円卓 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
1回目読んだ時は、どうしても主人公のこっこに馴染めず苦手だな、と思った。 作者の別作品がとても好きだったので、1年ぶりに再読。今回はとても楽しめた。 テンポ感が良くて、映像が浮かぶだけではなく温度も匂いも感じられそうな文章と、日々のいろいろな体験から少しずつ学んでいくこっこを落ち着いて追うことができた。 あんな出来事が転機になってほしくないけど、衝撃的な体験から子供って一気に心が成長するんだろうな。まだ子育てしてないし、自分のことは記憶にないから分からないけど。 印象に残ったのは不整脈の真似をしたこっこが先生の怒りを感じて戸惑うシーン。あ、これはダメなことなんだっていう直感は子供の時に確かに体験したことがある。なんでダメなの?っていう理由は後から理解できるようになるけど、直感した瞬間の戸惑いやら「何か間違えた」というヒヤッとした感覚がリアルだった。
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小学生の頃、私も口悪くて 担任に「このままいけば中学でいじめられるから 言葉遣いは直した方がいい」と言われてたなと思い出すくらい 主人公こっこが口悪い。 ことあるごとに「うるさいぼけ」 そんなこっこの成長の物語。 そして西加奈子の小説は毎度毎度、 人間臭さがすごく表れてて 人...
小学生の頃、私も口悪くて 担任に「このままいけば中学でいじめられるから 言葉遣いは直した方がいい」と言われてたなと思い出すくらい 主人公こっこが口悪い。 ことあるごとに「うるさいぼけ」 そんなこっこの成長の物語。 そして西加奈子の小説は毎度毎度、 人間臭さがすごく表れてて 人生に希望が持てる。 他の作家には出来ない方法で 人生に希望を持たせてくれる。 小学生の時、こんなこと考えてたなぁと思い出せる小説でした。 ちなみに私は今も口悪いです。 いじめには合わんかったけど。 同時忠告してくれた先生にも 心の中で「うるさいぼけ」と思ってました。 今は流石に思わへんけど。
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図書館で借りて読みました。 非常に感動した、けど、何が素晴らしいかは私の文章力じゃ表現出来ない。なんか言葉の選び方っていうか、表現が綺麗だな、と思います。 物語の内容自体は日常の切り取りというか、なんというか、言い表せれないです。 西加奈子さんって、他の作品も読んだ事あるけど、こ...
図書館で借りて読みました。 非常に感動した、けど、何が素晴らしいかは私の文章力じゃ表現出来ない。なんか言葉の選び方っていうか、表現が綺麗だな、と思います。 物語の内容自体は日常の切り取りというか、なんというか、言い表せれないです。 西加奈子さんって、他の作品も読んだ事あるけど、この作品は感性が非常に素晴らしい作品だと思います。 芦田愛菜ちゃんで映画になってたはずだから、見てみよ。映画になると、日本映画独特の、何が言いたかったんや、っていう作品なような気もするけど、小さな愛菜ちゃん、見てみたいな、と。
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良い作品に出会うとその作者に傾倒してしまうので西加奈子さんを読むのを避けていたのですが、禁断症状が出てきたので手にとりました。主人公の琴子が大人びているようで子供の部分が垣間見るところに引き付けられます。小学3年生の目線がリアルに描かれていて自分が小学3年生の思い出しながら読み進...
良い作品に出会うとその作者に傾倒してしまうので西加奈子さんを読むのを避けていたのですが、禁断症状が出てきたので手にとりました。主人公の琴子が大人びているようで子供の部分が垣間見るところに引き付けられます。小学3年生の目線がリアルに描かれていて自分が小学3年生の思い出しながら読み進めることができました。そして西加奈子さんの言葉のチョイスはやはり秀逸です。石太が話すと、明朝体の文字が空に解き放たれる。こっこはそれを捕まえ、一文字ずつ食べる。咀嚼する。石太の放つ文字は、大変美味しいのである。
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「円卓」西加奈子著、文春文庫、2013.10.10 202p ¥508 C0193 (2023.05.01読了)(2023.04.28拝借)(2014.04.15/6刷) 【目次】(なし) 円卓 解説 津村記久子 ☆関連図書(既読) 「しろいろの街の、その骨の体温の」村田沙...
