬間。 船の乗組員として働く桃子は妻子ある人と不倫をしている自分の価値を見いだせずにいた頃に再会した順子。 若かった順子に夫を取られ、女一人で親から継いだ和菓子屋を守ってきた弥生。 高校時代の恩師と同じ職業に就いて再会し、結婚することになった美菜恵の後ろめたさ。 看護師として働く直子と人懐っこい後輩と、順子に会って何かが吹っ切れたこと。 妻を持つ人と駆け落ち同然で北海道を出て、東京のはずれでさびれたラーメン屋を家族で細々と営む順子。 キーワードは順子!(何 清美の話が一番好きかなー。 順子は病気を患って貧しいながらも、愛する家族の幸せを一番に願って、おしゃれもせずに生活しているけれど、それでも彼女にとってそれが幸せなこと。 うら寂しい人の孤独がどの話もにじみ出ているんだけど、最後はほっこり希望がある話)^o^(
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順子の存在がまぶしい 周囲の人々にとって月の光のよう 暗闇に隠れているけど ほんのり照らす道しるべ 明るくはない でも輝く星には変わりない 貧しく病魔に侵されてもなお 幸せと言い切れるその姿 胸を打ちました
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