人間にとって成熟とは何か の商品レビュー
器量、寛大さ、大人。尊敬すべき人物にはこのような要素が備わっている。成熟というキーワードもそのうちの一つである。成熟によって得られるものについて、はたまた成熟する方法について、論じられているだろうことを本書のタイトルは想起させる。しかしその思いにこたえることはない。偏った考えの鋭...
器量、寛大さ、大人。尊敬すべき人物にはこのような要素が備わっている。成熟というキーワードもそのうちの一つである。成熟によって得られるものについて、はたまた成熟する方法について、論じられているだろうことを本書のタイトルは想起させる。しかしその思いにこたえることはない。偏った考えの鋭い物言い、という点では貴重な意見といえる。 P38.人の性格は他責と自責に分けることができる。社会はさまざまな人間の集合体であるが、学問のできる人が社会で認められないと、他人を責める傾向にある。自分のせいではなく他人が悪いのだ。自信がないからではないかと思えるが、往々にして意気軒昂であり攻撃的である。また、他人に感謝しないことも特徴である。しかし著者は、このような人物は意識化では自信がないのではないかと指摘。自身の無能を直視するのが恐ろしいために他人を責めている。 P58.「この貧しいやもめは、だれよりもたくさん入れた。あの金持ちたちは皆、有り余る中から献金したが、この人は、乏しい中から持っている生活費を全部入れたからである。」聖書より。お金の価値は人によって決まる。裕福な人にとっては一千万円もはした金である。絆とは、物質的な困窮を救うための関係ではない。悪い運命をも引き受ける覚悟のことである。 P89.人間は人の世話にならずに生きていけない。問題は、どれだけ世話になったかを見極めることである。権利を行使すること自体は悪いことではないが、権利を当然のものとするのではなく、他社の支えによって得られたものであるという感謝の意を持つことが大切である。 P127.威張るという行為は、外界から語りかける本音をシャットダウンしてしまう。謙虚に一人の人間として付き合うと、誰もが貴重な知識を教えてくれる。 P163.田中真紀子氏が大学の新設を拒否したことについて。新設大学を減らす方向であるなら、関係各所に説明をし、未来の新設について認めない方針をとるべきであった。ゆるやかに舵を取ることが人間の叡智であり、急ブレーキは下手なドライバーの特徴である。
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残念。おもしろくなかった。ひどく断定的かつ否定的に感じた。 一部メモ p101「品というものは、多分勉強によって身につく。本を読み、謙虚に他人の言動から学び、感謝を忘れず。利己的にならないことだ。受けるだけでなく、与えることは光栄だと考えていると、それだけでその人には気品が感じら...
残念。おもしろくなかった。ひどく断定的かつ否定的に感じた。 一部メモ p101「品というものは、多分勉強によって身につく。本を読み、謙虚に他人の言動から学び、感謝を忘れず。利己的にならないことだ。受けるだけでなく、与えることは光栄だと考えていると、それだけでその人には気品が感じられるようになるものである。」 p114「苦痛や悲しみをどう受け止めるかということは、一つの立派な芸術だ。」 p127「謙虚に、一人に人として誰とでも付き合うと、誰もが私にとって貴重な知識を教えてくれる」
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最近、疑問に感じていたことが、 解決した気がした。 人間は矛盾した存在であることを 忘れてはならないと思った。 いろいろと許せることが多くなった と、最近は感じるのだけれど、 自分の「正義」でしか世の中を 測れなかった頃に比べて 「成熟」しつつあるのかも…と 自分を誇ってみる...
最近、疑問に感じていたことが、 解決した気がした。 人間は矛盾した存在であることを 忘れてはならないと思った。 いろいろと許せることが多くなった と、最近は感じるのだけれど、 自分の「正義」でしか世の中を 測れなかった頃に比べて 「成熟」しつつあるのかも…と 自分を誇ってみることにした。 ひとりよがりではないコピーを 書かねばと誓った。
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金スマ放送後すぐに購入。 曽野さんの濃い人生経験から語られる率直な文章で、指南書とまではいかないが、これから先大人になっていく上でどういう心持ちでどうしていく必要があるのか教えてくれる一冊。ただ批判的な意見が多く別の視点でとらえられないのかなと賛同出来ない所が多かった。
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曽野綾子さんは、とても語りっぷりがいいので購入したのだが。 結局、彼女がこの本の中で言いたかったことは、成熟についてだったのだろうか? 私がこの本を読んで得たのは、人間の生き方は千差万別であって、そのことを、素直に認めようということ。 曽野綾子さんが、年をとって、少々丸くな...
曽野綾子さんは、とても語りっぷりがいいので購入したのだが。 結局、彼女がこの本の中で言いたかったことは、成熟についてだったのだろうか? 私がこの本を読んで得たのは、人間の生き方は千差万別であって、そのことを、素直に認めようということ。 曽野綾子さんが、年をとって、少々丸くなったということだろか?
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もともと、女性作家は好きではなく、この人の小説も一つも読んでいないが、ここのところ、産経新聞の週一のエッセイーを読んで、(良い事言ってるは)の思いがあり、読んで見た。確かに(歳をとる事)と(自分らしく生きる)事についての、良い提言がいくつかあり、それなりに参考になった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
成熟とは、ということに言及しているというよりはどういう人生をおくればいいかという自己啓発に近いイメージ。 何点か時代遅れかも…と感じさせる部分があったが、著者の生きた時代背景を把握して読めば、個性を感じられておもしろい。 また、時を超えて通じる人を惹きつける人の共通点てやっぱりあるんだなーと再確認。
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どうもしっくりこないテーマがいくつかあった。 しかし、オリンピックのタレントの公約、私約のところはうなづけた。 「見切れる」は普通は使わない。 それを広告にするほうにも疑問を感じた。
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この方の本は今まで読んだことがなかったのです。食わず嫌い的な^^; ですが、これは面白いよと言われ手にしてみました。一気に読みました。かなり、共感できます。ことに3.11被害、ボランティアへの発言はうなづけます。
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20131102 成熟とは?自分の価値観を持って生きていけること。甘えるかどうかは別の事だと思うがそれも個人の価値観ではないだろうか。
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