代替医療解剖 の商品レビュー
読んでよかったと言える本。皆にもお勧めしたい。 この著者のシリーズは興味深い話が多い。 現代医療の臨床検査による医療の効果の測定について、今では当たり前になっているけど、思ったよりも最近になってから定着したのだという印象を受けた。 自分が歳をとったので、100年前というのが、...
読んでよかったと言える本。皆にもお勧めしたい。 この著者のシリーズは興味深い話が多い。 現代医療の臨床検査による医療の効果の測定について、今では当たり前になっているけど、思ったよりも最近になってから定着したのだという印象を受けた。 自分が歳をとったので、100年前というのが、古いとは思うが、以前よりも近いと感じるためだと思う。 また、私も鍼には効果があるのでは?ってなんとなく考えていたけど。まったく効果がないとは、そこはちょっと意外だった。 海外の話だが、ホメオパシーのようないかにもいい加減に聞こえるものが大手を振って医療行為としてなされているかと思うと怖くなった。
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二千年以上前にヒポクラテスは警告した。 「科学と意見という、二つのものがある。 前者は知識を生み、後者は無知を生む」 本書は一言で言うと、怪しい代替医療手段に手を出すのはやめましょう、という点に尽きる。 なぜならば、通常医療はコストのかかる臨床試験を経て効用と安全性が実...
二千年以上前にヒポクラテスは警告した。 「科学と意見という、二つのものがある。 前者は知識を生み、後者は無知を生む」 本書は一言で言うと、怪しい代替医療手段に手を出すのはやめましょう、という点に尽きる。 なぜならば、通常医療はコストのかかる臨床試験を経て効用と安全性が実証されているのに対し、代替医療は無法地帯のように効能ばかりが強調されているが科学的に立証されていない。 代替医療はプラセボ効果以上のものはないという結論である。 「フェルマーの最終定理」などの著書で有名な科学ルポライター、サイモン・シンと、自らホメオパシーを施術する代替医療分野における世界初の大学教授絵エツァート・エルンストによる共著である。 本書では鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法の成立から現在に至るまでを詳細に検証し、それら代替医療の効果について論じている。 そして、付録には上記以外の三十以上にものぼる代替医療についても言及されている。 代替医療が危険なのは、代替医療が有効だと信じ込み、通常医療に影響がある、もしくは通常医療を中止してしまうことで取り返しのつかないほど病状が進行してしまう可能性がある。 本書が冒頭で「チャールズ皇太子に捧ぐ」と書かれているのは、最大の皮肉である。
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ホメオパシーやカイロプラクティックなどの代替医療について、施術者が謳う効果があるかどうかを科学的に分析する。 第1章でレモン果汁をとることで壊血病の発生率が劇的に改善された例等をあげて、「機能のメカニズムは不明でも対照実験を行い、統計的に有意な結果が出ればその治療方法は効果がある...
ホメオパシーやカイロプラクティックなどの代替医療について、施術者が謳う効果があるかどうかを科学的に分析する。 第1章でレモン果汁をとることで壊血病の発生率が劇的に改善された例等をあげて、「機能のメカニズムは不明でも対照実験を行い、統計的に有意な結果が出ればその治療方法は効果がある」を明確にした上で、メジャーどころの代替医療を分析。 結論としてはほとんどの代替医療はプラセボ効果以上のものはない。だが、それが今や大きなマーケットになってしまっている現状とそれを手助けした「犯人」についての言及はきびしい。
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鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法、等々の代替医療に本当に効果はあるのか?というテーマに科学的に向き合った本。 「科学的に」と書くと、自然界には科学で解明できないようなものも多くあるから、科学で説明できないからといって、これらの代替医療をダメと決めつけるのはよろし...
鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法、等々の代替医療に本当に効果はあるのか?というテーマに科学的に向き合った本。 「科学的に」と書くと、自然界には科学で解明できないようなものも多くあるから、科学で説明できないからといって、これらの代替医療をダメと決めつけるのはよろしくない、という意見が出てきそうだし、実際Amazonのレビューでも同様の意見を書き、本書を批判している人もいる。 ただ、その批判はこの本をちゃんと読まないままに発せられている。 本書ではその治療が効く、効かないを科学的に説明するものではない。「なぜその代替医療が病に効くのか?」という問いは全く発していない。逆に、効果があるのなら、その理由が解明されていなくても良いという立場だ。 本書で「科学的」アプローチがとられるのは「それは本当に効いているのか?」という効果測定方法だ。 人間には、思い込みで起きる「プラシボ効果」という現象がある。高価な薬や、体験したこともない治療法に出会うと、その心理的なものだけで、痛みが消えてしまったり、元気が出たりする。 このプラシボ効果を可能な限り排除して、代替医療の真の効果を測定し、評価している。そこに、「なぜ効果があるのか?」というものに対する回答は必要ない。 この評価方法で出された答えには、中々対抗しづらいものがあるのでは?という気がする。 ここで鍼、ホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法のどれが効果が認められる代替医療なのか?という結論は書かないでおく。評価方法を知らないままに結果だけ聞いたとしても説得力はあるまい。 その結果を知りたい人は是非本書を手にとって欲しい。
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「DJの首を吊し上げろ、奴らの音楽は俺の人生に何の役にもたっていない」(The Smith 「Panic」) 優れた科学ジャーナリストであるサイモン・シンが、代替医療の学術的研究を行うエツァート・エルンストとの共同作業により、鍼治療、カイロプラクティック、ホメオパシー、ハーブ療...
