人間にとって成熟とは何か の商品レビュー
偏屈なおばさんが世の中のワルクチをいっているだけに思えた。それこそお茶でも飲みながらお友達と語らえば良いのにという内容。期待外れ。
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芯があるおばあ様の本、『人間の基本』に引き続き2冊目。 本書は『人間の基本』同様、人としてのベーシックなあり方(倫理観、美醜感など)について書かれている。その上で人が「成熟」していくと、物事の考え方はどのように変化するのかということが著者の経験を基にして語られる。 私にとっては...
芯があるおばあ様の本、『人間の基本』に引き続き2冊目。 本書は『人間の基本』同様、人としてのベーシックなあり方(倫理観、美醜感など)について書かれている。その上で人が「成熟」していくと、物事の考え方はどのように変化するのかということが著者の経験を基にして語られる。 私にとっては、新しい見地を得るというより、示唆に富むお話を聞かせて頂き、体たらくになっていた自分に少々の「喝」を入れてもらったという感覚だ。 本書の中で引用されているアリストテレス『エウデモス倫理学』の 「ものごとを軽くみることができるという点が、高邁な人の特徴であるように思われる」 という言葉は印象的だ。 「軽くみる」というのは「軽視」するという意味ではなく、変化を受け入れること、諸行無常の感覚に通じている。物事が移りゆくものだということを知ることで、具体から抽象に、そして神髄へたどり着くということだろう。
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著者の年代の方々からの言葉には重みと説得力が感じられて、背筋がしゃんと伸びるような感じがした。 クリスチャンの著者からの目線が新鮮だった。 この年代の人たちが身近にいたら、人生の悩みや相談事等の色々なことを教えてもらえて元気になれそうな気がする。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
成熟した人としての器は、清濁をあわせながら、世間を認識しつつも、自分のスタイルを持ち、周囲に幸福をひろげる人なのだなぁと感じた。 楽しいお茶を飲むことの大切さを日常にしたい。 13-169
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世の中は矛盾だらけだ。だからいいことだけがいいのではない。時には悪いことも用意されていて、その中から選ぶ自由も残されていた方がいい。 神などいるわけがない、と言う人は、人間の力だけが可能か不可能かを決めるのであって、それ以外の力など介在するわけはない、と思うのだ。しかし私はそう...
世の中は矛盾だらけだ。だからいいことだけがいいのではない。時には悪いことも用意されていて、その中から選ぶ自由も残されていた方がいい。 神などいるわけがない、と言う人は、人間の力だけが可能か不可能かを決めるのであって、それ以外の力など介在するわけはない、と思うのだ。しかし私はそうではなかった。私はたくさんのことを望んだ。しかし最後に私がすべきことと、できることを決めたのは、私ではない存在の力が大きい、というのが私の実感だった。 他罰的であるということなのである。自分のせいでこうなった、のではなく、何でも他者が悪いのである。 現実の行動として他罰的な人というのは、世間の人が率先してお辞儀をする名門だという評判があろうと、学歴がよかろうと、出世街道をまっしぐらに走っていようと、既に地位や財産を築いているように見えようと、実は不安の塊なのである。 ばかにされることを恐れることほど、愚かなことはない。もし私がほんとうに馬鹿なら、馬鹿にされるという結果は正当なものだし、他人が不当に私をばかにしたら、もしかすると別の人が、私を馬鹿にした人を馬鹿だと思うかもしれない。 手を差し伸べる方も控えめなら、受ける方も充分に遠慮して受け取るのが当時の人情である礼儀だったのだ。それが人間の権利だらか、堂々と受けた方がいい、などという言葉も信条もなかったのだ。 品は、群れようとする心境を自分に許さない。自分が尊敬する人、会って楽しい人を自分で選んで付き合うのが原則だが、それはお互いの人生で独自の好みを持つ人々と理解し合った上で付き合うのだ。 人生は、常に問題が続いていて当たり前だし、不足に思うことがあって当然なのだ。むしろ人生の重さの実感だとして、深く感謝すべきなのである。 どなたの前でも、誠実に礼儀正しく、ひるまずにお話できるように。 ほんとうに力がある人は決して威張らない。地位は現世で仮のものだからでる。誰がほんとうに偉い人か、その優劣の差があるのかどうかは、神仏が見極められることだ。年寄りだって弱い年寄りほど椅子に座って偉そうにしている。 