代替医療解剖 の商品レビュー
実際に医者が施している治療や治療薬は、いくつもの臨床検査を行った上で処方されているが、代替医療ではそういうのが無いため効果副作用がわらかない・・・恐ろしい メディアは、医療については容赦なく叩くが、代替医療については特に何もなく、むしろプラス(根拠なし)の面ばかり取り上げる現実...
実際に医者が施している治療や治療薬は、いくつもの臨床検査を行った上で処方されているが、代替医療ではそういうのが無いため効果副作用がわらかない・・・恐ろしい メディアは、医療については容赦なく叩くが、代替医療については特に何もなく、むしろプラス(根拠なし)の面ばかり取り上げる現実が視聴する側としても、キチンと見極めが必要だと感じさせられた
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鍼はコントロールとして対照を置けない!ため効果を検証しにくい。鍼のプラセボ効果は確かに強そうな気がする。
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本書で主として取り上げられている代替医療は、「鍼」「ホメオパシー」「カイロプラクティック」「ハーブ療法」の4種類(他のものも多数とりあげられている)。 科学的な検証の結果は本書を是非読んで欲しいが、プラセボ効果との兼ね合いもあり、素人では判断はなかなか難しいところ。だからこそ、専...
本書で主として取り上げられている代替医療は、「鍼」「ホメオパシー」「カイロプラクティック」「ハーブ療法」の4種類(他のものも多数とりあげられている)。 科学的な検証の結果は本書を是非読んで欲しいが、プラセボ効果との兼ね合いもあり、素人では判断はなかなか難しいところ。だからこそ、専門的な検証をきっちりとして欲しいものだ。特に、代替治療に効果があると主張する人たちは、それを科学的に証明する義務があるだろう。少なくとも、9歳の少女が実験で得た結論を覆すことができるだけのことを(p.363~364)。 笑える逸話としては『謎の殺人化学物質』という記事で取り上げられた一酸化二水素(DiHydrogen MonOxide:DHMO)だろう。まんまと欺される人もいるだろうなぁ(p.444~445)。
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科学系の読み物で有名なサイモン・シンの最新作が文庫化されたため購入。 実は過去に『フェルマーの最終定理』に挑戦して理解できず途中で断念したことがあったが、今回は数学ではないので挑戦してみた。 いざ読み始めたら、その文章の読みやすさと展開の面白さで一気に読み終えました。 現代科...
科学系の読み物で有名なサイモン・シンの最新作が文庫化されたため購入。 実は過去に『フェルマーの最終定理』に挑戦して理解できず途中で断念したことがあったが、今回は数学ではないので挑戦してみた。 いざ読み始めたら、その文章の読みやすさと展開の面白さで一気に読み終えました。 現代科学に裏付けされている医療の本流とは異なる「代替医療」と呼ばれるものは本当に効果があるのか。 「神秘的なものを科学的に解明する」という、個人的に一番のめり込めるテーマだった。 主に鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法の4つを題材としながら『科学的根拠に基づく医療』の考え方を解説してくれる。 予想通りではあったけど、やっぱりプラセボ効果(偽薬効果)が重要なキーワードになっていて、プラセボなのか治療の効果なのか、その見極めが本著の主題でもあった。 プラセボだとしても治ればいいじゃないか、という意見もあるが、安全性・コストの面から見ても、ほとんどの場合、代替医療は利用するだけの価値がないようだ。 過去に鍼治療で腰痛が治ったことがある身として、ぜひ仕組みを解明して欲しかったがそうはいかなかった。 -- Memo: p221 メタ・アナリシスは、確率的誤差と、選択バイアスを最小化する p412 腰痛治療に柔軟体操、ストレッチなどには効果がないことを示す科学的根拠がある。 p467 すべての代替医療は、たいていの症状に対し、今日にいたるも効果が証明されていないか、または効果のないことが証明されており、いくつかの代替療法は患者に害をなす危険性があるということだ。
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サイモン・シンの最新作だけど 書評読んで今までとは方向が違うようなので 躊躇していたのだけど 読んでしまった やっぱりサイモン・シンに 求めるものとはちがうなあ 鍼について好意的なWHOの報告に ダメだしするとか驚いたこともあったけど やっぱり