「DJの首を吊し上げろ、奴らの音楽は俺の人生に何の役にもたっていない」(The Smith 「Panic」) 優れた科学ジャーナリストであるサイモン・シンが、代替医療の学術的研究を行うエツァート・エルンストとの共同作業により、鍼治療、カイロプラクティック、ホメオパシー、ハーブ療法等のいわゆる「代替療法」について、数多の先行研究を踏まえて科学的なプロセスによる効果検証を行い、その結果をまとめ上げた一冊。 検証にあたってのスタンスは決して「代替医療は効果がある/ない」というどちらかの立場に与するものでもなく、また生理学的な効用をもたらすメカニズムがわからないとしても、それが実際に効果があるのか、もしくはないのかという面だけのフォーカスを置いた点で極めて公正なものである。また、冒頭では医療の効果を検証するために先人が生み出した様々な科学的プロセスの解説が置かれ、本書の検証もまた同様のプロセスを踏んでいることが示される。 さて、結論としての代替医療の効果は概ね否定的なものとなっている。何も治療を施さない場合と比べて、明示的な効果がない、ということもさることながら、代替医療の問題の一つは副作用、通常医療に比べて高額になりやすい費用面、代替医療よりも効果のある通常医療を中止してしまうことによる症例悪化リスク、等が説明される。 何よりも問題なのは、様々な研究によりその効果が疑わしい代替医療がここまで大きなマーケットとして成立してしまっている背景、つまりなぜ人々は代替医療に入れ込んでしまうのか、という心理面の問題である。その仮説として挙げられるのは、通常医療の主体である医師があまりの多忙さ故に一人一人の患者にじっくりと向き合うことが難しく、患者が通常医療の科学的な効果やエビデンスを理解することができないからではないか、という点である。 なお、末尾ではこうした代替医療の問題点にも関わらず、疑わしい代替医療を広めた責任者として、セレブリティ、大学、政府機関、WHO等の10のプレーヤーが明示されている。首を吊らすべきなのは誰か、考えなければいけない。
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とりあえず、自分や身近な人を殺してしまわないためにも、すべての人に読んで欲しい本。 代替医療を科学的アプローチから、有効かどうかを判断して行く本です。 無害ならまだしも、施術から数年後に悪影響の出る可能性のある治療法があったりして、ちょっとぞっとします。 癌は治療するなとか、肉は...
とりあえず、自分や身近な人を殺してしまわないためにも、すべての人に読んで欲しい本。 代替医療を科学的アプローチから、有効かどうかを判断して行く本です。 無害ならまだしも、施術から数年後に悪影響の出る可能性のある治療法があったりして、ちょっとぞっとします。 癌は治療するなとか、肉は食うなとか、そういった情報を受けたときに、実践に移る前にちゃんと考えてみるための参考になります。 ただし、これ読んだら、ブラシーボ効果が効きづらくなる可能性があるので、そこら辺は覚悟の上で。(^^;
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自然派のお手当てを幾つか学んだり、やはり代替医療に惹かれる気持ちを否定できない自分。それをサイモン・シンが解剖してくれるというなら喜んで!と手に取ってみた。 代替医療を信奉する人には辛い内容らしいというのは聞いてはいたが、最後のページに至るまで全否定とは思わなんだ。容赦なし。 擁護するわけではないが、”対処療法”であって”根本治療”でない西洋医学のアプローチで、”自然治癒力を高める根本治療”を目指す東洋医学等を分析しようとするのは、些かアンフェアではないか、とも思うし、また「なんでも治します」的な宣伝をする質のよくない代替医療と一緒くたにしないでほしいなー、とも思うよね。 だが、確かに代替医療をなるべく多くの人に広めようと思うと、こういうアプローチで尚且つ結果を出すことがとても大切なのは、すごく納得する。実際、わけもわからず言ってるなー、とか、ないわそれ、と思うこともいっぱいあるしね。 結局、自分でしっかり調べて考えることが大切、という気持ちを新たにさせられたこと、そして、この手のものに陥りやすい人に何らかの助けになれる本、ということで、やっぱりサイモン・シンはすごいなーと思った本でした。
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ホメオパシーは怪しいと気付いている人でも、鍼灸、カイロプラクティック、漢方を疑いなく信じている人は多い。 科学は今の時代でも万能ではなく、推論の積み重ねであり、原因が完全に解明されないまま利用されているものは多数ある。だが、本書が軸としているのは科学的根拠の究明ではなく、臨床試験...
