円卓 の商品レビュー
なんやこれー、めっちゃおもろいー ことこ、めっちゃかわいいー 的な感じで前半はサクサクと読み進めていったのだけれど、日常英会話辞典が出てきたあたりから、作品の様相が変わってくる ことこの言葉を借りれば、重力によって、ぐぐっと、気持ちをひっぱられる 言葉にできないもどかしさ、戸...
なんやこれー、めっちゃおもろいー ことこ、めっちゃかわいいー 的な感じで前半はサクサクと読み進めていったのだけれど、日常英会話辞典が出てきたあたりから、作品の様相が変わってくる ことこの言葉を借りれば、重力によって、ぐぐっと、気持ちをひっぱられる 言葉にできないもどかしさ、戸惑い、悩んで、大人になるということ 前半と後半で、ことこは大きく成長する 読者は、読み始めたら最後、渦をまく円卓の中に放り込まれたように、この作品の中から出られない それはまるで、人生、そして、生きるということは、確実に死に向かっているということ 大人になるということは、死に近づいているということ ぽっさんと話すことこ、わからないことをわからない、であるとか、自分の思いであるとかを言葉で伝えることができるのは、ことこの力だ それに寄り添って一生懸命話すぽっさんはかっこいい 解説にもあるけれど、ぽっさんの吃音や、幹成海の繊細さ、外国籍の子どもたちなど、作品は子どもの全てを受容する こんな世界であったなら、わたしはもっと、自分に向き合うことができただろうか 重力をきちんと感じることができただろうか
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元気いっぱいの小学3年生「こっこ」の日常。子どもたちの生活って大阪弁で書いたとたんに生き生きしてくる。この思い込みの嚆矢は「じゃりん子チエ」あたりだろうか。それと小説の主人公になる子どもたちは、男の子はもの静かで考え過ぎなほど思慮深く、女の子は元気一直線の直感型って感じが多い気が...
元気いっぱいの小学3年生「こっこ」の日常。子どもたちの生活って大阪弁で書いたとたんに生き生きしてくる。この思い込みの嚆矢は「じゃりん子チエ」あたりだろうか。それと小説の主人公になる子どもたちは、男の子はもの静かで考え過ぎなほど思慮深く、女の子は元気一直線の直感型って感じが多い気がするなあ。世の中の大勢とは違うかもしれないけど、文学に進む男女の性向とは重なっている気が。 ヒロイン願望たくましきこっこはご不満らしいけど祖父母、父母、三つ子の姉と暮らすにぎやかな毎日がうらやましい。みんないいキャラ。夕食の円卓にのる麻婆春雨茄子豆腐とか鶏と野菜の酢醤油煮とかおいしそう! こっこの友達も魅力的。特に老成感のあるぽっさん。そして、これも大阪ならではだろうか、さらっと書かれている在日韓国人の朴くんのこと。 子どもって大人が忘れてしまっているだけで、周囲を慮って発言したり黙っていたり、思っているのと違う「子どもらしい」振る舞いをしたりできるものなんだよね。うまく表現できないことはあるけど、思っていることは大人並みかそれ以上だったりする。
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★★★☆☆ 初めての西さんの作品。主人公の女の子が小学3年生という設定が絶妙。子どもすぎるわけじゃない。だけど大人びた子ども、ーまでいかない。純粋に自分がかっこいいと思うことをそのまま表現するこっこ。そこに世間の常識なんていう価値観は存在しない。気になったことや言葉をジャポニカに...
★★★☆☆ 初めての西さんの作品。主人公の女の子が小学3年生という設定が絶妙。子どもすぎるわけじゃない。だけど大人びた子ども、ーまでいかない。純粋に自分がかっこいいと思うことをそのまま表現するこっこ。そこに世間の常識なんていう価値観は存在しない。気になったことや言葉をジャポニカに書いておく。ありきたりな日常の中に見える異質なもの。それはこっこの宝物のように、日々を彩っているように思える。
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小学生こっこが主人公。 同級生がしてきた、眼帯!かっこええ!! 仲良しのぽっさんの吃音!かっこええ!! 男子が不整脈で倒れる!かっこええ!! 大人は、不名誉だとか隠したいとか病気だとか できるだけ人に見せたくない姿だけど こっこからしたら、自分にないそういう非日常の姿が とて...
