日本史の謎は「地形」で解ける の商品レビュー
歴史は人類が積み重ねてきた経歴であり、文系というか人の考えありきで動いてきたと信じて止まなかったが、こういう土木的視点で見ると今までの思い込みが覆された。ブラタモリみたいで、読みながら地理が苦手な自分は地図を横にし、その土地を散策しているような気分になって楽しかった。どこまでが、...
歴史は人類が積み重ねてきた経歴であり、文系というか人の考えありきで動いてきたと信じて止まなかったが、こういう土木的視点で見ると今までの思い込みが覆された。ブラタモリみたいで、読みながら地理が苦手な自分は地図を横にし、その土地を散策しているような気分になって楽しかった。どこまでが、当時の人の考えや動きと一致しているかは分からないが、理系的考えは答えが単純明快で客観的に見れるから、強ち間違ってはいないのかな、と思った。昔は人知を超えることを成すのは不可能に近く、自然の摂理に任せて物事、人は動いていた。今は、ある程度は自然に逆らっていくことも可能であり、その上に現代社会が成り立っている。だから、今が地形的にベストなのかは分からず、このように数百年後の未来で推測することは難しくなっているかもしれない。ただ、エネルギー不足なり自然災害被害なり、今ある環境問題は人間の摂理に合わせようとし過ぎて綻びが生じている結果。だから、これを機に自然復帰も未来に人類が生き残るためには良いのかもしれない。 印象的だったのは、江戸の町。家康の偉大さ、徳川幕府の凄さが分かった気がする。
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地形専門家の著者が、地形から日本史の史実考察をする。 本当に地形から考察しているものもあれば、強引にこじつけているものもある。なかなか面白い本である。 自分の日本史の知識がもっとあればさらに面白かったと思う。
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地形や天候から為政者の行動を読み解く。面白い。歴史の見方、その土地の見方が変わる。 文献的な証拠がないので仮説の域は出ないが、なるほどと納得させられる仮説が多々ある。空想と言いたくなる仮説もいくつかある。無理があると言うより、なんで歴史上の心情がわかるねんと突っ込みたくなる。
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真偽のほどはともかく、地形をカギとして歴史上の事件を読み解く、というのが謎解きっぽくて面白かった。ほんと、真偽のほどは不明なので笑、そこにこだわらず仮説を楽しむ読み方で。
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京都。日本海側と太平洋側、どちらも船運交流ができる位置。 京都遷都の理由。 道鏡など奈良仏教から遠ざかる。 水と森がより豊かな京都へ。 江戸遷都の理由。 木材が豊富な関東へ。 江戸は湿地帯、天下の睨む地の利も関西より悪い。 かつて森林の宝庫だった黄河、今は砂漠化が進む。黄...
京都。日本海側と太平洋側、どちらも船運交流ができる位置。 京都遷都の理由。 道鏡など奈良仏教から遠ざかる。 水と森がより豊かな京都へ。 江戸遷都の理由。 木材が豊富な関東へ。 江戸は湿地帯、天下の睨む地の利も関西より悪い。 かつて森林の宝庫だった黄河、今は砂漠化が進む。黄砂が発生。朱鎔基首相は北京からの遷都を考える。
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日本の地形から謎を解いている作品。 歴史はミステリ。 視点を変えれば今まで見えていなかった事が見えてきます。 京都がなせ都になったのか? 鎌倉になぜ頼朝は幕府を開いたか? 江戸に移封れた家康の本当の苦労とは? 当時の地形・気象・インフラなどの事実資料から謎を解いていきます。 今ま...
日本の地形から謎を解いている作品。 歴史はミステリ。 視点を変えれば今まで見えていなかった事が見えてきます。 京都がなせ都になったのか? 鎌倉になぜ頼朝は幕府を開いたか? 江戸に移封れた家康の本当の苦労とは? 当時の地形・気象・インフラなどの事実資料から謎を解いていきます。 今までの歴史は人文観点からの物語の為、いろいるな考えがあり議論や多様な作品が生まれています。 只その当時の地形や気象、現在のインフラから考えると又違った歴史の解釈が見えてきました。 学校の授業も歴史を地理や理科などと組み合わせれば、もっと違った物事が見えてくるかもしれないと思いました。歴史・時代小説を読んで感覚が変わってくると思います。 18章に別れ、各々に江戸・大阪・近畿・比叡山なか福岡などの謎が地形から解かれていくので、自分の興味ある土地の謎を読んでみても良いかもしれません。 そして最後の最後に推理ゲームとして、あの歴史上の最大ともいえるあの謎にもチョッとだけ触れています。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
徳川幕府が江戸で開かれた理由、なぜ頼朝は鎌倉に幕府を開いたか、なぜ京都が都になったか。 日本史であたりまえに覚えてしまっているその場所の意味を地形やインフラを手掛かりに考察する。とても興味深いし腑に落ちることも多し。 すこし筆者が毎回ドラマチックに”発見”する描写や、人文学的な要素を避けるばかりに少し強引な考察になっている箇所も気になるけれど。 でもユニークなこういう切り口があることで歴史考察は進むだろうし、おもしろくなるね。
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この本は、もっと地理っぽいのかと思ったら、歴史の思考に地理的観点を添えて再考するスタンスなので、とてもわかりやすかった。奈良から京都そして東京へと遷都した理由や忠臣蔵を巡る謎などを明確に分析しているのはとても良い。読んでよかったと思った本である。
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元寇失敗の真因、比叡山焼き討ちの真相、忠臣蔵の謎、、、などチコちゃんネタになりそうな話題が満載。 謎解きミステリーを読んでいるような読ませ方も心憎い。 著者いわく「政治、経済。宗教など人文社会学的な解釈でなく、地形、気象、インフラの下部構造からのアプローチ」として地政学とまで...
元寇失敗の真因、比叡山焼き討ちの真相、忠臣蔵の謎、、、などチコちゃんネタになりそうな話題が満載。 謎解きミステリーを読んでいるような読ませ方も心憎い。 著者いわく「政治、経済。宗教など人文社会学的な解釈でなく、地形、気象、インフラの下部構造からのアプローチ」として地政学とまでは立ち入らない謙虚さも良し。
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今年1番の本かも!? 歴史を地形、水から読み解く、新しい視点が楽しくて仕方ない。これから歴史を見る目が変わりそう!
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