ホメオパシーは怪しいと気付いている人でも、鍼灸、カイロプラクティック、漢方を疑いなく信じている人は多い。 科学は今の時代でも万能ではなく、推論の積み重ねであり、原因が完全に解明されないまま利用されているものは多数ある。だが、本書が軸としているのは科学的根拠の究明ではなく、臨床試験とその結果を収集した系統的レビュー。ランダムで選ばれた患者に対し、二重盲検法によって試験担当者も対象者も本物の薬かどうか知らされないまま検証し、プラシーボの効果を排除してその効果を測定する。 正規の医薬品だろうと鍼治療だろうと霊感診療だろうとその理論はさておき、同じ検証プロセスを通してこそ何が有用で何が有害であるのかが正しく判定される。その結果、ほとんどの代替医療にプラシーボ以上の効果がないことが明確にされるが、代替医療の信奉者にこの事実を明らかにしたところで、恐らくほとんどが聞く耳を持たないだろう。 いくら正しいデータを並べようが、科学者が言葉を尽くそうが、人の信仰というものは簡単に破れるものではない。一般的に信仰のきっかけとは日常への不安や絶望からくるものだが、代替医療にハマるきっかけは現代医療に対する失望にある。医療制度が整った日本であっても、病院に不信感を抱くシチュエーションは簡単に想像できる。長時間待たされ、たらい回しにされた挙句、数分の会話で薬を処方されて終わり。こんな流れ作業では患者が一番必要とする『安心感』が得られず、プラシーボの効果が薄まることさえあるだろう。それは「医者なんだからこの苦しみを完璧に取り除いてくれるのが当然だ」と完全性を期待してしまう患者の無理解と相まって、優しいだけだが優しさがある代替医療という甘い罠に誘い込ませる。 斯様に未だもって現代は信仰が支配する時代であるが、これは代替医療に限ったことではない。政治・経済にとどまらず、科学の分野においてさえ、「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな話に根拠のない確信を持つ人は多い。自覚のない信仰に自ら気付く術はあるのだろうか。せめて、自分自身にも未だ見えない信仰があるのだろうということを覚えておき、信じ難い意見にも心を開けるようにしたい。
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前作に比べて、代替医療に対する批判色が強い作品ではあったが、いつもながら読者を引き込む作りである。主流医学が幾つもの臨床試験を重ね、科学的根拠に基づいて発展してきたのに比べて、巷の多くの代替医療は、謳っている効能のほとんどが科学的根拠も乏しく、プラシーボ効果以上の効力を持たないこ...
前作に比べて、代替医療に対する批判色が強い作品ではあったが、いつもながら読者を引き込む作りである。主流医学が幾つもの臨床試験を重ね、科学的根拠に基づいて発展してきたのに比べて、巷の多くの代替医療は、謳っている効能のほとんどが科学的根拠も乏しく、プラシーボ効果以上の効力を持たないことが臨床試験から既に明らかにされている。また、主流医学では、ある一つの治療法が特定の疾病・疾患にターゲットを絞っているのに対し、代替医療では、あれもこれもみんな効きますという万能性を謳っているものが多く、これらも冷静に考えれば、そんな都合のいい話はないと思えるだろう。こういった科学的リテラシーを養うには最適な1冊であった。最後にシン氏が述べていることが印象的だったが、何故効かないと分かっていてもなおこういった代替医療が生き延びるのか?それは問診にほとんど時間をかけず患者の声に耳を傾けない「冷たい主流医学」になりがちな現代ではむしろ、じっくりと話を聞いてくれる代替医療セラピストにすがる患者が増えるのではないか、という意見に賛成である。
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代替医療について、科学的に突き詰めて考察できる。 おかげで、いろんなものが怪しく見えてくることになるが、逆にこれまでいろいろなことを信じすぎていたということか。 とりあえず、首に着けていた磁気ネックレスは外した。
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