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日本史の謎は「地形」で解ける の商品レビュー

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92件のお客様レビュー

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2017/07/29

友人に薦められて読みました いやー、面白かったです そう言うと、また次のも貸してくれるようです 江戸のことは以前「家康、江戸を建てる」で分かっていたこともあったのですが、まさか忠臣蔵が! 元寇も! 私も思っています、邪馬台国はね…… ≪ 地形から 読み解く歴史 ふーむふむ ≫

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2017/04/28

面白かった。本書の耳目はやはり忠臣蔵の謎の部分だろう。聞いたこともない着目点、検証によって、今まで知っていた忠臣蔵とは全く違うストーリーが鮮やかに描き出され、痛快さに膝を打ちたくなる。 家康の江戸開府、その直後から行われ何代にも渡って続けられた壮大で、執念とも言える治水事業。源...

面白かった。本書の耳目はやはり忠臣蔵の謎の部分だろう。聞いたこともない着目点、検証によって、今まで知っていた忠臣蔵とは全く違うストーリーが鮮やかに描き出され、痛快さに膝を打ちたくなる。 家康の江戸開府、その直後から行われ何代にも渡って続けられた壮大で、執念とも言える治水事業。源頼朝が鎌倉に幕府を構えた訳、信長の叡山焼き討ちの裏に隠された恐怖心の正体。 等々、歴史好きにはたまらない、しかし、これまで学校や書物から得られた知識理解を全く超える面白い説が満載だ。 あえて辛口を言えば、これは多少セールス目的の編集の作為と思えるが、他の歴史家やそれらの説を、けなしてはいないものの、自分の説の方が説得力があるというような雰囲気の箇所が少なくとも2ヶ所くらい出てくる。それは言わぬが花ではと感じた。

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2016/12/29

地形・気候・客観的な資料から検証しているので、説得力がある。特に「忠臣蔵」についてはサスペンスドラマを見ているようでわくわくした。

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2017/05/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。 この本にも出てきたが、島国、しかも極東という位置、大陸との間の早い海流が、日本という国を今までぬくぬくと生き延びさせてきたと思っているので、地勢が歴史に及ぼしている影響が大きいという著者の考え方は、非常に納得のいくものだった。 というよりかは、当然でしょ?ぐらいの気持ちで読み始めた。 著者は歴史学者ではないし、学術的なプロでもないので、ところところ、それはちょっと正しくないな、と思わせる表現があったので、一から十まで鵜呑みにするのは危険だが、全体的には説得力のある説が展開されていて面白かった。 源頼朝は湘南ボーイだったので、疫病の巣窟、京都を嫌ったとか、発展性のない鎌倉に閉じこもろうとしたので暗殺されたとか。 江戸時代が長く続いたのは、日本最大のプランナー徳川家康が関東「湿地」を関東平野という米どころに変えたからだとか。 ただ、江戸の無血開城が、すでにモノの流通によって「日本人」としての帰属意識ができていたからだ、という説はちょっと弱い。 山脈によって、物理的にも気象的にも分断され、南北に長いため気候も異なる島国が、同じ「日本人」と考える根拠が、江戸時代の海上運送だけで説明するには心もとない。 ただ、熱帯モンスーン気候で発生した米作が、日本に来ると、平野が少なくしかも水はけの悪い沖積平野、河川は急勾配、大陸と海の高気圧の影響で年間を通して変化し続ける気候、とあってはのんびり種をまいて育てるわけにはいかず、集団で灌漑を行い集中的に耕作しなければならなかったという説明には、納得がいった。 日本人の集団を優先する気質は、米作が影響しているという説はぼんやりと理解していたが、日本の気候・地形が関係しているとわかり、理解が深まった。

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2016/09/22

・なぜ日本語は分裂せず、「方言」にとどまったか ・地形と気象の多様性で生き残った列島 ・江戸時代のインフラと肥料と赤潮 ・幕の内弁当や庭園に代表される詰め込み文化

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2018/10/31

いくつか説得力が弱い点も感じるが、地形や広重の浮世絵などから歴史の背景を探っていくのは推理小説のように面白い。 桓武天皇は長岡京に遷都した際、夷が侵入する可能性のある東北方向の逢坂峠を恐れて、そこを見下ろすことができる比叡山に延暦寺を創建し、僧侶集団に武力を持たせて監視させた。...