「円卓」西加奈子著、文春文庫、2013.10.10 202p ¥508 C0193 (2023.05.01読了)(2023.04.28拝借)(2014.04.15/6刷) 【目次】(なし) 円卓 解説 津村記久子 ☆関連図書(既読) 「しろいろの街の、その骨の体温の」村田沙耶香著、朝日文庫、2015.07.30 「君の膵臓をたべたい」住野よる著、双葉社、2015.06.21 「さよなら、田中さん」鈴木るりか著、小学館、2017.10.17 「14歳、明日の時間割」鈴木るりか著、小学館、2018.10.17 「あひる」今村夏子著、角川文庫、2019.01.25 「しろいろの街の、その骨の体温の」村田沙耶香著、朝日文庫、2015.07.30 (アマゾンより) 公団住宅で三つ子の姉と、両親、祖父母に愛されて暮らす「こっこ」こと渦原琴子は、口が悪く、偏屈で硬派な、孤独に憧れる小学三年生。こっこの日常は、不満と問題と驚きと発見に満ちている。世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を、活きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。光溢れる感動傑作。
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こっこや友達、三つ子の姉妹も皆んな個性的で純真で愛しかったしクスッと笑える場面が数多くて微笑ましかったです。想像する事の大切さを与えてくれる作品でした。
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小学3年生のこっことその家族、友達との日常を描いた物語。何でもない日常を描いてはいるが、こっこは少し感性が独特で… 西加奈子さんの文章はすごく力強くてパワーに溢れてる。正直最初は読みづらく感じてしまうが、慣れてくるのかいつも後半で盛り上がってどんどん面白くなってくる印象。
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「漁港の肉子ちゃん」で、独特の言葉のリズム感を持って大変面白いと感じ、筆者の本を幾つか読んでいる。この作品は、そのリズム感が更に強い。リズムの中に心象風景や状況が織り込まれていて、とても気持ち良く読める。ラストがとても斬新で、象徴的だった。良い読後感。
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面白かった。 これ映画あったら良いのに、って思ったらやっぱりあったんで絶対観たい。 私も小学生の頃松葉杖とか眼鏡とかに憧れてたから、気持ちわかるわーって部分とその頃の自分より何十倍も感受性豊かなこっこちゃんと、その周りの家族、友達が皆良かった。
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現時点で僕が読んだ西加奈子さんの作品の最高傑作は「サラバ!」で次点は「漁港の肉子ちゃん」ですが、読書が苦手な人でもサクッと読めてかつ西加奈子さん独特の世界観も楽しめるという観点で言えば、この「円卓」も西加奈子さんを代表する名作だと思います! 帯によると、「世間の当然に立ち止まり、悩み考え成長する物語」「平凡やしあわせに反発するこっこ、小学3年生」とのこと。最初はただただこっこの悪態が面白かったですし、後半部分はいろいろと考えさせられる物語でした♪ 一番好きな登場人物はこっこの幼なじみである吃音症のぽっさんと祖父の石太ですが、その他、三つ子の姉・朋美や同級生の朴くん、香田めぐみ、ゴックん、幹成海などなど、どの登場人物も個性豊かで魅力的☆好きなエピソードは山ほどありますが、その中でも特にこっこが不整脈に憧れるエピソードが好きだったかな~♪ ------------- p111 「吃音は知っとる。ぽっさんが教えてくれたやろ。でも、なんであかんことなん。こんな格好ええやんか」 「お、俺は、お前が、そ、そう言うてくれるから、じ、自分のこと、格好ええって、思えるようになったんや。で、でも、それまでは、お親も、俺の、は、は、話し方を、な、治そうと必死やったし、人に、き、聞き返されるんが、嫌やった」 「そうなんや」 「そ、そうや。お、おかんも、俺のこと、可哀想に、て、思てはった。お、俺は、そういう風に思われるんが、い、嫌やった」
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