できるだけは、頑張る。しかし諦めるポイントを見つけるのも大人の知恵だ。 破れたジーパンはその人にあうことを評価していない。つまり自分を馬鹿にしている。他者を思いやる能力がないのだ。 自分の仕事が評価されることを望んだ。別に表彰されることを期待したわけではないだろうが、少なくとも、深く感謝せれることを望んだのである。 最近の若者たちの多くと私が違うのは、彼らは人生で大きな失敗の危険を含む冒険を、決してしようとはしないのに対して、私はそうではないということだ。私はいつも人生で、自分が好きな道なら、失敗するかもしれない部分を賭けてみようと思っていた。私は失敗してずたずたになる人生を心のどこかで覚悟していたが、彼らにはそんな投げやりな点は全くないことが後で分かった。 ベストセラーの曽我さん。厳しい言葉もあります。高い段階の話をしているように聞こえました。
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本であるから、当然ながら著者の個人的な意見が述べられているわけだが、ストレートに書かれているので、一瞬、ぐっときて合意して受け取ってしまいそうになり、この段階では、金科玉条のように感じられて良いように思われるのだが、少し懐疑的に見てみると、さして幅広いバックグラウンドから出た話で...
本であるから、当然ながら著者の個人的な意見が述べられているわけだが、ストレートに書かれているので、一瞬、ぐっときて合意して受け取ってしまいそうになり、この段階では、金科玉条のように感じられて良いように思われるのだが、少し懐疑的に見てみると、さして幅広いバックグラウンドから出た話でもないわけで・・・。良いとも言えるし、危ないとも言える。
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息子から「読め、読め」と勧められた本。筆者のいう「成熟」まで程遠い私は、読みながら何度も「すみません」と懺悔の気分。この先、この成熟の域に達するのか…。一方で、日頃から違和感を感じていたものをバッサリ切り捨てているので、読んでいて気持ちいい。
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街の豆腐屋のおばちゃんから、遠いアフリカの難民の人々のこと。AKBや新聞広告にいたるまで、著者の身の回りのちょっとしたことの中から「人間の未熟さ」を捉え、そこから、論理を発展させ最後に「成熟」とは?を考えさせられます。 時に「そこまで言いますか・・」とこちらが心配するほど「鋭...
街の豆腐屋のおばちゃんから、遠いアフリカの難民の人々のこと。AKBや新聞広告にいたるまで、著者の身の回りのちょっとしたことの中から「人間の未熟さ」を捉え、そこから、論理を発展させ最後に「成熟」とは?を考えさせられます。 時に「そこまで言いますか・・」とこちらが心配するほど「鋭く」突っ込み、時に「ああ、なるほど」と深く考えさせられる。 日本も、世界も多くを見てきたからこその、大きく、普遍的な考え方をされるんだなということを感じました。 「突っ込み」の鋭さは、関西人以上ですが、そこは曽野さん、「品」を感じます。 実行すること:他人の自分への評価に、「一喜一憂」せず、超然と構える。
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自分の思い通りにならないことを、自分にとっての不幸と思っていたが、本当の苦労をせざるを得ない人たちと比べて「これ以上、何を望むのか?」と素直に思えた本。 忘れた頃に、また読まなきゃ!
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良書。手もとに残しておき、定期的に読みたい本。 そのさんが今まで生きてきた人生の集大成のような本だったが、総じて卑屈で斜に構えた生き方をしているなーと感じた。それは小説家・物書きとしてあるべき素質であるし、決して悪いことではない。が、少なくとも友達は少なそうだなーと思った。しかし...
良書。手もとに残しておき、定期的に読みたい本。 そのさんが今まで生きてきた人生の集大成のような本だったが、総じて卑屈で斜に構えた生き方をしているなーと感じた。それは小説家・物書きとしてあるべき素質であるし、決して悪いことではない。が、少なくとも友達は少なそうだなーと思った。しかしながら、本文にも書いてあったけれども、彼女にとって、自分の筋を通して、かつ数少ない心の友が自分の言うことを尊重してくれればそれで幸せとのこと。 なかなか今の自分にない、けれども憧れる価値観であった。 要再読。
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