蛇行する月 の商品レビュー
すごい。 あきら(輝)くんの目になるのか。 そうつながるのか。 そうつながるのか。って箇所が多数。 一つの章の中でのつながり(現代文の虫食い問題で順子のひたむきさを描き、後でさらに、「結婚は虫食い問題」、と、大きな効果を生んでいる。まだくるか、みたいな。) あと船の桃子が、順...
すごい。 あきら(輝)くんの目になるのか。 そうつながるのか。 そうつながるのか。って箇所が多数。 一つの章の中でのつながり(現代文の虫食い問題で順子のひたむきさを描き、後でさらに、「結婚は虫食い問題」、と、大きな効果を生んでいる。まだくるか、みたいな。) あと船の桃子が、順子への手紙を書き換えるところ、桃子の気持ちを想像させられる。なんとなくわかるような気がするけれど、推測の域を出られない。これぞ読書!笑。みたいな。 和菓子の女将弥生の章で、元だんなが離婚届を握り締めるところ。 各章を通して、順子の人間像が、描かれている。順子の章はないのだけど。 そして、あきらくんの目になるんだね。
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ぐずぐずしていたら賞とって人気出て、すっかり借りられなくなってしまった桜木作品。やっと読めた。 関連する女たちのそれぞれを書いた短編で、大島真寿美の『三月』と作りは似ているが色はちょっと違う。 (桜木さんはちょっと焦げ茶でドロドロ?) 男の人はついつい放浪しちゃうけど、女は心の...
ぐずぐずしていたら賞とって人気出て、すっかり借りられなくなってしまった桜木作品。やっと読めた。 関連する女たちのそれぞれを書いた短編で、大島真寿美の『三月』と作りは似ているが色はちょっと違う。 (桜木さんはちょっと焦げ茶でドロドロ?) 男の人はついつい放浪しちゃうけど、女は心の(幸せの?)落とし場所を求めているのかなあ…? などと思ってしまった。 しかし、和菓子屋の奥さんはもっと怒ってもいいんじゃない?
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人生の岐路に立つ六人の女の運命を変えたのは、ひとりの女の“幸せ”だった。―道立湿原高校を卒業したその年の冬、図書部の仲間だった順子から電話がかかってきた。二十も年上の職人と駆け落ちすると聞き、清美は言葉を失う。故郷を捨て、東京でラーメン屋を営みながら一人息子を抱え極貧の生活を“幸...
人生の岐路に立つ六人の女の運命を変えたのは、ひとりの女の“幸せ”だった。―道立湿原高校を卒業したその年の冬、図書部の仲間だった順子から電話がかかってきた。二十も年上の職人と駆け落ちすると聞き、清美は言葉を失う。故郷を捨て、東京でラーメン屋を営みながら一人息子を抱え極貧の生活を“幸せ”と言う順子に、悩みや孤独を抱え、北の大地でもがきながら生きる元部員たちは、引き寄せられていく―
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なかなか最後まで読み切れる本に出会えなかった中、久々に読み切ることができた一冊。 "幸せのかたち"は本当にひとそれぞれなんだなあ。と考えさせられました。
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正直言って、今までの桜木さんの小説は女の哀しさがあまりにも圧倒的過ぎて自分に引き寄せて読むことが難しかったのだけど、これは、なんとうか、自分や自分の周りにいるたくさんの女たちの人生そのものだった。 オンナの幸せは一つじゃない。しみじみそう思った。 高校卒業って一つの大きな分かれ...
正直言って、今までの桜木さんの小説は女の哀しさがあまりにも圧倒的過ぎて自分に引き寄せて読むことが難しかったのだけど、これは、なんとうか、自分や自分の周りにいるたくさんの女たちの人生そのものだった。 オンナの幸せは一つじゃない。しみじみそう思った。 高校卒業って一つの大きな分かれ道なんですよね。中学から高校は進学先が違うにしろほとんどが同じような生活(高校生活)を送るけれど、高校を卒業する時点で、それぞれは全く別の道を歩き始める。 最初は小さな違いであっても10年20年たつうちにその違いはとても大きなものとなる。 友だちのその後の人生が気になる。懐かしさであったり、嫉妬であったり、心配であったり… 幸せであってほしいと思う反面、自分より不幸であればいい、と言う気持ちもある。自分が不幸であればなおのこと。 年上の妻子持ちと出奔した順子と、彼女とかかわった6人の、20年は決して、幸せに満ち満ちたものではなかったけれど。それでも彼女たちが自分の手で、自分の足で、自分の人生をつかみそして歩き始めるその瞬間は清々しく、神々しく。 オンナは心を捨てて微笑むことができるんだ。それがオンナの強さであり、美しさである。 蛇行する月…オンナは決まりきった道をまっすぐに進む生き物なんかじゃない。
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強く生きる女性たちの連作短編。それぞれ色んな事情を抱えてはいるもののそれを何とか乗り越えて生きていく。 「女性って強いな」というのが読後の正直な感想。
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