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現在の医療における主流派ではない、代替医療について、 その効果について明らかにしている。 本書で主に取り上げられているのは、世界で利用者も多い ・鍼治療 ・ホメオパシー ・カイロプラクティック ・ハーブ療法 が対象だが、それぞれを検証する前に、 まずは現代の『科学的根拠に基づく医療』の発展の経緯から紹介されている。 それによると、 『科学的根拠に基づく医療』が広く認知されてきたのは二十世紀も半ばのことであり、 言葉ができてからはまだ20年ほどしか経っていない。 一八世紀にジェームズ・リンドが壊血病に対して行った臨床実験から始まり、 ナイチンゲールによる衛生との関連性の実験や、ヒルとドールの喫煙とガンの関係性をレポートであったり。いずれも従来医療の常識を覆している。 伝統・信仰により行われてきた従来の医療に対して判決を下し、よりよい方法を判断する。 『科学的根拠』と名がついているものの、そこには科学的な原理解明は必須ではなく、 あくまでも客観的に再現可能な方法で、プラセボ効果も(できる限り)影響させない状況で効果があるのか無いのかを評価していくだけのことであり、代替医療と呼ばれているものについても、効果有りと判断できる実験結果さえ整えば『科学的根拠に基づく医療』は受け入れる立場である。 そして先の代替医療に対する結論としては 鍼治療、ホメオパシーについては プラセボ効果以上の効果はないと言っていい状況である。 ハーブ療法についても、その成分の働きは認められるものもあるものの 検証されているものについては既に現代医学に組み込まれている。 自然からなるハーブであっても、化学合成された医薬品と同様に効能も副作用もある。 そして、カイロプラクティックについては十分な臨床実験が行われておらず、 業界もその検証については非協力的である。 鍼治療については実際に人体に針を打ち込む必要があるため、 偽薬による対照実験が行えず、刺さらない偽の針や、経穴をずらす偽鍼を対照に用いている。 施術者に対する二重盲検法は行えていない。 科学的に効果が無いと判断されている代替医療について、 いまだ多くの利用者が存在するのは、メディアによる宣伝効果やプラセボ効果によるものが大きい。 プラセボ効果であっても、効果があればよいのではないかという意見も存在するが、 代替医療に頼ることにより通常医療を受ける機会を失うことや、 ハーブ療法等は実際に効能があるために、通常医療との併用で悪影響を及ぼすことが有る。 また、鍼治療では少ないものの、カイロプラクティックではその施術により体を壊してしまうこともある。 『科学的根拠に基づく医療』が目指すのはあくまで 患者に対する誠意有る態度であり、一度結論づいた内容であっても批判があれば検証が行われている。 伝統医療からすれば日が浅いが、十分に信用に足るものであることは、本書を読めば重々に伝わってくる。 しかし、現代医療は万能ではないし、WHOも早計な発表をしてしまうことがある。 メディアは注意を引くためにセンセーショナルに不安を煽ったり、代替医療の神秘を謳う。 惑わされずに正しい事に、時間・資金・精神を使うために、 このような本が読めたことは嬉しい。
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サイモン・シンさんの著作は文庫版ですべて楽しく読みました。 代替医療の評価は説得力ありますしその効果解明のエピソードも面白かったのですが、でも代替医療が無くなることは無いと思う。今の「正当な?」医者がどれだけ患者に時間を費やせているのか?。多少効果に疑問があっても患者の言うことに...
サイモン・シンさんの著作は文庫版ですべて楽しく読みました。 代替医療の評価は説得力ありますしその効果解明のエピソードも面白かったのですが、でも代替医療が無くなることは無いと思う。今の「正当な?」医者がどれだけ患者に時間を費やせているのか?。多少効果に疑問があっても患者の言うことに耳を傾けてくれるところに人は流れて行くのではないかと。それが高く無益で、それどころか有害かもしれなくとも。 僕には現代の医者に不信感を持っている。本書を読んでも拭いきれないほどの。
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第1章では、科学的に証明されていない治療法を施すことがいかに恐ろしい結果を引き起こすのか、を描いていた。ビタミンが発見されていない時代には、壊血病は船乗りにとって致命的な病気であり、血を流すことが治療となると信じられている時代には、瀉血がただしいと信じられていた。このように、医療効果を科学的に証明されていない治療法を使う恐ろしさをまざまざを知らされた気がした。 第2章以降は、個々の代替医療が科学的に証明できるかどうか・できたかどうかを論じている。鍼治療やホメオパシーと呼ばれる代替医療は、プラセボ効果にすぎないという結論が出せれていた。プラセボ効果があるなら、治療法としてはいいのではないかと思っていたところ、次のページで速攻で論破されていた。 最終章でも、なぜ、プラセボ効果しかない治療法が危険なのかも論じられており、納得できる内容であった。総じて、代替医療と呼ばれているものには、プラセボ効果以上のものはなく、また、それがあれば良い方であり、人体に対して有害なものもある。だからこそ、代替医療を安易に使うことを止めた方がいいのだろう。ただ、全員がこれを「知る」ことはできない。これが今後の一番の問題なんだろう。
