円卓 の商品レビュー
関西弁の軽やかさと,リズム感たっぷりの文章が,次から次へとページをめくる。 確かにあの頃,マイノリティに憧れて,周りと違うことを求めていた。こっこの気持ちはよくわかる。じぶんが抱く感情の意味の複雑さに目覚めはじめる年頃の,一生に一度しか通過できないあの頃を思い出させてくれる1冊...
関西弁の軽やかさと,リズム感たっぷりの文章が,次から次へとページをめくる。 確かにあの頃,マイノリティに憧れて,周りと違うことを求めていた。こっこの気持ちはよくわかる。じぶんが抱く感情の意味の複雑さに目覚めはじめる年頃の,一生に一度しか通過できないあの頃を思い出させてくれる1冊だった。
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漁港の肉子ちゃんを読み終わり、まだ西加奈子の世界に触れていたくて即読み始めた。 独特な感性を持つ小学三年生の世界を表現…とみせかけて、これは今の自分たちの姿なのではないか。少し前には分からなかったことがいきなり分かって驚くことがある。 幼く、気づかなかった頃の前の自分には戻れない...
漁港の肉子ちゃんを読み終わり、まだ西加奈子の世界に触れていたくて即読み始めた。 独特な感性を持つ小学三年生の世界を表現…とみせかけて、これは今の自分たちの姿なのではないか。少し前には分からなかったことがいきなり分かって驚くことがある。 幼く、気づかなかった頃の前の自分には戻れない、寂しいような冷めたような感覚… 夕陽の美しさを感じるとともに沁み入るような孤独の寂しさ感じ取る切ない感覚…それは成長途中の少女の心情を借りた、今の自分の感覚でもありえる。 平易で読みやすい文章だけど、西加奈子ってすごい表現力のある作家だと思う。
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私も小学生の頃、こっこみたいに骨折に憧れたな〜なんて、あの頃の気持ちを懐かしく思い出しました 大阪弁も心地よかったです
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差別問題になりかねない話題もこっこにかかれば万事かっこええに早変わり。 個性の強い登場人物がかっこよく、かいらしくてにやけながら読んだ。 そんなこっこが言葉にできない自分でも理解できない感情にはじめて出会う。 こっこがぽっさんに夏の体験を話すシーンは大人になった私にこの瞬間はも...
差別問題になりかねない話題もこっこにかかれば万事かっこええに早変わり。 個性の強い登場人物がかっこよく、かいらしくてにやけながら読んだ。 そんなこっこが言葉にできない自分でも理解できない感情にはじめて出会う。 こっこがぽっさんに夏の体験を話すシーンは大人になった私にこの瞬間はもう二度とやってこないんだなと胸が苦しくなった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
んあああああっ! 叫び出したいくらい、いい作品に出会って興奮している。 眼帯、ギプス、孤独。確かに、こどものころなんであんなに格好良く見えたんやろう。 成長して、もう30年も生きた今すっかり忘れてしまったいわゆる童心を、こんなに色鮮やかに描ける西さんに脱帽。 「願いには、時差があるのだ。神様分かって。」 こっこ、それは成長や! 吃音のまねをしちゃだめ!なんで不整脈のふりなんてするの!という大人じゃなくて、石太みたいに「いまじん」することを一緒に考えられる大人になりたい。読み終わったいま、強く思う。 「孤独」を知ったこっこが気づいた大切なものたち。 降り注ぐ文字の美しさだけで泣ける。 そして登場人物のキラキラした個性よ。 仏滅をフルフェイスと空耳する祖母紙子。 HGP明朝Bの字体をすぐさま判別する石太。 風神雷神像、踊る鶴亀、戦う龍虎の夏布団カバーを気に入っている三つ子。 四角い顔に四角い眼鏡、印象として規則正しい玉坂部長。 「次の友引に南へ行こう」と言うジビキの彼女。 発言の最後に必ず「!」の付くゴックん。 でもやっぱりぽっさんかなー。寿老人の好きなぽっさんかなー。 「こ、個性いうもんは、も、目的にしたら、あかんのや」 と言ってのける小三おらん。 「ばくりゅうしゅ」 「ふくろくじゅ」 爆笑。 「寿老人。」 「寿老人。」 「寿老人。」 爆笑。
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小学三年生の琴子の世界には知らないものが沢山ある。 眼帯。格好いい病気。格好いい孤独。 子供の視点で描かれる無邪気で阿呆で暖かい登場人物たち。 誰かの気持ちを想像すること。 誰かを思いやる気持ちを琴子は知る。 琴子の世界では自分を愛してくれる人たちが琴子を囲っている。
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初西加奈子。 ブームに乗っかるようで気が引けて開かずじまいだったのだがお盆休みに一日で読了。おもしろかった。 本好きの大人になるであろう、と言うことが想像されるエピソードが随所にあり微笑ましく読み終えることが出来た。 勢いあまってDVDも鑑賞。愛菜氏は適役にしろぽっさん役が本のイ...
初西加奈子。 ブームに乗っかるようで気が引けて開かずじまいだったのだがお盆休みに一日で読了。おもしろかった。 本好きの大人になるであろう、と言うことが想像されるエピソードが随所にあり微笑ましく読み終えることが出来た。 勢いあまってDVDも鑑賞。愛菜氏は適役にしろぽっさん役が本のイメージといまいち離れていたように思うが映画は映画の味がありました。 あ、これは映画.comの方へ。
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小学3年生の琴子が見る世界は、キラキラとしていて、とても尊い。眩しいくらい輝いている小学生の心情を味わえてとても気持ちいい、読後感だ。
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こっことこっこを取り巻く家族、友人の描写が目に浮かぶようだった こっこはじめはちょっと変わった感じの子かなと思ったが最後にはまわりの人のことを考えているごくごく普通以上の優しい女の子だと感じました あったかい気持ちになれる話でした
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西加奈子の「円卓」完読。子供の頃しか見えない情景を当時の視点の隙間から見せられたような小説だった。懐かしくて少し寂しい気持ちになる。
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