小学生こっこが主人公。 同級生がしてきた、眼帯!かっこええ!! 仲良しのぽっさんの吃音!かっこええ!! 男子が不整脈で倒れる!かっこええ!! 大人は、不名誉だとか隠したいとか病気だとか できるだけ人に見せたくない姿だけど こっこからしたら、自分にないそういう非日常の姿が とてつもなく「かっこいい」だからマネしたくなっちゃう。 大人から見たら不謹慎の一言になっちゃうけど そうそう、自分だって包帯にあこがれた時期あった(笑) 松葉杖ついてみたい、と思ってたこともあった。 実際やってみたら、こんな不便なことなかったけど。 そんな素晴らしい人生の春を過ごすこっこたち小学生 もう夏も過ぎて秋にさしかかろうとしている 今の大人の私には そっちの方がずっとかっこいいよ。
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自分もかつて、こっこと同じ年齢を過ごした。なのに、忘れていた。持てなくなった。そういうものが詰まっている。 たくさんのことを思い出すと同時に、新たなことを思い始める。
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こっこ、小学3年生。孤独に憧れ、「うるさいぼけ」が口ぐせ。かわいそうな生い立ちや境遇の友達を羨ましく思い自分にはなにもないと感じる。たくさんの価値観に出会い自分とはなにかと3年生なりに消化していく。個性的な面々がおもしろい。
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こっこが変わった女の子で、途中までは楽しく読んでいました。 こっこの友達で吃音の男の子が出てきます。 吃音で悩んでいる立場からすると、吃音かっこいいと言われても不愉快でしかありません。。
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すっごいよかった。 大人が書いた子どもじゃなくて、 ほんとに子どもそのものの感覚というか。 西加奈子すごい。 こっこも大好きだし ぽっさんも大好きだし、 家族のみんなも学校のみんなも 個性的で楽しかった。 こうやってみんな一生懸命 大人になっていくんだなぁ。 自分もそうだった...
すっごいよかった。 大人が書いた子どもじゃなくて、 ほんとに子どもそのものの感覚というか。 西加奈子すごい。 こっこも大好きだし ぽっさんも大好きだし、 家族のみんなも学校のみんなも 個性的で楽しかった。 こうやってみんな一生懸命 大人になっていくんだなぁ。 自分もそうだったのかと思うと ちょっとこそばゆい読後感。
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初西加奈子さん。公団六畳中華屋の円卓。様々な子供。鼠男。美人三姉妹にゴシック書きの妹。ジャポニカ。刺繍。蟻。蜂の子。吃音の賢者。鹿が逃げ出し、言葉の紙吹雪。 白黒も含めてカラフル。読後が良いな。
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西加奈子節炸裂です。彼女の性格さながらの強烈な性格の小学3年の少女が主人公で、何事も自分の感性信じて行動し、他社の意見に惑わされる事無く突き進んで行く様はある意味爽快。その代り世間一般で良しとされる感情の動きや常識に全く価値を認めない為、どこまで世の中と折り合う事が出来るのか心配...
西加奈子節炸裂です。彼女の性格さながらの強烈な性格の小学3年の少女が主人公で、何事も自分の感性信じて行動し、他社の意見に惑わされる事無く突き進んで行く様はある意味爽快。その代り世間一般で良しとされる感情の動きや常識に全く価値を認めない為、どこまで世の中と折り合う事が出来るのか心配になる少女でもあります。回りにいる家族友達も皆漫画のようにディフォルメされているにも関わらず妙に存在感が有って、そんなやつおるか!!と突っ込みを入れたくなる小学生ですが、寓話として面白いです。
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