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(ネタバレあり、です) 代替医療。それは、冷たい科学的な医療に対する暖かくて人間的なもうひとつの治療方法ではないのか。 読みながら、何度も息を飲んだりグゥの音をあげたり溜め息をついたり唾を飲み込んだりした。 本書では、鍼、カイロプラクティック,ホメオパシー、ハーブの4つの代替医療を「科学的に」検証している。 本書の結論は以下の通り。 (1)鍼はごく一部の症状に効き目があるが、それ以外にプラセボ(プラシーボ)効果を上回る効果はない。 (2)カイロプラクティックはある種の腰痛に効き目があるが、ほとんどはカイロプラクティックというよりはマッサージの効果であり、プラセボ効果を上回る効果はない。椎骨周辺を触ることにリスクがある。 (3)ホメオパシーはまったく効果がない。むしろかなり有害である。 (4)一部のハーブは一部の症状に確かな効果がある。使い方を間違えると危険(飲みあわせ)。その他は、プラセボ効果を上回る効果はない。 共同著者の一人、エルンストはホメオパシーの実践者、推進者であり、西洋医学ではなく代替医療で初めて大学の教授になった人だ。その人が、こういう結論に達している。 第一章はモノゴトを「科学的に検証する」ということを丁寧に解説している。科学的な検証によって否定された瀉血や強制労働などの有害な治療法。科学的な検証により肯定された感染症に対する清潔/消毒/ワクチンの有効性。二重盲検やランダムサンプリングなどの手法がなぜ大切なのか、豊富な事例を使って説明する。 その後、上にあげた4つの代替医療の有効性を順番に検証していく。 本書の白眉は「プラセボでも治るならいいじゃない」に対する反論だ。 (a)科学的に検証された現代医療の治療法では、生理的化学的な効果とプラセボ効果の両方を得られる。代替医療にはプラセボしかない。 (b)プラセボ効果は効果が不安定である。例えば、信じる人にしか効かずバレると効き目が無くなる、同じ症状に対する処方がバラバラ、など。 (c)プラセボでは治らない病気がある。ビタミンの欠乏による壊血病、不潔な環境での感染症など。代替医療は概して「何にでも効く」と主張する。 (d)プラセボは進化しない。現代医療は進化改善し続けている。 (e)現代医療は、医師も製薬会社も厳しい何段階にも及ぶ審査が課せられている。それでも医療事故が起きている。代替医療にはそれがなく、簡単なトレーニングで治療者になりほぼノーチェックで薬を処方している。その結果起きている事故について、あまり知られていない。 などなど。 私個人は、家族友人に現代医療の従事者が多いこと、それなりに科学的論理的な思考を好むことから、どちらかといえば現代医学寄りの人間だ。一方で、文化人類学を研究したことから、近代科学になじまない考え方の価値をも大切に思っている人間だ。 ホメオパシーは完全にアウトだと思っていたが、鍼を含む東洋医学や、カイロプラクティックと通じるところのある整体には惹かれるものがあり、「信じれば救われる」のを良しとする信条の持ち主だ。 代替医療に対しては「プラセボよりはある程度マシな効果がある」と思っていたのでショックを受けている。本書は「ほぼプラセボしかない」と言っているから。 読み終わって「ちょっと待ってくれ、時間が欲しい」と著者に呼びかけてしまった。 ただ、これだけは言える。 本書が大前提にしている「(本人や周りの意思と関係なく)病気が治ることは良いことだ」は、常にそうとはいえず、良い場合とそうとは限らない場合があるということ。 本書の「科学的な検証」が有効な射程とそうでない領域があるということ。 全体は部分の集合ではなく、生物としてのヒトは細胞の集まりかもしれないが生きている人間はそれ以上の何かであるということ。 なお、少々気になったのは、本書の肩入れ。代替医療の*効果*になると科学的に有為かを厳しくチェックしているが、代替医療の*副作用*となると(代表性バイアスにとらわれる傾向にあるなど)科学的な態度ではなく「ほら見ろだから代替医療はダメだ」という傾向が見られる。この点は残念。
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鍼や整骨、ハーブ療法など、広く用いられていながら未だ科学的医療のお墨付きをもらっていない代替医療。 それらに焦点を当て、科学的見地から有効性を検討しよう…という試みがとても興味深かった。 はじめに過去の似非医療法が暴かれた史実とその方法論が語られるため、読者は抵抗なく科学的な検...
鍼や整骨、ハーブ療法など、広く用いられていながら未だ科学的医療のお墨付きをもらっていない代替医療。 それらに焦点を当て、科学的見地から有効性を検討しよう…という試みがとても興味深かった。 はじめに過去の似非医療法が暴かれた史実とその方法論が語られるため、読者は抵抗なく科学的な検討とは何かを知ることが出来る。 その後、現代に蔓延る代替医療の歴史、それについて行われた実験と、結果からの考察が述べられる。 好感が持てるのは、本書の目的が科学の権威で代替医療を潰そうということではなく、あくまで公正に(この場合、科学的という意味で)効力を判断しており、有効なら活用していこうという柔軟で前向きかつ真摯な姿勢を貫いていることだ。 WHOの見解をただ鵜呑みにするのではなく、そこからもう一歩踏み込んで検証していることに驚く。そういった切り込み方が中身をより濃くしている。 科学的な検証、疑いを晴らすための論議では、ロジカルな思考を楽しめるし、付随して語られる史実は驚きを与えてくれるので、伝記と科学本をないまぜにしたようなテイストで飽きない。
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