人間にとって成熟とは何か の商品レビュー
自分の中の善だけでなく、悪も愛したいと思った。 (引用) 「私たちは先天的にも、運命的にも、常に中間の地点に立つようになっているのだ。私たちはいいばかりの人でもなく、絵に描いたような悪人でもない。よくて悪い人間なのだ。他人もまた同じだ。あの人もこの人も、似たりよったりなのだ。」...
自分の中の善だけでなく、悪も愛したいと思った。 (引用) 「私たちは先天的にも、運命的にも、常に中間の地点に立つようになっているのだ。私たちはいいばかりの人でもなく、絵に描いたような悪人でもない。よくて悪い人間なのだ。他人もまた同じだ。あの人もこの人も、似たりよったりなのだ。」 (引用ここまで)
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第一話 正しいことだけをして生きることはできない すべてのことに善と悪の両面がある/人間の心は矛盾を持つ/人生には“悪”を選んで後悔するおもしろさもある 第二話 「努力でも解決できないことがある」と知る 祈ったことのない人間は存在するか/「安心して暮らせる社会」は幻想/人生は想定外そのもの 第三話 「もっと尊敬されたい」という思いが自分も他人も不幸にする 「自分の不運の原因は他人」と考える不幸/代わりが利かない存在/老人なのに成熟していない人 第四話 身内を大切にし続けることができるか 憎む相手からも人は学べる/この世で最高におもしろく複雑なものは「人間」/相手の悪い運命をも引き受けられるか 第五話 他愛のない会話に幸せはひそんでいる 晩年を幸福感で満たすために必要なこと/1メートルボックスの幸福/最後を迎える老人の心は柔軟である 第六話 「権利を使うのは当然」とは考えない 感謝が抜け落ちた言葉/自分の立場を社会の中で考えられるか/遠慮という言葉で表される美学 第七話 品がある人に共通すること 思ったことをそのまま言わない/まちがった日本語を平気で口にする大人たち/心は開くが、けじめは失わない喋り方 第八話 「問題だらけなのが人生」とわきまえる 人は年相応に変化する方が美しい/「病気の話はやめにしよう」という提案/他人より劣ると自覚できれば謙虚になれる 第九話 「自分さえよければいい」という思いが未熟な大人を作る ほんとうに力のある人は威張らない/内面は言葉遣いに表れる/謙虚な人に貴重な情報を教えたくなるのが人間 第十話 辛くて頑張れない時は誰にでもある どんな仕事にも不安や恐怖はある/報われない努力もある/諦めることも一つの成熟 第十一話 沈黙と会話を使い分ける 衆人環視の中で仕事ができるか/友情のしるしとしての行為/お酒以上に魂を酔わせる会話 第十二話 「うまみのある大人」は敵を作らない 職業に向き、不向きはある/人間はみんな「ひび割れ茶碗」/想像力の欠如が招く混乱 第十三話 存在感をはっきりさせるために服を着る 破れたジーパンは幼稚な証拠/色で表現できること/「目立ちたくない」は卑怯な姿勢 第十四話 自分を見失わずにいるためには 広告を作る姿勢/ひとりよがりの文章に潜む「押しつけ」/自分を正当に認識できるか 第十五話 他人を理解することはできない おもしろさは困難の中にある/礼を言ってもらいたいくらいなら、何もしてやらない/正しく評価できる人はいない 第十六話 甘やかされて得することは何もない 芸が達者でなくても存在できる世界/非人道的なことがまかり通るスポーツ界の不思議/なぜ退化したことを自覚できない老人が増えたのか 第十七話 人はどのように自分の人生を決めるのか 「貴婦人」という名の白樺/人生は最後の一瞬までわからない/「ずたずたの人生」を引き受ける覚悟 第十八話 不純な人間の本質を理解する いいだけの人生もない、悪いだけの人生もない/幸せの度合いは誰にも測れない/いいばかりの人もいなければ、絵に描いたような悪人もいない
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清濁併せ持つ、というのが成熟した大人ということだと思う。それと、筆者はキリスト教の信者だそうで、他人にどうこう言われようが、自分の信念と美学を貫く、報われない努力もあるが、神は見ていてくださる、ということだった。
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最初目次を見た時は非常に惹かれたのですが、実際に文章を読んでみて最初の印象は、「すっごく読みにくい」でした。 理系の人間からすると「だらだらと文章が書かれていて、話題が次々飛んでいるようで、結論が分かりづらい」と感じました。 また、幾つかの意見の中では自分とは違う意見があり、必ず...
最初目次を見た時は非常に惹かれたのですが、実際に文章を読んでみて最初の印象は、「すっごく読みにくい」でした。 理系の人間からすると「だらだらと文章が書かれていて、話題が次々飛んでいるようで、結論が分かりづらい」と感じました。 また、幾つかの意見の中では自分とは違う意見があり、必ずしも「この本はすばらしい!」とは言いづらい感じでした。 しかし、内容として、曽野さんの生き方として読んでみると、非常に奥深いものを感じました。特に一番最後の1文は、心に残るものでした。 読み終わった後に調べてみたところ、曽野さんという方がすごい人なんだと言うことが分かりました。やはり、そう言った人の考えに触れられるというのは、非常にタメになると思います。
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見出しと小見出しを読むだけで、おおよその内容が掴める本。 曾野綾子自身、手弁当で弱者救済に動くほど、人格者であることは十分承知していて、納得いく言葉がつづられているが、何故か残ってこない。 著者の一貫した姿勢が既刊本から推測でき、目新しさがなかったからなのか?落ちき所が血肉となったクリスチャンの言葉だからなのか? 謙虚であれ、確かにそう思う。
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もっと難しい感じかと思ってましたが、エッセーみたいなところあり、おもしろかったです。ふふふと笑いながら読みましたが、いろいろと、思うところもありました。何回か読むと思います。
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おばあさんの小言。ただ、とても知的で可愛く、尊敬できるおばあさんの小言です。 世の中には答えはないのですから、こうやって茶飲み話をするのが大切なことだと思います。そうして少しずつ世の中が良くなればいいな!と思います。成熟した素敵な大人になりたいと思わせる一冊です。
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身近に曽根さんほどの年上の女性がいないので、すごく興味深く、ためになった。今まで自分自身を奮い立たせるために思ってきたことを裏返させられた意見もあって、少し成熟した大人になれたかもしれない。
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