円卓 の商品レビュー
通天閣が苦手だったのでどうかな?と思いながら、でも映画になってるしなぁと手に取った本。(年が近くて大阪に縁のあるからか、この作者に大きな期待がある) 期待通り(?)おもしろかった!生や死、命、国籍や体の変化に対する小学校五年生の心の機微を、大人になってこんなにうまく表現できるな...
通天閣が苦手だったのでどうかな?と思いながら、でも映画になってるしなぁと手に取った本。(年が近くて大阪に縁のあるからか、この作者に大きな期待がある) 期待通り(?)おもしろかった!生や死、命、国籍や体の変化に対する小学校五年生の心の機微を、大人になってこんなにうまく表現できるなんて!(いや、でも子どもがその時点で冷静にその機微を完全な言葉にしてしまうことなんてできないだろうし、そんな子どもがいたら恐い。) 大人の事情なんて知る由もなく、頭に浮かんだ「?」や「!」を持ったまま前に進んでいた小学生のころのもやもやした感じをすかっと言葉にしてくれている。懐かしいけど新鮮な気持ちになった。 あとは、大阪に生まれ育っても知らない大阪弁がでてきたので、言葉のおもしろさも楽しめた。
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子どものストレートな感情、言葉や行動が、成長することにより変化していく様がよくわかった。それは尊いことやと思いました。子ども感じかたは面白い。成長するにつれ、気持ちが変化していくことはどこか寂しさも含んであるなぁと感じました。
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決して再び戻りたくはないけれど、確かにあんな頃があったんだと、甘酸っぱいような、優しい気持ちで思いかえすきっかけになった作品。 「こっこ」こと琴子はいつも色んなことを考えている、「うるさいぼけ」が口癖のちょっと偏屈な小3生。 大事なことは大人からではなく、いつも親友の少年、「ぽっさん」との会話のなかで知っていくのだ。それを見守る祖父石太がまたいい! そして、作品の最後でぽっさんがこっこに謝るシーンは、何度読んでも胸を衝かれる。 ぽっさんが初めて、早く大人になりたいと願い、こっこが初めて「寂しい」という気持ちを体験したシーン。 それは、美しい夕焼けの情景と共に、読後も心に焼き付いているのだ。
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生まれてこの方こっこのような天才肌な視点は持ち合わせていないが、小学生のときの楽しかったこと、不思議だったこと、怖かったことやもやもやしていたことなど、自分でも分かってなかった感情が言葉にしてあり、手元に戻ってくる。こう感じてたんだなあ、と今になって驚いたようなすっきりしたような...
生まれてこの方こっこのような天才肌な視点は持ち合わせていないが、小学生のときの楽しかったこと、不思議だったこと、怖かったことやもやもやしていたことなど、自分でも分かってなかった感情が言葉にしてあり、手元に戻ってくる。こう感じてたんだなあ、と今になって驚いたようなすっきりしたような気持ち。とにかく登場人物のキャラが特濃で記憶に残る。読み終えたときの不思議な納得感が忘れられない。
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こどもの感覚がよみがえる。 自分の特別さをみんなに知らしめて、ハッとさせたいこっこ。かわいらしくて、生意気で、「イマジン」がまだまだ足りない。 個性むき出しの動物園みたいなクラスが、読んでいてつらい程懐かしい。阿呆でも変態でも難民でも、みんなそれぞれ、何でもありなこども達の関係。 そして、かなり重要なのがぽっさん。ぽっさんの存在はこっこの財産だと思う。終盤、読んでいて本気で好きになってしまった。これからもふたりには一緒にいてほしい。 「これが、(いち、に、さん)命なんです。」
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大阪の団地で大家族と暮らす少女の日常が小気味よい大阪弁を交えて活写される。膨らみ続ける自我と葛藤し、自分をとりまく社会の理不尽さに小さな胸を痛める少女の姿がけなげであり、そんな彼女を優しく見守る人々の存在が暖かい。読み進めるうちに幾度となく自分が小学生だったときの記憶の断片が蘇る
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こっこ、読み始めは生意気な子供感に入り込めなかったけど、読んでいくとどんどんかわいく思える。不器用で偏屈な小学生ってこんな感じかあ。 でももてあます自意識というか孤独への憧れ、共感してしまう。こっこ、少しだけ孤独を知ってちょっと大人になってしまうのね。 いまじん。 ぽっさん...
こっこ、読み始めは生意気な子供感に入り込めなかったけど、読んでいくとどんどんかわいく思える。不器用で偏屈な小学生ってこんな感じかあ。 でももてあます自意識というか孤独への憧れ、共感してしまう。こっこ、少しだけ孤独を知ってちょっと大人になってしまうのね。 いまじん。 ぽっさん、素敵。個性は目的にしない、そんなん大人がいうことですよ!隣にぽっさんのいるこっこ、うらやましい。超頼りになるよ。私も心にぽっさんを、でがんばります。 玉坂部長、ふりきったキャラで面白すぎ。もっと将の話を聞きたい!いや読みたい!
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鼠人間が捕まったあと、ぽっさんが泣きながらこっこに謝るシーン。すまんかったな。ぽっさんが謝ることあらへん。ぽっさんは早く大人になりたいと強く思った。こっこはぽっさんが自分より先に死んだら悲しいだろうなと思った。 ご尊顔を踏んでくれはりますのん。
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公団住宅に住む「琴子(こっこ)」は小学校三年生。家族は三世代8人が仲良く暮らしている。琴子は祖父母、両親、三つ子の姉に大切にされて伸び伸びと育っている 六畳の部屋に中華料理店から来た大きな円卓があり、料理がくるくる回ってくる、家族もいささかユニークで個性的。 ユニークといって...
公団住宅に住む「琴子(こっこ)」は小学校三年生。家族は三世代8人が仲良く暮らしている。琴子は祖父母、両親、三つ子の姉に大切にされて伸び伸びと育っている 六畳の部屋に中華料理店から来た大きな円卓があり、料理がくるくる回ってくる、家族もいささかユニークで個性的。 ユニークといっても琴子はこの年頃からはみ出ているわけではないが、周りが気になり始めた年頃で、そのあたりがとても面白い。憧れの同級生がモノモライが出来て眼帯をしている、いいなぁ眼帯。 発見に満ちた日常をジャポニカ学習帳に書いている。 元気がよく、孤独好きの硬派である。隣りの棟に住む同級生のぽっさんがまたいい、琴子の少し過激な心を、吃音気味の言葉でゆっくり解き聞かせる、将来が楽しみな男の子だ。 気になる同級生を観察したり、知らない家庭を訪問したりて、琴子の少しずつ広がっていく世界がユーモラスにしみじみと綴られる。 珍しい中学生の三つ子のお姉ちゃんたちは健康的で個性的で優しい。両親に似て揃って美人ナところがまた楽しい。 西さんの直木賞受賞作「サラバ!」が積んであった時がある。違った感動があるようで期待が膨らんでくるが、そのうち読んでみなければと楽しみにしている。
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おどろくほどの、子供目線での描写。純粋でけったいな。 そこが西さんの表現力の妙なんだろうな。 “孤独”である事でアイデンティティを気付こうとする女の子は「サラバ!」に通ずるところを感じたが、ここも西さんの実体験から? ビールの味は『至極のカ行』にほっこり。
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