円卓 の商品レビュー
ちょっと違うけれど馴染み深い関西弁で、独特のテンポとリズムをもって紡がれるお話で、読み始めた時は文体に振り回されて情景がなかなかするっと入ってこなかったけれどー。 個性的な家族や、クラスメイトたち。 懐かしい思考(嗜好)や対人関係。 孤独に憧れたり、熱烈にペットを飼いたいと思った...
ちょっと違うけれど馴染み深い関西弁で、独特のテンポとリズムをもって紡がれるお話で、読み始めた時は文体に振り回されて情景がなかなかするっと入ってこなかったけれどー。 個性的な家族や、クラスメイトたち。 懐かしい思考(嗜好)や対人関係。 孤独に憧れたり、熱烈にペットを飼いたいと思ったり、皆が皆こう思わないのはおかしい、とされることへ反抗心だったり、こっこやぽっさんたちを通してあの頃ならではの日々全てが愛おしいと思える。 眼帯姿に憧れるこっこ。そういえば昔、メガネ姿に矢鱈と憧れている視力1.5の友達がいたな、とか思い出とシンクロして笑えた。 読み終えた直後よりも、時間をかけて徐々に沁みてくるような類の作品。個性的で面白かった。
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瑞々しい感性。西加奈子さんの持ち味がええ感じに活かされた作品。 円卓のある渦原家、隣人のぽっさん、早熟なセルゲイ、優等生 朴くん、謎に満ちた幹成海。 それぞれの個性が強烈で、可笑しいのに少しほろりとする。
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なんかとても勢いがあってとてもよかった。 それぞれのキャラクターがよく、それに対する突っ込みがまた良い。最後のシーンはほろりと来た。ぽっさん良いな~
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とてもおもしろかったです。 他の方のレビュー通り、登場人物すべてに魅力があり、ただ可笑しいだけではなく、最後のシーンは感動ものでした。 渦原ファミリーのその後を、ぜひ読みたいです。 ふくろくじゅ…。
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2016/02/04再読。 この本を読んで西加奈子が好きになった。あまり良すぎて友達に貸したけど、半年もの間返ってこなくてついにもう一冊買った。買った次の日返ってきた。返さないことに怒ったのではなく、こんなおもろいもんさっさと読んで楽しんでよと呆れたのです。もう友達は終わりと思...
2016/02/04再読。 この本を読んで西加奈子が好きになった。あまり良すぎて友達に貸したけど、半年もの間返ってこなくてついにもう一冊買った。買った次の日返ってきた。返さないことに怒ったのではなく、こんなおもろいもんさっさと読んで楽しんでよと呆れたのです。もう友達は終わりと思ったけど、おいしいポッキーをつけて返してくれたから許す。あれから西加奈子もたくさん読んだけど、円卓を書いた西加奈子は天才だと思った。 期せずして神様に会った。ぽっさん。 本を読むことのいいところはそういうところ。
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主人公のこっこがとにかくかわいい、いわゆる「かわいい」ではないんだけどひと癖あるのがたまらなくキュンとなる。そして渦原ファミリーが素敵ファミリーすぎる。 こっこを見てて(読んでて)自分の子供の頃の感性ってどんなんだったっけなぁ?私ってばすっかり大人になっちゃったんだな、って思わ...
主人公のこっこがとにかくかわいい、いわゆる「かわいい」ではないんだけどひと癖あるのがたまらなくキュンとなる。そして渦原ファミリーが素敵ファミリーすぎる。 こっこを見てて(読んでて)自分の子供の頃の感性ってどんなんだったっけなぁ?私ってばすっかり大人になっちゃったんだな、って思わされた。大人になったことがイヤってわけではないんだけどさ。 そして幼馴染のぽっさんがいいこと言うんだわ、子供なのに大人なんだわ。素敵な友情だなぁ。
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・ひとりだ。 こっこは初めて、孤独を感じた。孤独に似たもの、かもしれない。誰にも守られず、誰にも関わることなく、自分がここにいるような気がした。それは思ったような甘やかさを伴うことはなく、寂しさとも違い、ただただ、ひとりだ、と、切に思うだけであった。 ・ジビキは日に焼けた皆の顔を見、その圧倒的な変化に、怯えに似た感情を抱く。自分だけが取り残されているような気分だ。 子供らが向かうのは、自分と同じ死であるはずなのに、彼らはまったく違う意思を持って、違う目的地に歩いていくように思える。その行軍に、すでに成人の自分だけは、混ざれないのだ。彼らは彼らのまま、凶暴に成長してゆく。いつかこの子供たちが、今の自分と同じような気持ちになるとは、到底思えない。 この子らの延長に、自分のような人間がいるのか。 ・最近のこっこは、ずっとそうだった。何か言葉を発するとき、行動を起こすとき、以前のような重力を感じるより先に、あ、分かった、と思う。「分かった」正体が何かわからなのだが、「分かった」という感覚だけが熱を持って、はっきり胸にあるのだ。
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いつのまにか30代の私。子どもの頃から地続きのようで、でも我が子を前にして何かが決定的に違うとは思っていた。そうか、子どもが大人になるのは、坂道ではなく、階段のように段差が突然現れて、それは不意打ちで現れて、一段を上がるのか。本を読みながら、こっこの日々を追いながら、こっこが急に...
いつのまにか30代の私。子どもの頃から地続きのようで、でも我が子を前にして何かが決定的に違うとは思っていた。そうか、子どもが大人になるのは、坂道ではなく、階段のように段差が突然現れて、それは不意打ちで現れて、一段を上がるのか。本を読みながら、こっこの日々を追いながら、こっこが急に気づきを得るように、私もはっとさせられた。 作者の瑞々しい感性で、読み手の私の過去まで揺さぶられた。すっかり大人になりきってしまった私の、どこかで落としてきた、残酷なまでの純粋さ、偏屈さをふと思い出した。
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2014.12.23 登場する子供たちが大変魅力的である。ぽっさんなんか本当にかっこいい。小学校って分け隔てなく色んな人間が通っているから面白いな。 中学とか高校になると私立に行く人なんかもいて、その学校自体に通う人が似たような人になったり、一緒に居る集団には同じような人間が集ま...
2014.12.23 登場する子供たちが大変魅力的である。ぽっさんなんか本当にかっこいい。小学校って分け隔てなく色んな人間が通っているから面白いな。 中学とか高校になると私立に行く人なんかもいて、その学校自体に通う人が似たような人になったり、一緒に居る集団には同じような人間が集まったりして雑多な感じがなくなる。小学校は雑多だ。雑多なところがいい。娘の学校の話しを聞いても色んな子がいて面白いな。娘の同級生の木場ちゃんなんかいいキャラだな。
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口が悪く、偏屈で硬派な、孤独に憧れる小学3年生のこっこ。 こっこの日常が活きのいい言葉で綴られていきます。 この妙なリアルさはなんなのでしょう。 不整脈のくだりのこっことジビキ。ここでこっこが感じた恥ずかしさとか、ジャポニカを投げたときの気持ちとか、なんだか自分にも心当たりがあったりする。 なるほど、子どもの世界か。確かにあの頃は何か起こっても起こらなくてもすべてが「奥深い物語」だった気がします。 懐かしくは思えても、もう自分は成人側だから、夏休み明けのジビキの気持ちがめちゃめちゃわかる。色鮮やかで、光の射す世界を生きるこどもって本当に眩しい! 最後のぽっさんの涙の場面は本当に尊く美しいし、幹成海が撒いた紙の雪もとてもきれいでした。 玉坂部長をはじめ、出てくるキャラクターがみんな個性的で面白いです。
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