いくつか説得力が弱い点も感じるが、地形や広重の浮世絵などから歴史の背景を探っていくのは推理小説のように面白い。 桓武天皇は長岡京に遷都した際、夷が侵入する可能性のある東北方向の逢坂峠を恐れて、そこを見下ろすことができる比叡山に延暦寺を創建し、僧侶集団に武力を持たせて監視させた。桶狭間の山中で今川隊が伸びきったところを大将のみを襲撃した経験のある信長は、それと同じ恐怖を抱いた比叡山を焼き討ちにした。 頼朝は人口過密で疫病が蔓延していた京都を嫌い、鎌倉に幕府を開いた。京都の人口は20万人、人口密度は4900人/km2と推測する。「方丈記」にも、疫病で4万人以上の死者が出たと記されている。祇園祭も疫病払いから始まった。 元寇が失敗に終わった理由は、日本の沖積平野は水はけが悪く、丘や山には樹木が茂るため、モンゴル軍の強みである騎馬軍団と牛車群を日本では活かすことができなかったためだった。大石久和も「国土が日本人の謎を解く」で、幕末に欧米列強の植民地にならなかった要因として、同様の考察をしている。 皇居の半蔵門は土手が築かれており、それからは尾根道の甲州街道が続く。江戸幕府は、この通りの周辺に徳川御三家や親藩、旗本を住まわせることによって防御した。赤穂浪士の3分の1が討ち入り前に麹町に潜伏していたのは、幕府が匿ったからだと断言する。高家という重要な役職にある吉良家は、討ち入り前に、両国橋が建設されてから40年しか経っておらず、下総の匂いを残す本所に移転させられていた。家康が創建した泉岳寺に赤穂浪士47士を埋葬したのは、大木戸を札ノ辻から高輪を移し、その手前で滞留した旅人を誘導することによって、主君の仇を討った忠誠心の物語を広めて幕府を安泰にするためだった。 家康が江戸入り直後に小名木川を造ったのは、道三堀で江戸城から荒川(現隅田川)沖に出た後、小名木川を通って中川、さらに舟堀川で利根川(現江戸川)に出ることによって、関東一円の北条氏を制するためだった。荒川の洪水を制御するために、右岸の浅草から三ノ輪までの日本堤を造り、吉原を移転させて人々の往来によって踏み固めさせた。また、対岸の墨田提を強化して桜を植え、料亭を誘致して今の向島が形成された。 毛利家は、広島三次盆地の発祥で、稲作を行う平坦な土地はなかった。その後、村上水軍などを傘下に入れて大阪湾から九州にかけての制海権を握り、本拠地の広島城は海に出ることを念頭に置いた太田川の砂洲につくられた。関ヶ原の戦いの後、萩に移封されて瀬戸内水軍との縁を切断され、大船建造も禁止されたため、干潟の干拓と塩田の造成による農耕民に転身した。

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2016/05/07

歴史なんてものは近代史以外に全く興味のなかった当方が、めっきりのめり込んだ一冊。ある視点から歴史を見ると、こんなにも興味の湧き方が異なるものか。各地には歴史上の人物たちの苦悩があった。現代を生きる人間の一人として、やはりその歴史を知ることは義務であると感じる。

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2016/04/22

地形や気象などの理系視点で、いろんなことが分かるものなんだなぁと感心した。 特に徳川家と吉良家の話はおもしろかった。 他のシリーズも気になる。

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2016/02/19

土木工学を学ばれ、建設省に入省、そして、河川の仕事で日本全国の地形、気象などに関する知見を蓄積され、著者曰く、地形・気象・下部構造(インフラ)から読み解く、歴史。 人間が歴史的に残して来た社会・文化的情報から歴史を読み解くことは避ける。 しかしながら、浮世絵などは、文化的遺産とし...

土木工学を学ばれ、建設省に入省、そして、河川の仕事で日本全国の地形、気象などに関する知見を蓄積され、著者曰く、地形・気象・下部構造(インフラ)から読み解く、歴史。 人間が歴史的に残して来た社会・文化的情報から歴史を読み解くことは避ける。 しかしながら、浮世絵などは、文化的遺産としてではなく、写真データとして読み取っていく。 遷都せざるを得なかった理由として、木材の枯渇、飲み水の確保、人口密集による疫病の蔓延などなど。 権力者のバイアスのかかった文書は片隅に置きながら、下部構造から歴史を読み解く、とっても楽しい本でした。

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2015/11/10

 半蔵門のこと、忠臣蔵のこと、家康がきた頃の江戸のこと、なかなか面白かった。自分の住んでる場所や転勤した場所、旅行先などで、著者のようにいろんな興味を持って、また自分なりの仮説を立ててみるというのは、楽しいだろうと思う。著者の説は、説得力がある。  それと、家康という人は、さすが...

 半蔵門のこと、忠臣蔵のこと、家康がきた頃の江戸のこと、なかなか面白かった。自分の住んでる場所や転勤した場所、旅行先などで、著者のようにいろんな興味を持って、また自分なりの仮説を立ててみるというのは、楽しいだろうと思う。著者の説は、説得力がある。  それと、家康という人は、さすがだなぁと感心した。

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